2011年の思いを綴る(見聞録)
2011年の最後の滋賀夕刊のコラムは「見聞録」の当番となった。
この1年を振り返ると、ニュースは東日本大震災一色だった。自然を前にした人間の無力さと、根拠も無く「安全神話」となっていた原発の危険性を目の当たりにした。小生も被災地で被害の規模に呆然とさせられた。
湖北地域でも個人、団体を問わず、ボランティアや支援活動が盛んだった。今町や小谷丁野町などが自治会を挙げて支援したのは温かいニュースだった。長浜市社会福祉協議会への義援金は今月26日現在で1135件、総額は2億3900万1097円にのぼった。
原発事故に湖北地域は無縁ではないことも認識した。若狭湾でフクシマ級の事故が起これば、湖北地域はどれほど汚染されるのか。琵琶湖の水は大丈夫なのか。原発のもたらす経済的恩恵と、自然の空気、大地とを、どう天秤にかけるのか。重大な問いを投げかけられた。
さて、被災地の復興、原発事故の処理が日本の将来を占うというのに、国政は信じがたい程の迷走の繰り返しだった。菅氏では復興が進まないという理由で、野合と妥協の副産物として野田氏が首相に選ばれれば、大臣は大臣で失言、暴言で次々と入れ替わった。
民主も自民も挙国一致の救国政権をつくることなく、政争に明け暮れた。
そして、いつの間にか所得税と消費税の増税が既定路線になり、一方で2012年度予算は財政規律のタガを緩ませて大盤振る舞い。国民泣かせの増税も、結局は浪費—。
民主、自民のふがいない政治に愛想を付かせた国民は、新たな政策集団を欲している。橋下氏の率いる「大阪維新の会」が先の大阪府知事選、大阪市長選で既存政党の相乗り候補を抑えて圧勝したのも、その表れであろう。
来年1月には大津市長選がある。目立った争点はないが、30代の新人女性が国会議員経験もある現職に挑戦するのは、古い政治への決別を提示しているとも言える。また、来年は解散総選挙の可能性もある。今の国政の体たらくを繰り返さないため、もっと真剣に政治を見つめるべきだろう。
湖北地域に目を転じれば、江・浅井三姉妹博覧会は全国から100万人を超える観光客を呼び込み、市民ボランティアのおもてなしの心が光った。これらの観光客が一過性なのか、リピータとなり得るのか、そこが問われるべき成果だ。
湖北地域を大きく揺るがしたのは県教育委員会の高校再編計画だった。明確な理由が示されないまま長浜と彦根が統廃合のターゲットとなった。市長を先頭にした反対運動の結果、計画決定が先送りされたが、この湖北地域でどのような高校教育を県教委に求めてゆくのか、来年の大きな宿題となった。今春の入試で彦根東高から東大に合格した2人はいずれも長浜市内の中学出身だったことを明記しておきたい。
今年のニュースを振り返ると、話題は尽きない。 トルストイは「最上の幸福は、1年の終わりにおいて、1年の始まりの自身より、遥かに良くなったと感じることである」と説いているが、読者の皆さんにとって2011年はどういう1年だったのだろうか。
今年はきょう27日で筆を休めます。この1年、駄文に付き合っていただき、ありがとうございました。新年も頑張ります。
2011年12月27日 10:06 | パーマリンク
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