滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2010年09月30日

喧騒と活気のハノイ

 先週のシルバーウィーク。カバンにパスポートと航空券、カメラと着替えを放り込んで、ベトナムの首都ハノイをちょっと覗いてきた。
 郊外のノイバイ国際空港に降り立つと高温多湿の大気が体に染み込み、東南アジアに来たことを実感する。バスで市街地へ向かえば、通りに交通ルール無用のバイクがあふれ、絶え間のないクラクションの嵐。路上は食品や生活品などの青空市、屋台が出て賑わっている。
 街をぶらぶらと歩けば、世界各国から訪れる外国人と、それを歓迎するベトナム人の笑顔に出会える。一方で、観光客を狙ったスリ、ひったくり、偽ガイドも暗躍する。
 少し郊外に出れば、豊かな農村風景が広がり、昔ながらの人力で稲を刈り取る姿が見られた。農作業の貴重な労働力なのだろか、水牛もいた。
◇ベトナムは中国の南側、インドシナ半島の東部に位置する縦長の国で、西側をラオス、カンボジアと接している。
 赤色の生地の中央に星を配した国旗から、社会主義国であることがうかがえる。一応、選挙はあるが、政治は共産党独裁だ。
 人口は8500万人。キン族が86%を占め、他に53の少数民族がいる。8割が仏教を信仰している。
 国民1人当たりGDPは平均1000ドル程度で、3万ドルを超える日本と比べると、経済的発展の遅れが分かる。
 ハノイは首都であり、物価はベトナムで一番高いとみられるが、日本の感覚からすれば、安い。大衆常食の麺料理「フォー」は屋台や食堂を利用すれば100円程度で食べられる。レストランで気兼ねなく料理、お酒を注文しても2000円は超えない。
 宿は1000円も出せば、ホットシャワー、冷蔵庫、エアコン、テレビ付きの部屋に入れ、インターネットも使い放題。
 タクシーは初乗り60円程で、バイクタクシーならさらに下がる。
◇ハノイに首都が築かれてから、10月10日でちょうど1000年とあって、大規模なセレモニーが準備されている。街のあちこちに横断幕が掲げられ、ステージ建設やモニュメント整備が進んでいた。
 喧騒と活気に包まれるハノイの姿を、旅行者の視点で、何回か紹介したい。

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2010年09月29日

高利貸しは悲劇の元凶

 消費者金融大手の武富士が会社更生法の適用を申請した。
 消費者金融といえば体裁はよいが、ずばり分かり易く言えば高利貸しである。高利貸しが渡世できるのは本当は世の中が狂っているからだ。一つには銀行から借りられぬから高利の金や闇金に頼るわけだ。
 しかし、銀行が貸さないのは借り手に信用がないからで、信用のない者に金を貸しては銀行が破算する。
 銀行は確実な保証人や担保物件を入れることによって融資をするが、融資するその原資は何処にあるのか。
 簡単に言えば、貯金をするお客のお金を回すのである。客が銀行に預金をすれば利息を払わねばならぬ。このため貸し出し金利は貯金の利息より高い。高いけれども高利貸しではないから、商売人や企業家が経営上採算のとれる範囲の低金利である。
 このように貯金する側と金を借りる商売人(企業)の双方の利益を考えるから銀行(信用金庫、農協)は国の保護も受けるし、その経営の監査は厳しい。
 ところが高利貸しは担保がなくとも保証人があれば金を貸した。ただし目をむくほどの高利を払わねばならぬし、弁済できねば保証人から弁償させた。そういう高利貸しからさらに一歩前進して担保も不要、保証人も不要、健康保険証や運転免許証を見せるだけでその場で貸しますという消費者金融が台頭した。
 この無手勝流金融は深刻な社会問題となった多重債務地獄をまき起こした。どういうことかというと、A社への借金(元金と何倍もの利息)を払うためにB社から借りる。今度はB社から取り立てを食うのでC社から借りる。D社からも借りる。次ぎ次ぎと簡単に借りるから最終の弁済金(元金+利息)は最初の借入金の何十倍、何百倍かにふくれ上がり、命と引き替えを迫られる。自殺する人もあれば夜逃げする人もある。結局、最後の貸し手が損をするわけだが、その損害くらいは、このようなやり方のべら棒な高利の営業収入でカバーする。
 保証人もなく、担保もないのに金を貸して、どうして債権を回収するのか。高利で借りる人はその時点で経営や生活が行き詰まっているはずだ。にも拘わらず、じゃんじゃん貸すのは取り立てが暴力がらみで、鬼の催促をするからである。
 こんなデタラメな消費者金融を野放しにしては社会が真暗になるし、これら弱者を食いものにする暴力団のはびこる土壌にもなりかねない、と一大決心をして規制をかけたのが小泉純一郎元首相の発動した2006年の改正貸金業法だった。
 これによって年収の3分の1を超える個人向け貸し付けの禁止、金利は年利20%以下。この結果、86年のピーク時は4万7000社だった貸金業者が今年は10分の1以下の3000社余りとなった。
 年利20%どころか、結果的には50%、100%それ以上にもなる高利なので10万円借りたのに最後には100万、500万円になっていたというのが多重債の地獄だった。
 こんなやり方を野放図にさせていたのがそもそもの誤りで、ぼくに言わせれば高利貸しそのものは悲劇の元凶であり、鬼をつくる社会悪である。
 改正法がまともに実施させれば悲劇がなくなるか、金貸し業が閉店するだろう。【押谷盛利】

