自民党は出直すがよい
注目の大津市長選は無名の新人・越直美氏(36)が現職で3選を目指した目片信氏(70)を破り初当選した。
越氏は無名とは言え、大津市出身であり、膳所高から北海道大学へ進み、弁護士になった。米国のハーバード大学で学ぶなど国際感覚も十分であり、大津市民の求めていた本格的政治家の素質十分である。
全国最年少の女性市長として、早くも脚光を浴び、知事の嘉田由紀子氏と2人3脚で新しい滋賀が発信されるであろうことを思うと痛快である。
越氏の勝利は早くからささやかれていた。自民と公明は変な仲よしぶりを見せて早くから国会議員の経験もある現職の目片氏を推薦した。出発時点において、大津市民の感覚と大きくずれていた。
いま、全国的に大きなうねりとなって政治改革を求めているのは中央、地方を通じての政治の閉塞感である。
国民はいらいらして、政治不信に陥っているが、この国民の閉息感は旧来の流れを断ち切って、自由にして、新鮮、大胆な政策転換を求めているのであり、従来路線の改良や延長を否定している。その政治路線の革命的転換で国民の拍手喝采を浴びているのが橋下徹大阪市長率いる維新の会である。
維新の会は橋下氏の若さと卓越した政治行動力で、大阪府政と市政の大改革を進めているが、その政策の明快さと実現へのスピード感が関西どころか全国各地へ信頼と夢を拡大させている。
大津市民が越氏に寄せる期待感は橋下大阪市長へ寄せる国民の声と均質のものである。
にも拘わらず、自民と公明は次の解散選挙における滋賀1区の互いの党内事情を反映させながら無難な目片候補への道をとった。ここに旧態依然の古い政治流儀を知ることができ、大阪旋風が国の政治を改革するという今日、政治家としては峠を越えている70歳の現職を市民に奨めた。
たまたま大津市長選の行われた22日は、中央で自民党の全国大会が開かれた。谷垣総裁は、民主党の不手際や公約破りを追及して、掛け声勇ましく、解散総選挙を訴えたが、犬の遠吠えの如く、パンチが欠けていた。
客観的に国民が大いなる政治改革を求めているにも拘わらず、この党の現実の対応は、大津市長選と同様に国民の声に耳を傾けることなく、スピーディーにことを運ぶ若さと行動力に欠けている。
いわば党運営は半世紀前の古風な派バツバランスの上に立っているだけで、国民の心に根ざす政策本位の大衆性を持たないことが致命的である。
いま、国民は民主党政権に大いなる不満を持っているが、だからといって、柱時計の振り子のようにその国民の不満が自民党への期待感として表へ出てこない。
これは何を意味するか。自民党は謙虚に反省すべきで、本当をいえば、解散を本気でいうならば、今日の自民党のていたらくの責任を反省して、党役員は頭を丸めて総辞職するべきであった。新しい役員に希望を託し、国民の前に生まれ変わる決意を、死に物狂いの国難打開の道筋を説明すべきだった。
これがない限り、民主党がいかにヘボ将棋をやろうとそれに代わる自民党政権への道は遠い。【押谷盛利】
2012年01月23日 15:52 | パーマリンク
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