滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2010年10月30日

困った国の「黄金の漁場」(見聞録)

 ベトナム・ハノイで29日夜に予定されていた日中首脳会談は、中国側が拒否したことで見送られた。
 中国政府は「日本側は外相会談について正しくない内容を発表したため両国の首相が会談する雰囲気を壊した。これによってもたらされた結果の責任はすべて日本側にある」とのコメントを発表した。
 一方、日本の与党は「会って話すことを否定するのは理解しがたい」、外務省筋は「中国の批判には言いがかりが多い」と呆れ顔。
 日本国民は国際常識からかけ離れた中国の対応に、いい加減、慣れたことだろう。
◇この困った国との付き合いを、他国からの視点で分析するのも興味深い。
 手元に在日韓国人向けの「民団新聞」(10月20日付け)がある。
 1ページ全面を用いて「『中国リスク』縮小する創意を」との見出しで、韓国がどのようにして中国と付き合うべきか、分析している。
 同紙はまず日本との関係について、「独島(竹島)領有や歴史認識などいくつかの地雷原を抱えながらも、おおむね良好に推移している。火種が生じても、対立の修復にさほど手間取らない成熟した段階に入りつつある。両国とも経済、政治の運営や国民意識の有り処が見えやすく、それが相互信頼につながっている」としている。
 しかし、中国との関係は「いつ股裂きにあってもおかしくない不安定さがつきまとう」と論じている。
 韓国は年々、中国との経済的結びつきが強まっており、今年の対中輸出は日米とEU向け輸出額の合計とほぼ同じ規模になる。同紙は中国市場を「黄金の漁場」と表現している。
 しかし、その中国は韓国の敵対国・北朝鮮を全面的にバックアップし、政治、軍事分野では油断ならない。これが同紙の指摘する不安定さだ。
◇中国と過度に経済的依存を高めることは、レアアースの対日輸出禁止措置にみられたように、中国政府のコントロールしだいで自国経済への打撃となる。
 「純粋な経済面だけを見ても、特定国に依存度を高めることは危険性を高める。ここに政治と軍事の要素が加わればなおさらだ」と、同紙は指摘し、日本を指差しながら「明日は我が身」との警戒心を忘れないよう、訴えている。
◇日本企業も中国との結びつきを強め、政治的緊張とは裏腹に、中国進出は止まる気配はない。
 先日も、インターネット上の仮想商店街「楽天市場」を運営する楽天が、ニセモノ、トラブル大国の中国市場に「日本人の信頼性」を武器に進出した。
 「黄金の漁場」がそこにあるのなら、リスクを承知で打って出るし、目の肥えた中国の裕福層は、たとえ日本製でも高品質の製品、サービスを買い求めようとする。
 政治とまったく異なる主義・原理で動く市場経済が、両国融和の糸口につながればいいが。

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2010年10月29日

円高不況と日本の政府

 円高不況で日本の経済と政治に暗い影響を与えている。日本の円が国際相場の上で高い水準にあることは日本の財政と経済がしっかりし、世界の信用度が高いという意味では誇るべきことでもあり、喜ぶべきことでもある。
 円高はアメリカのドル安とも相関関係にあるが、世界的視野から言えば「日本よ、どしどしと国際市場でお金を使ってよ」という誘いでもあり、「日本は豊かでいいですね」というひがみの声とも取れる。
 どういうことかと言えば、日本よ、自分たちだけが儲けることを考えないで、もっと世界を儲けさせることに力を入れて経済大国にふさわしい貫禄を示せということである。
 具体的にいえば、世界市場からもっと物を買って下さい。世界市場を潤してほしいという願いである。分かり易くいえば少しでも関税を安くして、もっともっと輸入を増やせ、外国品を消費せよということ。さらには日本の円が海外へ出動して、海外の経済、工業の弱い国に工場をつくり、その国の活性化に力を入れよ。アメリカなど先進国で経営に困っている企業へは日本の円でカンフル注射してほしい。アメリカの不動産や国債も買ってほしい、という注文の声でもある。
 そんなふうに外国からねたまれるほど日本は裕福なのか、とこの際、政府も国民も振り返る必要があるのではないか。
 正直言って、世界の観光地で共通している日本人観は「お金持ち」なのである。日本人の観光客はどの国でも大歓迎されるが、それは気前よくものを買ってくれるからである。
 それほど日本人が裕福であるのなら、日本政府は今、票のため国民の関心を買っている「ばらまき」施策などは思い切ってやめることだ。むしろ、輸入歓迎政策を打ち出して、日本人の買い出動による国際金融界へのあてこすりをすればいい。外国の国債もじゃんじゃん買えばよい。
 そうは言うものの日本人の勤勉性ともったいない精神はおカネの無駄遣いはしないし、残したカネは貯金に回す。これは日本人の伝統的生活習慣であり、国がいかに内需振興策を立てようとも国民の財布の紐はゆるむことはない。
 となれば、ぐずぐず不平を言いながらも現在の円高はおさまることはない。まだまだ現在以上に円高が進む可能性だってある。日本の製造業、わけても輸出産業の打撃は大きく、その企業に働く労働者にしわよせされる部分も大きい。
 それを思うと、いまの政府のやっていること、やろうとしていることは甘い、甘い。ベソをかかないよう警告しておく。

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2010年10月28日

前教育長からの手紙(見聞録)

 県教育委員会が計画する県立高校の再編で、学級数の少ない湖北地域の7高校が統廃合の対象になるとして、地元から反対の声が出ている。
 県教委は小規模校のデメリットを▽多様で個性的な生徒との出会いが少なく、切磋琢磨する機会が減っている▽選択できる科目数が限られ、生徒の興味・関心にあった学習ができない▽部活動のメニューが少ない▽文化祭や体育祭などの学校行事や学校活動で活気が見られない―などと説明している。
 そのうえで1学年当たり6~8学級が標準規模としている。
 6~8学級という「くくり」のみに着目すると、いずれも6学級に満たない湖北7校は、統廃合の対象になりかねず、反対運動を誘発するわけだ。
◇先日、市議会議員や教育関係者らが中心になって「湖北の高校を守る会」を開き、中止を求める決議文を採択、嘉田由紀子知事に提出した。
 決議文では「高校が減れば、入試競争がさらに激しくなり、近くの高校に行けない子が増え、大規模校で教育力が低下し、教育費の父母負担が増え、地域の活力もなくなる」としている。
 ただし、反対運動が湖北地域でどれほど広がっているのかは未知数。
◇この問題について、先日、前長浜市教育長の北川貢造さんから手紙を頂いた。「論点が稚拙で、どうしてこのようなレベルで議論されるのか」と嘆き、「この国、この地域を担う若者に育むべき資質、能力、教養は何か。そのための高校はどのような規模で、どこにあるべきか。これが高校再編の基本、原点ではないか」と訴えている。
 そのうえで、高校には大集団による「擬似社会」の形成が求められ、1学年7~10学級が望ましく、特色ある学科や職能教育も欠かせないと述べている。
 北川さんは、7校を4~5校に統廃合し、普通科高校には英語、理数、体育、福祉科を、総合学科高校には工学系、情報系の設置を理想的としている。
 ただし、この提案には「既設の高校の歴史、伝統、教育内容を前提としない」との前置きがある。
◇過去、湖北地域では幼稚園や学校の統廃合が繰り返されてきた。いずれも地域の将来を担う子ども達のより良い教育環境をつくるためだった。
 学校の統廃合に反対運動が起こるのは不思議でないが、我々が考えるのは、子ども達のために、教育環境がどうあるべきか、ということ。
 単に、少子化への対応、財政負担の軽減という論点、また、母校が無くなる、地域のシンボルが無くなる、進学先が減る、という視点での反対は避けるべきではないだろうか。
 北川さんは、それぞれの高校だけを見つめるのでなく、湖北地域全体で高校教育をどのように進めるのか。そういう視点での議論が必要と、諭している。

