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内輪もめで日は暮れた

 今の国会の問題点の一つに衆・参議院ねじれ現象がある。法案が衆議院を通過しても参議院で否決される場合があるからである。
 参議院は、もともとは党派性を持ちこまない良識の府を目指したが、民主主義は結局は数の政治ということになり、各党が議席を競い合うことになった。
 このため、名前が売れていれば、人物に関係なしとして、スポーツ界、芸能界、業界、労組、宗教界から候補者がかつぎ出され、当選者は擁立した政党に組み込まれてきた。
 良識の府がいつの間にやら政党の救済機関となって、衆院を落選したものが参院で返り咲いたり、参議院から途中で衆院に乗り換えたりする。それを辛抱強く見てきた国民は、参議院は衆議院より質が落ちると考えるようになり、また、それを実証するように、組閣時も参院から登用する大臣は数が少ない。そればかりか、国会議員は国会の投票によって総理大臣になれるはずだが、実際は衆議院議員しか当選していない。なぜ、そうなったのか、あいまいだが、民意を代表しているのは解散後の衆議院の議席だということらしい。
 今の衆議院の各政党の勢力図は2009(平成21)年の解散総選挙によるもので、民主党の絶対過半数という大勝利による。
 一番近い選挙の結果が今日の衆議院の議席であるから、その絶対多数の民主党の決めたことは、レールの上を走る列車の如く難なく、ほいほいと走ってゆきそうに思われるが、現実はそうはならない。
 あっちで突き当たり、こっちで脱線したり、危くて見てられぬが、綻びはますますひどくなり、天下の大政党が一体どうなってるのか、と国民の不信を買っている。
 まあ、早い話が、民主党は政党としての体をなしていない。政党は幹事長以下、党役員が執行部をつくってそれが一体となって総裁を支えてゆく。今は民主党内閣だから、総裁(代表)の野田さんが政府とその与党である民主党を統括し、リードするわけだが、現実は全くそれに反して、行きつ戻りつの、会議ばかりしながら、ことは運ばず、あげくの果ては組織をいじくり回して、新しい役所の看板づくりに忙しい。その結果、税金を取るのに都合のよいような歳入庁という役所を考える。役所の名前や組織換えで、ものが前進するなら会議や議論は不要であるが、そういう横道をしながら国民の眼をごまかすようなやり方は政権の末期現象である。
 冒頭に述べたように、衆参のねじれ現象による政権の行き詰まりであるならば、一日も早く、現段階の民意は如何にと、解散総選挙すべきではないか。
 もう一つの不思議は民主党は公党としての顔を持ちながら、内部には顔も胴も二つある奇態な政党である。野田首相が与野党会議で頭を低くして、自・公の協力を得る予算案にしても、あるいは消費税アップにしても、肝心の与党内に、堂々と野田政策の反対を打ち出している大きな勢力を抱えていることだ。
 内輪もめも治められずに大事な法案や税の話を野党の協力で進めようとするなら、野田さんは内輪の造反組を追い出してからすべきではないか。どっちにしても日暮れの内閣に仕事を期待するのはムリというもの。八分通り日は暮れた。【押谷盛利】

2012年02月20日 17:01 |


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