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お酒の損失4兆円(見聞録)

 酒の飲みすぎで、年間4兆円を超える社会的損失が発生しているというデータを、厚生労働省の研究班がまとめたと、9日付け読売が報じている。
 肝硬変の40%、浴槽での溺死の34%がアルコールに起因するとした米国の研究データを参考に推計した。飲み過ぎによる病気やけがの患者が年間24万6000人、死者が3万5000人、治療費に1兆0226億円かかっているとした。さらに、69歳まで生きた場合に受け取れるはずだった賃金1兆0762億円を失ったと見積もった。
 また、働いている男性の5・9%、女性の1・7%が「人間関係にひびが入った」「二日酔いで仕事を休む」など飲酒による問題を抱えている。これにより労働生産性が21%低下し、その損失を1兆9700億円とした。
 このほか、飲酒による交通事故なども含めると総額が4兆1483億円になるという。 
 酒が過ぎれば、いずれアルコール依存症に陥る。自身の体と精神を壊すだけでなく、家族や職場に迷惑をかける。しかし、依存症患者のうち、医者にかかって依存症と診断されるのは少数派で、多くが依存症に陥っていることさえ知らずにアルコール漬けの生活を送っている。
 小紙にも時々、酔っ払った読者から電話がかかってくる。滋賀夕刊への感想や身近なニュースを上機嫌に話すのは可愛いが、自慢話や要領の得ない話を延々としたり、「酔っ払っているなら電話を切りますよ」と話すと怒り出したりするのには、閉口する。
 昼間から酒を飲んで酔っ払い、新聞社に電話してくるのだから、おせっかいながら家庭や生活環境を心配してしまう。
 たばこの健康被害の注意喚起は喧しいが、アルコールは酒酔い運転での交通事故で騒がれる程度。しかし、現実は依存症患者があちこちにいて、たばこ以上に社会的損失を生んでいるのではないかと危惧している。
 適量のアルコールは心身をリラックスさせ、人間関係の潤滑油にもなるが、医療費を押し上げ、生産性を下げる程の飲酒はもはや社会問題だ。
 もし、アルコールの飲みすぎで家庭や職場に迷惑をかけているなら、一度、病院を訪れた方がいい。アルコール依存症は、とても恐ろしい病気なのだから。

2012年02月09日 15:03 |


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