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2010年10月27日

ただならぬ心配ごと

 民主党政治における内憂外患については、国民の多くが深刻に考えを新たにしたのではないかと思われる。
 その一つの現れが過日行われた北海道5区の衆院補欠選挙であろう。
 日教組出身の前代議士が選挙違反に問われて辞任した後だけに、民主党と日教組は既得権を失うまいと全力投球したが、結局自民党候補に大敗した。
 小沢氏の政治とカネの問題もさることながら尖閣問題を筆頭に外国人への参政権付与、結婚後の男女別姓、朝鮮学校への無償化など民主党の政策や対応に対する反発の声が民主党の敗北の原因だった。
 尖閣問題が国民に強烈な印象を与えたのは、このまま、ずるずると中国ペースに巻き込まれれば、すでに南シナ海の南沙諸島でフィリピン、マレーシアなどの領有権を退けて中国の実効支配が進んでいるように、尖閣も中国の支配下になる可能性が強いからである。
 元航空自衛隊空将、織田邦男氏は中国の南沙諸島における支配権の獲得は4段階の経緯をたどる、と次のように分析している。
 ①領有権の主張と外交交渉②調査船による海洋活動③海軍艦艇の示威行動④漁民の違法操業、上陸した民間人による主権碑設置。こうして領有権を既成事実化するのが中国の戦略である。
 中国はこのプロセスを尖閣にも適用し、すでに第4段階に入りつつある、と織田氏はみている(10月15日、産経参照)。
 いま、日本で政治的関心の払われている外国人関係では①在日朝鮮人の子弟が通う朝鮮学校への高校無償化問題②外国人資本による日本国内の土地買収問題である。
 朝鮮人学校は在日朝鮮人連盟の支配下にあり、その教育内容のなかには北朝鮮の金将軍の崇高、共産党思想や反日に通じる歴史教育などがあり、明らかに日本の国益と矛盾する部分がある。従って国内には反対論や慎重論が台頭しているが民主党政権は強行する方針だ。
 外国人資本による日本国内の土地買収はすでに島根県の竹島で行われており、長崎県の対馬には年々、韓国の観光客が殺到し、チラシなどで対馬は韓国領だと宣伝するなど物騒な気配が明るみになった。
 また北海道や内地では富士山を目の前に見える土地が中国資本の買収に狙われているし、中国の余っている巨大資本が日本の土地を買い占めることは国の防衛と安全にも関わるが、政府は緊急案件としての対策を講じようとしていない。
 これと相関関係を持つのは永住外国人に対する選挙権の付与である。これについては次の機会にのべるが、ただならぬ心配ごとである。【押谷盛利】

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2010年10月26日

深まる秋、街路樹は…(見聞録)

 きょう26日は、秋の深まりと冬の気配を感じさせる気候となった。風は強く冷たく、空気は乾燥して澄み、東へ目を向ければ、伊吹山の木々がくっきりと目に映る。
 今朝の通勤途上に秋本番を実感すると同時に、前日に天気予報をまったく見なかったせいか、季節の変わり目が新鮮に思えた。
 天気予報という科学的データから算出された無機質な情報が、事前に我々の頭の中にインプットされると、季節を目や肌で感じ取る感動が薄らぐのでは、と思う。
 例えば、今朝の彦根地方気象台の発表は「滋賀県では、26日昼前から27日にかけて強風に注意して下さい。今日の滋賀県は、冬型の気圧配置となるため、北部を中心に雨が降りやすいでしょう。明日の滋賀県は、冬型の気圧配置が次第に緩むため、北部の雨も未明までで、南部では昼前から晴れてくる見込みです」というもの。
 肌で季節を感じる前に、事前にこれらの情報に触れてしてしまうことで、自然現象への感性が鈍化するのでは、と危惧する。
◇さて、秋の深まりを感じさせるものに、街の木々がある。
 神照運動公園周辺の街路樹もやや色づき始め、季節の移ろいに1年の過ぎる早さを見る。
 しかし、長浜駅前通りの街路樹のイチョウは、昨年に続いて今年も色づく前にばっさりと枝を落とされ、丸坊主の寂しい姿を晒している。
 イチョウは春夏の青色もさることながら、秋の黄色が主役。なのに、一番の見ごろを奪う無惨な剪定に、「緑を大切に」という掛け声を空しく感じる。
 駅前通りの樹木の管理は滋賀県が担当しているが、毎年の過剰な剪定に疑問を抱く市民は少なくない。街路樹の値打ちを台無しにする無粋な行為を、来年こそは見直してもらいたい。
 季節の変化を木々から感じ取るのは、駅前通りを行き来する市民や、通学路として利用する子ども達の、安らぎや感性の醸成にも効果的と考えるからだ。

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2010年10月25日

報道と内憂外患その2

 さきに内憂外患について書いたが、憂うべきことの一つに日本の政治家やマスコミの中に他国からの「反日」の声に同調したり、反日の宣伝に一役買ったりする動きの存在することである。
 日本は自由国家だから言論に統制はないが、中国や北朝鮮のような一党独裁の国は新聞やテレビ報道はすべて党の指導と管理下にある。
 日本の記者が中国に派遣されているが、それは欧米でのように自由取材が許されているわけではない。現地で中国のご機嫌を悪くするような取材をしたり、記事を日本へ送ればたちまち目をつけられ、些細なことを口実に逮捕されたり、取材拒否や国外追放処分される。
 したがって、中国からのニュースを丸のみして信じることは危険であり、多分に先方の宣伝に加担することになる。
 例えば、尖閣問題でいえば、日本の領土、領海であるから、それを守るのは当然で、日本共産党ですら「尖閣諸島は日本領土であり、侵害することは許されない」と声明しているくらいである。
 ところが、前原外相がこれをいうと中国側は異常に反応し、中国の新聞に前原叩きが大きく報道される。その前原叩きのお先棒をかつぐように例えば23日付の朝日は「硬派の外相 中国刺激」なる大見出しの五段記事を書いている。
 このなかで朝日は「前原氏は米国の安全保障関係の信頼が厚く、党代表だった2005年の訪米時の講演では、中国の軍事力増強は現実的脅威だ」と発言したことをとらえ、同氏がその後に訪中した際、胡錦涛首席との会談が実現できなかった、といかにも前原氏も反中政治家らしく印象づけている。
 ご丁寧にもこの記事で朝日は中国の外務次官の「毎日、中国を攻撃している」との発言を紹介し、「両国関係はあまりにも重要だ。これを傷つけ、弱め、破壊することには耐えられない」と切々に訴えた、とまるで中国側のスポークスマンのような宣伝役を果たしている。
 この記事の末尾に(北京=古谷浩一)とあるのは、朝日北京支局、古谷記者発信の署名記事であるとわざわざうたって、朝日全体への風当たりを避ける思惑すら感じさせてぼくはいささか義憤を感じた。
 何よりもけしからんと思ったのは、記事の後段で「中国政府内ではそもそも、前原氏への不信感は根強い。衝突事件をめぐっても、発生時に前原氏が海上保安庁を主管する国土交通相を務めていたことから『前原氏が対中攻撃を仕掛けてきた』といった受け止めかたも広がった」との憶測記事を書いていることである。
 この記事を読むと、中国の強硬姿勢は前原外相によるものと断じているようで、日本外交の権威や日本の正当な領土保全の主張をおとしめるような雰囲気に満ち、国民感情が傷つけられたようで腹立たしい。【押谷盛利】

