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この20年間の歩み(見聞録)

 あす8日、全国各地で成人式が行われる。「成人の日」は1月の第2月曜と制定されているが、新成人の帰省を考慮して、ほとんどの自治体が3連休の真ん中に当たるあすの日曜日に行う。
 長浜市内でも長浜ロイヤルホテル、湖北文化ホール、木之本スティックホールの3会場で成人式が行われ、1273人が対象となっている。
 滋賀夕刊では長浜、東浅井の新成人のうち、交歓会「新成人を祝うつどい」を企画する実行委員会の何人かに声を掛け、成人式を迎えるにあたっての気持ちや決意を綴ってもらった。詳しくは2、3面で紹介しているが、いずれの新成人もしっかりとした書きっぷりで、特に親への感謝の念がにじみ出ている。
 さて、今年の成人式は1991年4月2日から1992年4月1日に生まれた新成人が対象。当時の日本、世界の世相はどうだったのか、振り返ってみると—。
 1991年は、今は亡き独裁者サダム・フセイン率いるイラク軍のクエート侵略に端を発した湾岸戦争が勃発した。米軍を中心とする多国籍軍が圧倒し、地上戦はわずか100時間で終了した。夜空を裂く砲弾の嵐がテレビで生中継されたのが衝撃的だった。また、アメリカと経済・軍事力を競ったソビエト連邦が解体したのもこの年だった。
 国内はバブル景気が崩壊し始めた頃だった。一時は3万8000円を超えていた日経平均株価2万5000円前後を推移。それでもきのう6日の8390円と比べるとまだ3倍あった。
 そんな中、約3000億円の資金が不正取引のあげく闇社会に消えたイトマン事件が発覚した。翌年1992年の東京佐川急便事件では自民党副総裁の金丸信氏が5億円の闇献金を受けていたことが明らかになった。他の大物議員、闇資金のルートは解明されないまま事件は終結した。当時は他にも大企業の不正取引が発覚し、多くの資金が政治家や闇社会に消えた。
 新たな自然の脅威も見せつけられた。雲仙普賢岳で大規模な火砕流が発生し、警戒にあたっていた消防関係者や、報道関係者ら43人が死亡・行方不明となった。
 また、42人が亡くなった信楽高原鉄道事故も1991年のことだった。
 相撲界では若花田、貴花田による若貴ブームで盛り上がる一方、千代の富士が引退し、世代交代を印象付けた。テレビは「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」などの恋愛ドラマが注目された。
 こう振り返ると、ちょうど20年前は、景気は上昇するものと思い込んでいた戦後日本人が初めて不景気の足音を聞いた年であった。そして、ソ連解体で東西冷戦に終止符が打たれ、世界平和への期待が高まっていた。
 この20年間で世の中はどう変わったのだろう。企業と政治家、闇社会との癒着はなくなったか。自然の力を畏れ、過去の災害を教訓にしてきたか。世界は平和になったのか。
 そして何より、我々の心はどうだろうか。豊かになったのか、貧しくなったのか。「成人の日」を機会に、新成人ではなくともこの20年間の自身の歩みを振り返ってはどうだろうか。

2012年01月07日 19:39 |


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