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株主提案権の行使を(見聞録)

 前大阪府知事の橋下徹氏が27日の市長選で民主、自民、共産党が相乗りした現職を破り、圧勝した。有権者は、閉塞感のある日本・大阪の大改革を橋下氏に託し、その期待感は投票率の低さで知られる大阪市で60%を超えたことが代弁している。
 橋下氏が選挙戦で特に訴えたのは二重行政を廃する大阪都構想、教員と職員の質向上を目標とする教育基本条例、職員基本条例の制定だった。
 いずれも自治体の無駄を省き、効率と質を向上させるための荒療治であり、今の行政システムに胡坐をかく政治家や公務員はこぞって反対した。党派を超え、右も左も打倒・橋下を掲げたが、有権者は橋下新市長を切望した。
 二重行政の解消のお手本として、都構想の実現を見つめたい。
 教育・職員基本条例は、誰もが手を付けられなかった「聖域」に果敢に切り込む歴史的転機となり、その成り行きを全国民が注視するだろう。
 そんな大阪市の橋下氏に、遠く離れた長浜市民として期待するのは原発問題への対応である。
 滋賀県は25日、関西電力美浜原発で福島第1原発事故と同規模の事故が発生した場合の放射性物質拡散予測を公表したが、長浜、高島のみならず、琵琶湖を超えて湖南地域にまで飛散することが明らかになり、滋賀県が原発事故に無縁ではいられないことが、改めて示された。
 今年5月、長浜市議会が原子力安全・保安院の地域原子力安全統括管理官を招いて研修会を行った際の管理官の言葉が今も耳に残っている。「事故が絶対に起きないようにやっているが、科学的に(事故の可能性は)ゼロにならない」。原子力安全・保安院の担当者が、事故が100%起こらないなんてことは保証できないと言っていることにショックを受けた。
 そこで、橋下氏。彼は選挙戦で原発依存からの脱却を掲げていた。対立候補の現職も脱原発を公約にしていたから目立った争点とならなかったが、市長選で訴えたこの公約の意味は大きい。
 というのも、関西電力の筆頭株主は大阪市。そのトップが訴えるのだから、脱原発への足がかりは出来たのではないか。
 原発隣接県に住む者としては、原子力発電の必要性、恩恵を認識しながらも、福島原発事故の惨状を知るにつけ、この湖北地域でも人が住めなくなったり、放射能の数値を測りながら生活を送ったりという可能性が、将来0%ではないという点を恐れる。
 橋下氏には、脱原発依存と自然エネルギーへの転換に向け、関電に対し株主提案権を行使してもらいたい。

2011年11月29日 17:21 |


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