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2010年10月22日

中国の野心と日本政府

 内憂外患の菅政権にとって致命的だったのは尖閣問題での中国漁船船長の釈放事件だった。国内法で処理すべき問題をまげて中国の圧力に屈した。
 海上保安庁の警備艇に故意に衝突して損害を負わせながら「日本は謝罪せよ」と恫喝されたが、菅政権は船長を釈放したばかりか、先方への抗議や損害賠償の要求すらしない弱腰だった。
 菅内閣は大人の外交をしたつもりだが、つけ上がった中国側は、日中友好どころか、各地で反日デモを起こさせている。
 表向きは中国の若ものや学生たちの愛国運動のように見せかけているが、共産党の一党支配のこの国のこと、デモを大きくするのもすぼめるのも党指導部の胸三寸にある。
 日本がもたもたしているまに、中国各地に広がる反日デモは暴動化し、日本の国旗を燃やしたり、日本の店舗を壊したり、手のつけられぬ様相を見せている。何より警戒すべきことはデモの呼びかけの不穏さである。日本商品の不買はもとより、「尖閣を返せ」「沖縄を返せ」の領土的野心をあらわにしたことである。
 中国の領土的野心はベトナムやフィリピンに、あるいはインドにも向けられているが、その背景は強大な軍事力と急速に発展した経済力である。
 この国は軍も内政も外交もすべて共産党が握っているから国民支配のためには朝礼暮改は当たり前で民主主義での信義や常識は通らない。韓国では政権維持の決め手に「反日」が利用されているが、これをさらに強くしたのが中国流である。中国全土に抗日記念館のようなものをつくって、繰り返し繰り返し、これを拠点に反日教育をすすめる。いわば反日が中国共産党の国是であり、党の権力を不動にするための道具でもある。
 そうした政治戦略をすすめながら他方では日中友好や互恵で世界相手に経済の浮揚をはかる。日本の商社や有力企業の進出を求め、さらには国内の開発や農業の発展、環境技術について日本の業界の協力を求める。中国の人口13億の魅力ある市場もさることながら、この国の人件安からくる低価格商品の輸出対策は国内の労働環境をよくし、内陸部の経済発展と所得格差の解消につなぐ側面を持つ。
 中国は外交面で日本叩きをしながら、他方では経済の自由化などと甘いセリフで自国の富の構築に利用することに抜け目がない。日本がおどおどと腰抜け外交を展開し、いうべきことを控えていると、今後どんな難題を持ち出すやら、あらためて毅然たる独立国のプライドを示すことが望まれる。【押谷盛利】

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2010年10月21日

勤務中のタバコ(見聞録)

 タバコが値上げされて3週間。年々、肩身が狭くなっている愛煙家は、懐具合も寂しくなって、気の毒でならない。
 それでも嫌煙家は「欧米に比べたら、まだまだ安い」と、この値段を許す気配はない。
 先日、パリ取材旅行から帰ってきた新聞記者にお土産としてタバコをもらった。小生は嫌煙家なのだが、「知り合いにでも」ということらしい。
 そのパッケージには大きく「Smoking Kills」(タバコ吸うと死にます)、「Smokers Die Younger」(喫煙者は早死にします)とある。ずいぶんとストレートな注意書きで、いかにも欧米らしい。
 日本のように「喫煙はあなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます」「たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします」との遠まわしの表現のほうが、慎ましさ、奥ゆかしさがにじみ出ている。
◇さて、最近の喫煙排斥運動の加熱で、企業はどう対応しているのか。
 タバコを吸わない人が喫煙者の煙に悩まされる「受動喫煙」の防止のため、分煙化や建物内禁煙などは当り前で、最近は就業中の喫煙禁止に始まり、禁煙挑戦者への医療支援や、達成者への金一封など、あの手この手でタバコを吸わない職場づくりに取り組んでいる。
 さらに、「勤務時間中はもちろん、出退勤途上も社内外に関わらず一切喫煙できない」(ローム、京都)、「喫煙者は採用しない」(星野リゾート、長野)など、一切の喫煙を認めない社是も。
 企業にとっては、喫煙による仕事効率の低下、分煙化コスト、社員の健康を考えると、少なくとも就業時間内の禁煙は歓迎のようだ。
◇市民から時々、指摘を受けるのが、長浜市役所の駐車場内に設けられた喫煙小屋のこと。
 庁舎建物内が全面禁煙となっていることから、愛煙家の職員は小屋でしかタバコを吸えないが、市民の目からは「仕事をさぼってタバコをふかしている。いい身分だ」としか見えないそうだ。
 実際、朝っぱらからプカプカと煙をふかせて雑談でもしていたら、さぼっているとしか見えないし、彼らがタバコを吸っている間、他の職員は仕事している。
 だが、ニコチン中毒に陥っている愛煙家からすると、タバコを吸えないと、よけいに仕事が手に付かないかもしれない。
 独善的に言わせてもらうと、勤務時間中にタバコを吸わずにいられない程イライラするなら、いっそ禁煙に挑戦してはどうか。そうでないなら、勤務時間中は職務に精励するべき。読者の皆さんはどう考えるだろうか。

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2010年10月20日

内憂外患と小沢問題

 内憂外患という言葉がある。今の菅内閣の実態はそういう表現がぴったりである。内憂は国の内部にある心配事。外患は外国から受ける心配事である。
 言わばこれは国難であるが、こういう時こそ総理は先頭に立って国家、国民のために命を捨てるほどの覚悟と、さらには野党の協力を求める謙虚さと天地に恥じざる公明正大さが望まれる。内憂は経済的には円高、デフレであるが、無策に過ぎれば国の産業を崩壊しかねない。
 政治的には民主党のアキレス腱となっている小沢問題の処理である。日本の政治は中国のような独裁政治ではなく、民主政治であるから国民の信なくしては成り立たない。
 政治家の金まみれの犯罪や疑惑はこれまでにもしばしば国政を揺るがせてきたが、当事者はいつも離党したり、議員辞職してその責任を明らかにし、国民に詫びてきた。
 小沢一郎氏は名実ともに民主党の実力者であるが、昨年以来、検察捜査線上に上がり、政治資金の不正容疑で元秘書が逮捕されたり起訴されたが、その検察の追及のなかには、西松建設を筆頭に建設土木工事に関する贈収賄の疑いもあった。
 名前だけの後援会による政治資金の献金だが、その疑惑を追及するために東北地方における公共建設工事の入札談合への捜査があった。この談合を仕切るのを天の声というが、その役割が小沢支配ではないかという疑惑である。調べのなかで、政治資金調達の巧妙なからくりが追及されたが、贈った側はそれを証言しながらも受け取った側は裏事情に関係のない純粋政治献金だと否定し、秘書の帳簿整理上のミスにして小火に終わらせている。
 文芸春秋10月号に小渕恵三元内閣の官房長官をしていた野中広務氏が当時、自・自連合を組んだ小沢一郎氏について論評している。
 見出しは「小沢一郎」「悪魔が来たりてホラを吹く」「代表選出馬はカネと怨念と権力欲に塗れた男の断末魔の叫びだ」。
 このなかで野中氏は小沢さんはカネを追い求め続ける政治家であるときめつけ、政党助成金についての疑いを書いている。
 一つは週刊文春に出た元秘書の証言であるが、経世会分裂後、小沢さんの指示によって派閥の金庫から13億円が小沢邸に運び出された。
 また週刊現代の記事として、民主党内の組織対策費36億円が小沢さんの周辺議員に流れているとも紹介している。
 問題の小沢さんは、1回目に続き、2回目の検察審査会でも起訴相当と議決され、強制起訴により、被告として裁判を受けることが確定した。
 こんな事態に追い込まれながらも党内には小沢を守れの声があって、菅総理や岡田幹事長らは国会での喚問など及び腰に終始している。これでは国民の不信は増幅するばかりで、とても来年の地方選はもつまい。政治疑惑の不信のカネは元をただせば国民の税金である。
 国民の不信の尽きないゆえんである。【押谷盛利】

