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迫る新酒の解禁日(見聞録)

 ボジョレ・ヌーボーの解禁日が17日に迫っている。
 フランス南東部のボジョレでその年の8月に収穫したブドウを醸造して作られ、毎年11月の第3木曜に解禁される新酒ワイン。
 「ヌーボー」はフランス語で「新しい」という意味。ちなみに芸術様式の「アール・ヌーボー」は「新しい芸術」となる。
 フランスの一地方で作られる新酒に過ぎないが、世界中でその解禁日を大々的に祝う商売方法が定着している。
 日本の場合、日付変更線が太平洋にあるおかげで、先進国の中で最も早くボジョレ・ヌーボーにあり付ける。日付の変わる深夜0時きっかりにレストランやバーで提供を始め、コンビニで販売されるなど、一つのイベントとなっている。
 1980年のバブル期に大ブームが起き、一気に名前を知られたが、バブル崩壊後は下火になった。今では他の赤ワインと同様に親しまれ、解禁日だけ異様な盛り上がりを見せる。
◇さて、この解禁日はフランス政府が1951年に設定したそうだ。
 というのも、ワインメーカーが「今年の新酒」を少しでも早く売り出そうと製造を急ぎ、粗悪品が出回ったためだ。
 過剰な新酒競争に歯止めを掛けるべく、政府が解禁日を設定したところ、パリのレストランで大ブームが起き、世界に広がったという。
 そもそも、解禁日はなぜ第3木曜なのだろうか。週末に設定したほうが、盛り上がるのではないのか?
 フランス政府は当初、解禁日を「聖人の日」にあたる11月11日(後に15日に変更)に定めたそうだ。しかし、土曜や日曜に重なった場合、レストランやワイン店はお休みなので、ボジョレ・ヌーボーの売れ行きが大きく落ち込んでしまう。
 革命で労働者が権利を勝ち取ったお国柄、休日を返上してまでボジョレ・ヌーボーを売る気はなかったようだ。
 メーカーからの要望を受けた政府が「11月の第3木曜」との変動制度を取り入れたことで落ち着いた。
◇小生はボジョレ・ヌーボーに無縁だった。「バブル期のバカ騒ぎの道具にされた哀れなワイン」として敬遠していた。しかし、昨年、友人の勧めで初めて飲んだところ、新鮮な果実味、抑制された渋み、口当たりの軽さから、たちまち虜になってしまった。とても飲みやすく、バブル期、ワインに初めて触れた日本人が熱狂したのもうなずける。
 価格もワインの中では手ごろな部類。おまけに今年は対ユーロでも超円高。ボジョレ・ヌーボーも例年より2~3割安く手に入るかもしれない。

2011年11月05日 09:42 |


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