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金融危機、日本は安心か

 ギリシアの金融不安がイタリアに飛火した。イタリアがおかしくなればスペインへ…。欧州の金融混乱は世界へ連鎖反応するから各国の首脳や銀行筋の心配はただことではない。
 野田首相がアメリカへ渡って国際外交の舞台で消費税のアップを約束したのは「安心して下さい。日本は赤字をばらまいての財政破綻から他国へご迷惑をおかけしません」という苦衷の誓約であろう。もし、日本が財政に行き詰まり、企業でいう倒産状況になれば日本の発行した国債は紙屑になり、これを買っていた世界の金融界は混乱する。それは日本の株価の下落を誘い、世にいう金融恐慌へと発展する。ギリシア、イタリアの破綻を必死で食い止めているのがEUのヨーロッパ連合の諸国だが、これはアメリカをも含めた世界同時恐慌を恐れての政治の知恵と努力である。
 しかし、ギリシアやイタリアにEUの金融支援策が講じられるには一つの前提というか、約束ごとの実行が担保される。いわば自国の国民の協力のもとに赤字財政を克服する苦難の道が強いられる。
 例えば年金の支給年齢を上げる、税金を上げる、国からの補助や助成政策を圧縮する。この反面、公務員の給料を低くし、定員を大幅に少なくする。国の関わっている福祉事業を見直したり、公共工事のストップ、国の発注する多岐にわたる事業を減らすなど、要するに国民に貧しくとも耐乏の暮らしを迫るのである。
 この結果、警察官が少なくなって治安が物騒になるかもしれない。国民の生活消費水準が落ちるから物が売れず、そのため企業が行き詰まり、失業者が増える。税金は高くなるのに、国民に対する還流、国民サービスがダウンするのであるから、一流国家の暮らしが三流国家並みにみじめになる。教育も医療も十分に手当て出来なくなり、国を捨てて他国へ流れるものもあるかもしれない。生活の不満から暴動が起きるかもしれない。自国の警察や軍隊では秩序が守れないとなると、一時的に外国の軍隊の治安上の助けを受けねばならぬとこさえ考えられる。こうなるとその国の独立や運命にまで関わってくる。
 そういう国際的異変が心配されるのが世界同時恐慌である。日本は円が強いから安心だというが、それはヨーロッパなどとの比較の上での話で、今のように1000兆円の借金を持ちながら、さらにこれからの東北大災害、原発事故の復旧復興に何兆もの莫大な国債を発行すれば収支の健全経営は完全に破綻する。
 平常運転のときでさえ、財源不足を国債に頼ってきたのだから、自主財源(国民の力によるお金)を税金に求めなくては累積赤字の危険状態をまぬがれぬ。
 おそらく、今後は増税と出費(歳出)抑えの二段構えで財政危機を乗り切ろうとするのであろうが、目に見えるのは国民の不満と反発である。
 いずれにしても、国民は生活水準を落とさねばなるまい。その前に、政府も役所も国会の先生にも泣いてもらわねばならぬ。【押谷盛利】

2011年11月16日 14:56 |


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