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2010年10月19日

長浜での地芝居サミット(見聞録)

 11月6、7日の2日間、長浜市内で「全国地芝居サミット」が開かれる。
 地芝居とは「農村歌舞伎」のこと。サミットには全国地芝居連絡協議会に加盟する55団体の半数ほどが参加するとみられる。
 事務局によると、東は岩手県から倉沢人形歌舞伎、西は香川県小豆島から肥土山農村歌舞伎保存会が、長浜に足を運ぶ予定。
 サミットは地芝居保存のための情報交換と交流の場になると同時に、長浜と米原の子ども歌舞伎、市民手作りの長濱ゆう歌舞伎などが上演され、全国の歌舞伎通にその腕前を品定めしてもらう、またとない機会となる。
◇地芝居は江戸・元禄時代に全国に広まったとされる。ちょうど近松門左衛門、市川団十郎、坂田藤十郎らが活躍していた頃で、都市部の大歌舞伎の隆盛が地方に普及。春や秋の氏神さまの祭礼と融合し、奉納されるようになったようだ。
 最盛期は庶民の娯楽として全国各地で上演されたが、現代ではすっかり衰退し、全国地芝居連絡協議会によると、219の保存会が残っているのみ。
 滋賀には「長浜曳山祭保存会」「長濱ゆう歌舞伎」「米原曳山子供歌舞伎」の3団体しかない。
 一方、お隣の岐阜県は全国で最も盛んで、恵那市に8団体、中津川市に6団体など計29団体がある。複数の「芝居小屋」が現存するなど、活動の素地が整っている。また、役者をはじめ、振付、太夫、三味線の三役も自前で揃えるというから、歌舞伎と市民の距離の近さがうかがえる。
◇さて、サミット当日に上演される「長濱ゆう歌舞伎」。長浜市街地のゆう壱番街商店街振興組合が地元の伝統文化を生かした商店街活性化策として1997年にスタートし、毎秋の公演を成功させてきた。
 年齢、性別を問わずに出演できるとあって、今年の役者13人のうち8人を女性が占める。
 先日、稽古の様子をのぞいたが、出来具合は例年より遅れ気味との説明を受けた。というのも、地芝居サミットに、長浜と米原の子ども歌舞伎3組、そしてゆう歌舞伎、曳山文化協会の主催の子ども歌舞伎の計5組が出演するものだから、指導者のスケジュールがぎっしりとのこと。
 歌舞伎は、舞台に出る役者だけでなく、「三役」と言われる振付、太夫、三味線をはじめ、衣装、顔師、大道具、小道具など、地域の人々が結集して初めて上演できる。
 しかし、長浜や米原の場合、少子化による子ども役者の不足に加え、指導者、後継者などが100%自前調達できていないのが現状。地域や山組が互いに協力して、不足を補い、他所から指導者を招くなどで対処している。
◇目下、長浜市内では振付師、太夫、三味線奏者を育成する「三役修業塾」が開かれ、卒業生が曳山祭の舞台で活躍するなど、後継者の育成が着々と進んでいる。
 地芝居サミットでは、「技能者の育成と伝統継承」をテーマに、三役修業塾など長浜の先進的な取り組みについて情報交換される予定だ。
 同時に、いかにして歌舞伎文化を「庶民の娯楽」として復活させるか、そのアイデアが求められている。

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2010年10月18日

真弓阪神の弱さの原因

 勝負の世界は勝つか負けるかである。勝てばヒーロー、負ければ地獄。
 17日の日曜日はプロ野球日本一を決める前哨戦がセ・パ両リーグで火花を散らした。
 パ・リーグは今年の覇者ソフトバンクが7年ぶりの日本シリーズを目前にしてロッテに足をすくわれ決着を次の試合に持ち越した。
 痛快なのは、ロッテの勝因が昨年、阪神をクビになった今岡のホームランによるものだった。阪神でリーグ優勝の功労者だった今岡を再起さし得なかった阪神首脳部や監督の用兵のまずさが今の真弓阪神の弱さの原因でもある。
 その好例が傷だらけの不動の4番金本に対する情の深さである。全イニング・フル出場の記録にこだわって試合を落とすこともあり、守備の不安を衝かれて不利な試合を展開した。元監督の星野仙一氏のような勝負の鬼でなければこの世界の覇権は実現しない。その阪神が昨日の試合で巨人に敗れ、日本シリーズ進出の夢を失った。
 甲子園球場という阪神のホームグラウンドであるから総体有利という前評判が災いしたのか、リーグ3位の巨人に連敗してファンをがっかりさせた。
 逆に巨人ファンは笑いが止まらない。弱いと言われた投手陣が奮起し、得意の打棒が阪神の頼みの綱・藤川球児を粉砕した。
 このあと巨人はセ・リーグの王者・中日と日本シリーズの出場権をめぐって戦うが、落合中日がどう胸を貸すか、中日ファンの気分は高揚する。
 ぼくは根っからの阪神ファンであるが、昨日の巨人との戦を見て、これでは負けて当たり前といささか真弓監督への不信感を募らせた。とにかく不滅の救援投手として球児を過信し、彼に重い負担をかけた無策が指摘される。今シーズンの試合中でも球児の強腕が頃日の面影を失っていることが証明されていた。久保田の酷使も同様で、気分だけでシーズンを乗り切ることはできない。
 昨日の試合など今年の事実上のエース・久保に最後まで完投させるべきだった。彼には勝運を招くつきがあり、シャープな大振りの巨人打者には技巧派の彼の知能投法こそ役立つと思われるからである。
 何よりも巨人に劣るのは3、4、5番の中枢打者の力の差である。3番小笠原、4番ラミレス、5番阿部の力は確実性とたくましさが溢れ、鳥谷、新井、城島のような穴がない。阪神は巧打者、2番の平野の守備でのミスが多かった。
 マートン・平野コンビの、のびのび野球こそ主軸につなぐ機動力というべきで、たとえば1アウトランナー3塁のときのスクイズ戦法など大胆な戦術も考えねばならぬ。【押谷盛利】

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2010年10月16日

定着するか?新韓流(見聞録)

 前回のコラム「見聞録」では韓国企業の躍進に触れたが、音楽界でも韓国の注目度が高い。
 女性アーティストの「BOA」はすっかり日本の音楽界に定着し、美形男性グループの「東方神起」は分裂・解散してもなお人気が強い。
 そして、今、女性グループの進出が日本で大旋風を起こしているそうだ。
 全員がモデルかと思わせるような美女9人組「少女時代」は、その美脚を惜しげもなくさらして、パワフルに歌い、踊る。
 5人組の「KARA」はヒップダンスと呼ばれる、元気で可愛らしいパフォーマンスが話題をさらっている。
 美脚、ヒップというから、男性陣からの支持が高いと思いきや、若い女性から「パワフルでかっこいい」「美脚が素敵」と評判で、男性の支持は韓国ほどではないそうだ。
◇韓国音楽界の日本進出について、9月29日付の在日韓国人向けの新聞「民団新聞」が特集している。
 「新韓流がやってきた」「女性にもてるガールズグループ」「パワフルで刺激的、日本のアイドルでは物足りない!?」との見出しで、90年代に音楽界を賑わせた宇多田ヒカルや安室奈美恵よりも強く日本市場を揺るがす可能性が高い、と期待を込めていた。
 一方、日本の女性グループ「AKB48」や「モーニング娘。」などが、「キュートさ」をアピールしている点に着目し、「日本のアイドルグループのファンは、男性(オタク)が占めている」「韓国人男性より消極的な日本人男性たちは、パワフルなイメージの韓国ガールズグループに多少拒否感を抱えているようだ」と指摘している。
 韓国女性グループが日本で成功するには、これら消極的男性に親しみやすさを感じさせる戦略が必要としている。
◇ただ、今回の韓国女性グループの旋風は、日本国内でじわじわと広がったのではなく、韓国から一斉に輸入され、テレビの音楽番組やワイドショーで取り上げられて、一気に火がついた感がある。
 そう考えると、この旋風は韓国音楽業界が日本のメディアを活用したプロモーション活動のたまもので、言わば「作られたブーム」。
 これが、一過性のブームに終わらずに、「BOA」のように日本で活躍を続けることが「新韓流」の成功と言えるだろう。目まぐるしい程に新人が次々と登場する日本の音楽界で、彼女らが美脚とヒップ、そしてダンスを武器にどう戦ってゆくのか、気になるところ。

