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自助、共助、そして公助(見聞録)

 3月11日の東日本大震災で、津波が三陸の町々を飲み込む映像に、自然の前の人間の無力さを痛感した。
 絶対安全と妄信していた原発は津波を被って電源を失い、放射性物質を撒き散らし、津波とは別次元の災禍を招いた。いつ、人が住める状態に落ち着くのか。
 全国からの義援金や支援物資、ボランティアの輪の広がりに、心強さを感じた。がれきの撤去もほぼ終了した。
 この震災から我々は何を学ぶべきなのか。きょう9月1日の「防災の日」に改めて考えたい。
◇大地震などの災害にどう備えるのか。
 まずは、自分の命を自分で守る「自助」が原点であるということ。国や自治体、他人任せでは、自分や家族の命を守ることはできまい。
 家具が倒れないように壁や天井に固定したり、自宅の耐震性を確認したり、万一の非常品を備蓄したり、地域の防災訓練に参加したり、というのが当てはまるであろう。また、避難所や連絡の取り方を家族会議で事前に決めておきたい。
 自助に次いで「共助」も欠かせない。これは近所との助け合いを意味する。阪神淡路大震災で倒壊した住宅から被災者を助け出したのは消防でも警察でもない。近所の住民だった。
 どこにどういった家族が住み、1人で避難できないお年寄り、障害者はいるのか、などの情報を日ごろから近所で共有したい。大災害では消防も警察も被災者となる。地域の救助活動は地域で行う覚悟が必要だ。
 自助、共助では及ばない防災対策を、国や自治体に委ねるのが「公助」だ。橋や道路の補強、学校の耐震化、防災計画の策定などが挙げられよう。
 防災の日にあたり、まずは、国や自治体任せでない、自ら取り組める対策を家族で話し合ってはどうだろうか。
◇他方、原発事故に対し、住民がいかに無力なのかは、福島が証明した。
 万一、福井県内で福島第一原発のような事故が発生すれば、長浜市が放射性物質で汚染されるのは明らかだ。いかにして事故を防ぐのか。根本の原発を絶つのか、原発施設のさらなる安全対策を求めるのか。
 今の福島の惨状を「明日は我が身」と受け止め、あの汚染区域が今後どのような経緯をたどるのか観察し、原発隣接市の長浜市民として、近畿の水がめを抱える滋賀県民として、原発と安全、電気の問題を考えたい。

2011年09月01日 19:41 |


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