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2010年10月15日

熊の話題と人間の過信

 熊の被害が各地で話題になっている。山から何㌔も離れている平地の学校へ侵入し、校舎内で射殺された、というのは山形県での最近のニュース。
 熊は山の生き物という常識が見事にひっくり返された例は先年、長浜市内でも起きた。
 専門家によると、熊の食べ物である山の実の不作が原因らしい。山にはドングリや栗など熊の好物が多く、雪の降る季節を前にこれらをたっぷりと食べこんで冬眠に備えるわけだが、異常気象や人間の開発、造林事業などによって山の実が減るとそれがたちまち熊の生活に影響する。これは熊のみならず猿の被害についても言い得ることで、山の中の食糧事情が悪くなると人間界に近づいてくる。その結果、山間部の集落で畑が荒らされる。
 人間はいつから横着になったのか知らないが、地球は人間のためにある、と、とんでもない思い違いをして今日の環境破壊を迎えた。
 熊には熊、猿には猿の生きる権利があり、その他、鳥、虫、すべての生物は生まれる縁によって地球の一員となり、それらが共存しながら地球の正常な均衡を保っている。
 「沈黙の春」の著者・カーソンは、人間は、科学を手中に収めたことで、あたかも自然を征服したかのよう誤った優越感を持ったが、その自らの力の過信が人間を滅ぼすことになると警告している。
 大地と水があって種が育つというは太古以来の神の知恵によるもので、その大原則が文明構築という人間の過信で崩れかかり問題を起こすことになる。
 自然という力の源泉から疎外されると人間はどうなるのか。今日、環境汚染が人間の健康や生存に危機的影響を与えていることは、世界がCO2の排出を規制し始めたことに象徴される。
 海の幸の減少、食物汚染、空気と水の汚染による人間の健康被害。限りなく人類は自然からしっぺ返しを受けているではないか。
 人間は自然界を征服しようとするばかりか、国家そのものによる他国家の征服が科学技術の過信によって進められる。
 それが大量破壊、大量殺人用の核兵器であり、すでに広島、長崎で日本がその洗礼を受けた。その許すべからざる犯罪の共犯者が核兵器拡散で世界の不安を高めている。
 さらには原子力発電も事故が環境問題への警告を放っている。
 熊はなんにも言わないが、地球の生物は共存なんだよと教えているのではないか。

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2010年10月14日

韓国のパワー(見聞録)

 13日に韓国ソウルで行われた日本と韓国のサッカー親善試合は、愛国心とライバル心をくすぐらせる一戦だった。
 0対0の引き分けに終わったが、日本代表は新しいザッケローニ監督の下、プレースタイルが一新され、テクニック光るボール運びで、格上の韓国を翻弄した。
 一方、韓国の体の強さ、スタミナは日本を凌駕した。
 ここ5年間、韓国に勝ち星なしと、世界的スポーツのサッカーで負け越している日本だが、経済分野でもアジアの優等生の地位を、韓国に奪われつつあると感じる。
 というのも、10数年前の海外旅行では、小生の顔を見た現地人は「日本人?」と問いかけてきた。しかし、最近は「韓国人?日本人?」と、韓国が先行している。これは、単に韓国人旅行者が増えたのではなく、韓国の企業・文化の海外進出による影響と分析できよう。
 先月、訪れたベトナムのハノイでもそう感じた。テレビでは韓国専用チャンネルが設けられ、歌やファッションといった若者文化をはじめ、ニュースや紀行番組などを発信していた。一方、日本の専用チャンネルは見当たらず、アニメ、ドラマなどが翻訳、放送されている程度。
 町を走る車も日本車に混じって、韓国車がずいぶんと目立った。
◇世界の市場では、家電や電子製品メーカーのサムソンやLG、自動車のヒュンダイなど、韓国企業の躍進が目覚しい。日本のお家芸の電子、家電、自動車分野で、である。
 例えば、米アップル社の携帯電子端末「iPad」。この部品製造の多くをサムスンやLGなど韓国企業が受注しているが、日本企業はゼロ。
 この他の分野でも、昨年、アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電事業を韓国の企業グループが総額400億ドルで受注した。技術で勝る日本、アメリカ、フランスを抑えてのビッグプロジェクト奪取だった。
◇日本はノーベル賞が物語るように、世界最先端の科学・化学技術を誇り、家電、自動車、新幹線、原子力発電などは、世界の人々が羨望する技術を持っている。
 しかし、技術で後塵を拝する韓国がなぜ、世界の舞台でこうも躍進を続けるのか。
 UAEでの韓国受注は、大統領以下、政府の強力な支援があった。海外での巨大プロジェクトは、単に一企業の活動という範疇ではなく、その国との経済、文化、政治交流の礎ともなりえ、韓国は国を挙げての総力戦で挑んでいた。
 国を後ろ盾にした企業の国際競争がますます激しくなる中、政府の外交力が、企業の経済活動を左右する。日本政府の外交力はどうか?

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2010年10月13日

クモの巣と「カーソン」

 わが家の家の周りは目下クモの巣だらけである。道路から玄関までの露地には両側の植木から巣を張っているので、出入りに困るくらいである。
 毎朝、散歩するたびに、「こんなに低いところに巣を張ると出られないではないか。悪いけど、破るから怒るなよ」と声をかけながら払うのである。
 こんな調子だから庭の植木や家の周りの生垣などにはところ狭しとばかりクモが巣を張っている。
 今は越冬シーズンを前に腹いっぱい栄養物を摂る必要からか、巣のスケールも大きく、青空に糸を光らせ、さながら空中に画いた幾何模様の芸術作品である。
 それに繁殖期を経た後か、親グモが子グモを自分の巣のあちこちに分散して、それぞれが己が陣地で索敵に余念がない。糸を丁寧に網状に張るのは母親譲りの遺伝性かもしれないが、ぼくが見る限り、手に手をとるように教えているふしがある。言わば一人前にするための新人教育かもしれない。
 なぜ、わが家のぐるりはこんなにたくさんのクモが巣を張るのだろうか。
 そう思いながら屋敷畑を眺めると小さい蝶がうろうろ舞っている。土に鍬を入れるとミミズがびっくりしてはね回る。人間に危害を与えないが、蜂がぶんぶん飛び回って樹木や草花から蜜を吸っている。
 さくらんぼは夏であるが、今はいちじくが実るので小鳥たちも味を知って朝早くからやってくる。
 ぼくは農薬や除草剤を使わないので虫たちや鳥が安心して近寄るのかもしれない。その仲間たちの生き血をねらってクモが投網を仕掛けるのであろう。
 「クモよ通してくれよ」と声をかけながら家の周りを出入りしている昨今だが、ふと、最近「レイチェル・カーソン」なるミネルヴァ書房発行の本を手にいれた。上岡克己ほか2氏の合作だが、ぼくには思い入れの深い「レイチェル・カーソン」である。
 日本ではあまり知られてないが、カーソンといえば、その代表作「沈黙の春」が知られるように世界に環境問題を訴えたアメリカの作家で海洋生物学者である。
 ぼくが彼女を知ったのは「沈黙の春」であるが、この書は第二次世界大戦後のアメリカにおいて先見的ともいえる薬品公害を告発した名著である。アメリカの大学の庭に小鳥のさえずりを聞かなくなった、沼に棲息しているワニの数が減ってゆく、などの現象を報告しつつ、殺虫剤や農薬の自然に対する脅威を科学者の眼から告発した。
 ぼくは「沈黙の春」を読んで地球を汚す共犯者であってはならない、と心に期するところがあって、以来、無農薬、化学肥料ノーの農業に関心を深め、ほそぼそながら実践してきた。
 3年前の2007年がレイチェル・カーソンの生誕100年にあたる。彼女は1964年(昭39)56歳で死去したが、その多くの著作を通じて環境問題を発信し続け、1980年、カーター大統領から自由勲章を授与された。
 彼女は地球の美しさに思いをめぐらし、地球の美しさを破壊しようとする勢力に対しては厳しい憤りの声をあげ続けた。【押谷盛利】

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2010年10月12日

1000年の歴史を迎え(見聞録)

 日本固有の領土、尖閣諸島に対する中国の傲慢な食指は、日本人に領土と国防への危機感、中国という共産党独裁国家の異常さを確認できた意味で、平和ボケした日本人の良薬となったのではないか。
 中国と陸で国境を接する国々は、古代から中国の異常なまでの覇権主義に悩まされていた。
 中国の南に位置するベトナムもそうで、古くは秦の始皇帝以後、1000年もの長きにわたって中国王朝の支配を受け、中国文化の影響が深く浸透している。
 何よりそう感じるのは、人々の顔つきやしゃべり方。特にベトナム北部のハノイの人々は、茶色の肌、低い鼻といった東南アジア系の顔つきではなく、中華系。しゃべり方も、どこか中国人同士が会話しているような賑やかさ、やかましさがあり、彼らが上海や北京にいても、我々外国人から見れば、違和感はないだろう。
◇さて、唐滅亡後、中国の支配力が後退し、1009年、北部ベトナムを支配していた李公蘊(リー・コン・ウァン)が「李朝」を樹立。翌年の1010年に首都をタンロン(漢字で「昇竜」、現在のハノイ)に移した。
 1000年ぶりのベトナム王朝誕生だったが、その後は南北で覇権を争ったり、中国やモンゴルの侵攻を受けて安定せず、19世紀以降は列強の植民地支配を受けた。
 アメリカとの戦争で北ベトナム軍が勝利して、1976年の社会主義共和国の独立を築くまで、幾多の血が流された。
◇今、ベトナムの首都ハノイは、李朝が建都して1000年を迎えたとあって、祝賀ムードで盛り上がっている。
 ハノイの中心には市民の憩いの場「ホアンキエム湖」がある。
 その湖のほとりのベンチに腰掛けていると、現地の大学生が話しかけてきた。
 雑談の後、将来の夢を聞いたところ、車のエンジニアになりたいという。「ベトナムには日本車がたくさんあり、韓国車も増えている。しかし、ベトナムには純国産のメーカーはない。だから、国産メーカーを立ち上げたい」とのこと。
 こうも明確な夢を即答する大学生に、途上国の、がむしゃらなまでの向上心と野心、ハングリー精神を感じ、今後、この国がどう発展を遂げるのか、見守りたくなった。
 また、この国は、経済的、軍事的存在感を増す中国に、目の前の南沙諸島を実行支配されるなど、日本に共通する対中課題を抱えている。
 経済援助筆頭国として、日本とベトナムが今後、どのような連携をとり、東南アジアの発展に寄与するのか、大いに注目されるところ。

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2010年10月08日

奥村展三氏と小沢氏

 今の民主党に国民の心が離れつつあるのは今年の7月の参院選が証明しているが、いま、小沢一郎という元幹事長の検察審査会の強制起訴をめぐって、その党内の処遇次第では国民の民主党離れはさらに輪をかけるであろう。
 民主党所属国会議員の中にも離党もしくは議員辞職が当然である、といった意見もあるが、この党は党内民主主義が存在しないのか、今回のような重要な問題について意見が活発に論じられない。政治倫理についての鈍感さはあきれ返るばかりである。
 岡田幹事長は近く党内で議論すると言っているが、その矢先、当の小沢氏は7日の記者会見で「離党もしないし、辞職もしない」と公言している。そして「私が必要とされる限り政治活動を続ける」とも語った。
 彼を必要とするのはだれだろうか。おそらく100人とか150人とか言われる子分連中を指しているのであろう。その小沢支持のグループに「一新会」というのがある。その会長が滋賀県4区選出の奥村展三議員である。
 その奥村氏が小沢氏にどんな義理があるのか知るよしもないが、浪曲の世界でもあるまいし、県民代表として国会に出ていながら県民の心を逆撫でする行為は許されまい。
 9月に行われた民主党代表選における県内民主党の支持票の行方は圧倒的に非小沢、菅首相支持だった。党員や後援者の意向はもちろん、県選出の2参院議員、3衆院議員もみんな菅支持だった。奥村氏だけが小沢支持だった。
 墓穴を掘るという言葉があるから、彼の政治行動が彼の政治家としての道にどんな穴を掘るのか。すべては自業自得である。
 ただし、彼が個人として小沢氏を神様の如く信じ崇めるのは勝手かもしれないが、公人としての言動ともなれば政治倫理の上から厳しい県民の批判を受けねばなるまい。
 7日の参院代表質問で、参院自民党の小坂憲次幹事長は「わが党の例では、起訴された議員は離党や議員辞職で国民にお詫びし、責任を果たしてきた」と指摘した。自民党の加藤紘一元幹事長は事務所代表の所得税法違反事件の際に、自身は立件されなかったが、離党や議員辞職に追い込まれたことがある。秘書の逮捕、起訴を受けての政治責任である。
 小沢氏の元秘書の石川知裕衆院議員は小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反で逮捕起訴されて民主党を離党した。他にも2人の元秘書が逮捕、起訴された。
 奥村展三氏は親分、小沢氏を何が何でも守る気かしれないが、そんな親分の小沢氏は政治とカネの問題で、昨年は党代表を辞め、今年は幹事長を辞めたばかりである。
 滋賀の選挙民が、そんな小沢氏をやみくもに守ろうとする奥村氏に対してどんな心情と対応を寄せるであろうか。
 県民をなめたらアカンぜよ、と奥村氏に忠告しておく。【押谷盛利】

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2010年10月07日

バイクに見るベトナム(見聞録)

 石を投げればバイクに当たる―とは言わないが、ベトナム・ハノイの道路を朝から晩まで埋め尽くすバイクの数には圧倒される。
 止むことの無いクラクションとエンジン音、マスクが欠かせない程の排気ガス、存在するのか交通ルール。「クレイジー・トラフィック」と表現する白人に、思わずうなずいた。
 ベトナム人にとって日本製のバイクを持つことが一種のステータスで、現地ではバイクのことを「ホンダ」と呼ぶ。しかし、現実は日本製に手が届かず、中国製の安価なバイクや偽物のホンダ製で我慢している。
 バイクに乗車人数や積載量の規制はないのか、ドライバーの前に子ども、後部座席に女性、ドライバーと女性の間に赤ちゃんという具合に、2人、3人乗りは当り前で、4人、5人乗りも珍しくない。
 テレビや家具、生きたままの豚や鶏を後部座席に乗せて走るバイクも見られ、庶民に欠かせない移動・輸送手段として活躍している。
◇ゆえに、タクシーもバイクが主流で、街を歩けばバイクに腰掛けた男性から「タクシー?」と声を掛けられることしばしば。
 ガイドブックによるとハノイで外国人観光客が利用した場合の相場は1㌔1万ドン(50円)が目安となっており、現地の物価からすると割高。ただし、値段は決まっていないので、安いも高いも交渉しだい。
 料金トラブル、無謀運転による交通事故が心配ながら、小回りの利く便利な乗り物として、旅行者にはありがたい。
 小生は市内観光のため、ホテルのフロントに勤める大学生をドライバーとして1日、28万ドンでチャーターした。喧騒の街中を、風を切って走るのは最高に気持ち良く、ベトナム人との距離が縮まった気がした
◇発展途上国のベトナムは日本をはじめとする先進国の投資の対象となり、経済成長率は今年8%を超えると予想されている。日本の新幹線方式の導入が国会の承認を待つだけとなるなど、社会基盤も急成長を遂げようとしている。
 しかし、足腰はまだ弱く、アジア通貨危機、世界経済不況などの影響をモロに受けて、株価が急降下するなど、不安定で決して順風とは言えない。
 そんなベトナムにあって、バイクに家族を満載して人ごみの中を危なっかしくも元気に駆け抜ける人々が、この国と重なって見え、経済的、物質的に成熟した日本では感じられない途上国のパワーと危うさに、心をくすぐられた。

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2010年10月06日

小沢神話はかく消えた

 小沢神話が消えた。豪腕小沢は虚名だった。カネと政治の疑惑を払拭せんとする国民代表の検察審査会が検察庁の不起訴処分をノーと判断した。
 2回目の東京第5審査会が起訴相当と決定した。この結果、小沢一郎氏は強制起訴されることになった。民主党の実力者なるがゆえにその影響は内外に及ぶ。
 強制起訴は検察不信につながるもので、これまで取り沙汰されていた小沢氏をめぐる政治資金の不信と疑惑に国民は胸のつかえがほぐれた感じである。
 政治家が刑事事件で起訴されるというのは極めて不面目な話で政治責任上は離党どころか議員を辞職するのが常道である。
 ここにきて哀れをとどめるのは、さきごろの代表選で厚顔にも小沢株をはやし立てていた親小沢グループと小沢チルドレンの顔色である。いずれも意気消沈で、新聞記者の質問にもノーコメントないしは頗る歯切れが悪い。親分の一大事と顔面蒼白になっているが、国民があれほどまでに政治とカネの説明責任を要求しているのに耳をかそうとしなかった彼ら親小沢派はどの面下げて国民に相向かうのであろうか。彼らは政治とカネの不信をいう国民の認識を、さも間違っているかのような不遜な態度に終始していた。
 ぼくが何回もいうように、鳩山内閣が倒れるほど人気が急落したのは鳩山、小沢の汚れた政治資金疑惑に対する国民の怒りによるものだ。7月の参院選挙で民主党の敗れたのは消費税問題では断じてない。ダークな政治を追及されて辞任したはずの鳩山と小沢が辞めて3カ月も経っていないのに、再び政治の主導権を握ろうとした悪党ぶりに国民が鉄拳を加えたにすぎない。
 にも拘わらず、反省するどころか彼ら小沢、鳩山グループは代表選で小沢を擁立し、所属国会議員の多数の勢いで野望を達成しようとした。その野望とは何か。検察審査会への体当たりである。
 もし、小沢が代表選に勝ち、総理に選ばれたなら検察審査会がたとえ強制起訴の方向に決しても、憲法の規定によって大臣は起訴をまぬがれるのである。
 民主党の党員と後援者は国民の心に耳を傾け正しい判断をした結果、野望は砕けたが、親分を神さまの如く崇め、国民の心を逆撫でした小沢派の面々や鳩山は今こそ国民に向かって謝罪するがよかろう。脱税王といわれた鳩山は謹慎して引っ込むがよい。
 国民は決してバカではない。税金ドロボーを抱えこむような寛大さはない。
 円高、株安、デフレ不況のおりから天下り廃止の公務員改革や公務員の給与引き下げ、政府系外廓法人の廃止など喫緊の課題が山積しているではないか。【押谷盛利】

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2010年10月05日

スリ、ひったくり、詐欺(見聞録)

 海外旅行では、洋の東西を問わず、観光客を狙ったスリ、ひったくり、ドロボウ、詐欺がありふれている。
 少しでも隙を見せれば、ターゲットにされるので、貴重品の管理には神経を尖らせている。
 ベトナム・ハノイで出会った30代の日本人男性は、夜の歩行者天国でバッグからデジタルカメラを抜き取られた。バッグを背中にたすき掛けし、気付いた時にはチャックを開けられていたという。
 「カバンを持つ際は、体の前で」という基本ルールを怠ったためで、残念ながら「盗まれる方が悪い」と言ったところか。カメラはさっさと転売されているので、戻って来ることはない。
◇スリ、ひったくりに気を付けても、タクシーや買い物の際は、面倒な交渉が必要なことも。
 例えば、バイクタクシーに乗った際、一方的にホテルに案内され宿泊を勧められたり、事前に約束した2ドル(180円)の料金が、倍の4ドルで請求されたり。
 自動車タクシーに乗った際には、「小さなお金がない」と言って釣りを渡そうとしないドライバーに遭遇した。「本当に?財布を見せて」と、中身を覗くと、ぎっしり。わざわざドライバーの財布からお釣りを抜き取る面倒さ。
 みやげ物を買ったら、一桁小さい釣りを出し、こちらが指摘しないと、正規の金額を払おうとしなかった。
 物の値段に定価がなく、人を見て決めるから、下着やサンダルを買うのにも、おそらく地元民の何倍もの値段を吹っかけられている。毎回の値段交渉がおっくうに感じることもある。
◇総じて、日本人観光客というのはお金持ちで、押しに弱く、無用なトラブルを敬遠しがち、と受け止められている。
 どの国でも、金儲けの格好のカモとして見られている訳で、日本人である以上、ターゲットにされるのは止むを得ないだろう。
 世界の多くの国の人々が、経済的問題と国際的信用度から世界を自由に旅行できないが、我々日本人は「日本パスポート」「日本円」という世界でも屈指の強力アイテムに恵まれ、思うがままに世界を旅できる。
 そういう恵まれた国際環境を思うとき、多少のトラブルは自由な旅の代償と受け入れたくなる。

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2010年10月04日

裏切られた日中友好

 いま、日本国中、どこへいっても話題となるのは尖閣諸島沖の中国漁船の領土侵犯と船長釈放に関する日本外交のへっぴり腰である。
 領土、人民、主権を守るのが政府と国会の責任であるが、哀れというか、情けないというか、日本側は中国の鼻息の荒さに恐れをなして、いうべきことも言い得ず、国内法で逮捕した船長を法的処分を棚上げして釈放してしまった。
 あらゆる恫喝的手段を講じて威圧的に出てきた中国であるが、この結果、世界に明るみに出たことは、白いものでも黒と言いくるめる中国の唯我独尊と無法ぶりである。
 今回のケースで日本人が中国の無法と暴挙を認識し、本気で日本の独立と領土を守らねばと自覚したことは予期せぬ収穫といっていい。
 日本の政府や政治家はどういうわけか、従来から中国や北朝鮮には頭が上がらない。
 北朝鮮の場合は日本人が50名、100名も拉致されているというのに、政府、与野党あげて拉致被害者の救済に向かった話は聞かない。
 それどころか、北への制裁を忘れて貿易や送金を許したり、食糧や医療、医薬の援助をするなど盗人に追い銭のようなつきあいをしている。
 かつて、拉致に関係した北の工作員が韓国に逮捕された事件があった。こともあろうに、その工作員の北への解放運動に署名したのが当時の社会党の土井たか子委員長であり、現在の首相・菅直人氏らであった。
 今度の内閣で国家公安委員長になった岡崎トミ子氏は韓国での反日デモに参加したことがあり、国家への忠誠心のない人の要職の適否が問われている。
 自民党のかつての副総裁・金丸信が団長となり、社会党の田辺副委員長を副団長に北朝鮮を訪問したことがある。当時の金日成主席と会談し、屈辱的声明を取り交わして問題になったことがある。金丸が金日成からどんな好待遇を受けたのか明らかではないが、訪朝団の事務局長には滋賀県出身の武村正義氏が名を連ねている。
 後に北朝鮮びいきで批判されて国会に出られなくなった大阪の中山正暉氏は何十回となく北へ出かけ、拉致問題には全く冷淡であった。
 中国においては先年、小沢一郎氏が民主党代表当時、党所属国会議員140人を引率し、他に300人余りの日中友好財界人などを組織して訪中した。小沢氏は一人一人の国会議員を胡錦涛首席と握手させ、2人切りの記念撮影をしてもらって土下座外交ぶりを披露した。
 中国の反日政策は国内であらゆる形で浸透しているが、不思議でならないのは、日本における「日中友好連盟」である。仲良くしましょうと握手しながらその手で頭を殴られているようなものである。
 今回の腰抜け外交を見ても小沢一郎氏がどんな親中ぶりで役立ったのか。日中友好連盟がどう動いたか、結局、中国側に利用されているだけである。
 中国はアメリカ、ロシアに次ぐ軍事大国であり、西欧や米、日に追いつけ追い越せの経済産業大国に成長した。軍事、経済を背景にした共産党独裁国家であるから、いちいち議会に協議することなく、党の指令1本で、国内問題はもちろん、対外的にも好き勝手、強引に押し切るのがその特徴である。
 この国では反日を叫び、それを効果的に組織、宣伝して権力が維持されるのであり、人民の意志よりも党の政策、指導が最優先する。
 日本国民は今こそ領土と独立、国民の安全を頭に刻みつける必要があろう。【押谷盛利】

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2010年10月02日

現地ツアーの魅力(見聞録)

 ベトナム・ハノイ観光の魅力は、商店や屋台、露店が並び、喧騒に包まれた市街地の散策もさることながら、周辺に広がる豊かな自然に身を投じることにある。
 その自然の中でも、世界的な景勝地として有名なのが石灰岩質の岩が海上にそそり立つ「ハロン湾」だ。気の遠くなるような長い年月をかけて石灰岩質の大地が風雨に削られてできた雄大で奇怪な大小2000の島々が、湾内に点在し、芸術作品のような景色を演出している。
 ユネスコの世界遺産にも登録されている。
 ハノイからバスで北東へ3時間程の距離にあるため、現地の旅行会社にツアーを申し込むのが一般的で、ハロン湾のクルーズとホテルの宿泊、4食付き、英語ガイドの同行で4000~5000円程。日帰りなら半額になる。
 小生が参加したツアーは、アメリカ、ロシア、香港、フランス、ニュージーランドなどからの20人程と一緒。香港から参加の男性が日本への留学、勤務経験から英語、日本語ともに堪能で、言葉の心配なく雄大な自然を満喫できた。
◇ハロン湾以外にも、山岳少数民族の住む村へのトレッキング・ツアーや、小船に乗って川下りを楽しんだり、山にある仏教聖地を訪ねるツアーなど、いろいろ。
 小生はハノイ郊外へ計3回のツアーに参加し、2回を英語ガイド、1回を日本語ガイドにした。
 バスや食事は一緒なのに、ガイドが違うだけで、日本語は英語よりも割高で値段が倍になることも。
 旅行会社によると日本語を話せるガイドの数が限られるためらしいが、小生が参加したツアーの日本語ガイドは、言語能力が相当怪しく、何を話しているのか半分も理解できなかった。東南アジアならではと納得するしかないのだが…。
◇異国の地でツアーに参加すると、日本国内では接触することがないような、人種も地域も業種も異なる人に出会える。そして旅の情報を交換したり、意気投合して夜の街に繰り出したり、新たな情報から次に目指すべき国が見つかったり。
 旅の魅力は、そういった仲間との出会いにあるのかもしれない。

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2010年10月01日

中国の反日政策と日本

 沖縄の尖閣諸島沖の中国漁船の領海侵犯と船長の逮捕、釈放に至る中国の暴挙と厚顔、横車押しは、日本のへっぴり腰、屈辱外交など多くの問題を残したが、今になって「中国を見損なった」などという仙谷官房長官ら政府高官の無能とバカさにあきれるばかりである。
 仙谷氏は29日の記者会見で、アホに輪を掛けた下手な日本語で失笑を買っている。
 「中国は20年前とあまりお変わりになっていない」「14人と船がお帰りになったら違った状況が開けてくるのではと予想したいが…」。さらに東シナ海・白樺ガス田付近を航海中の中国の海洋調査船について「周辺にいらしゃることは確認している」とも述べた。つまらぬ敬語は軽い冗談かもしれぬが、一国の首相に代わる声明文ともいうべき記者会見で、こんなもの言いするのは、彼自らが中国の属国であることとを認めたのかと疑問に思うくらいである。多くの日本人はこの仙石発言に極めて不愉快に反応したに違いない。
 中国の今回のケース。いまに始まったことではない。口でこそ中国と日本の友好をいうが、していることは露骨な反日政策で一貫している。
 さきには、脱北の朝鮮人が駈け込んだ日本領事館へ中国の警官が押し入り、彼らを逮捕したばかりでなく、領事館の建物を損壊するなど暴力を働いたが、中国当局は詫びることも弁償もせず、ほおかむりで通してしまった。
 中国での国際スポーツ大会で、中国民衆が日本選手に非礼な野次を飛ばしたり、正常なスポーツ行為を困難ならしめたり、さらには日本の国旗を焼き捨てるなど暴力を働いたが、これらを不問にした。
 中国は全国各地に反日の記念塔や反日記念館などを設けて、あらゆる機会を利用して反日の思想を徹底している。情けないのは日本の高校などの修学旅行がわざわざそれを見学ルートに繰り入れているバカさである。
 中国の唯我独尊、わが国に対する高圧的態度は許し難いものがあるが、戦後の日本は中国に対しては極めて友好的につき合ってきた。
 ことに経済界は貿易や中国の工業化促進について積極的とも思える貢献をしてきた。過去においては鉄鋼産業の近代化、近年においては環境浄化や農業の発展に日本の技術は大いなる役割を担った。
 そればかりか、ずっとODAの経済協力を続け、今も年40億円を援助しているではないか。ODAは低開発国援助資金で、多い年には何千億もの多額に上った。
 日本のODA資金で中国の河川改修や道路開発などが進められた。そうした日本の協力は中国民衆にはほとんど伝えられていないのではないか。
 ここにきて、中国という国は一体どんな国なのか、あらためて考え直す必要があるのではないか。この国は人口13億もの世界一の人口国であり、今は核武装のほか強大な軍事力を背景にアジアに君臨しようとし、南シナ海や太平洋で他国と領土問題でトラブルを起こしている。
 国をあげて経済成長に取り組んでいるため13億の人口を抱えた消費と購買力は世界の工業国の輸出上の魅力であり、その弱さから日本を含め欧米諸国は中国への微笑外交を恥じることがない。

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