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2010年09月28日

東南アジアとの連携を(見聞録)

 沖縄・尖閣諸島沖で中国漁船が日本の海上保安庁の船に衝突した事件で、日本政府は白旗を上げた。
 一方、中国政府は同諸島周辺で漁業監視船によるパトロールを強化する方針を固めた。監視船といっても退役軍艦を改造したもので、こんなものに尖閣諸島周辺をウロウロされては、日本の領土保全が、一層危うくなる。
 また、日中中間境界線付近に海洋調査船が10隻以上集結していることも明らかになった。
 日本政府が手を打たない限り、漁船、調査船、監視船、そして軍艦が、この海域を跋扈することになる。
 いや、それより早く、漁船や監視船に乗り込んだ中国軍が尖閣諸島に上陸し、旗を立てるかもしれない。その時はもう手遅れで、今度は、石垣島、宮古島、沖縄本島…。危機は目前に迫っている。
◇軍事力と経済力を背景に、中国が支配を強める南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)。100以上のサンゴ礁や小島などからなり、島自体に魅力はない。しかし、油田などの海洋資源が発見された1970年代以降、周辺国が領有権を主張している。
 そんな中、中国は南沙諸島の海域に軍事施設を建設し、一方的に南沙諸島の領有を宣言している。
 フィリピンやベトナムなど目の前の島を奪われた東南アジアの国々は、中国の横暴を苦々しく思いつつ、自力対抗できないでいる。
 そこで、日本はこの事件を機に、中国牽制の観点から、東南アジアとさらなる友好と連携を深めるべきだ。
 日本政府による資金支援、大企業の進出と技術交流、民間レベルの交流の促進などだ。幸い、中国、韓国、北朝鮮の3カ国を除くと、日本とアジア各国との関係はそう悪くはない。
 企業にとっても、商業活動に土足で政治的圧力をかける中国よりも、労働力の安い東南アジアに海外拠点を移すことは、将来、避けられないであろう。
◇ゆえに、10月4、5日にベルギーで開かれるASEM(アジア欧州会議)への菅直人首相の出席と、世界へのメッセージが注目される。
 現地で、中国との温家宝首相との話し合いが実現するかも知れないが、それ以上に「チャイナ・リスク」の発信が欠かせない。
 日本国家の主権が侵されたまま、フィリピンやベトナムのように力なく泣き寝入りすれば、我々の孫の時代に日本は中国の属国と化しているかもしれない。

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2010年09月27日

中国の恫喝と腰抜け日本

 沖縄・尖閣諸島(石垣市)沖の日本領海を侵犯した中国漁船問題は日本のみならず世界に中国の帝国主義的暴走を印象づけた。
 中国漁船は海上保安庁の巡視船に故意に衝突したので、公務執行妨害で船長は逮捕された。日本の国内法に基づく正当な法的措置で文句の言われる筋はない。
 ところが中国は船長逮捕を不当として無条件釈放を要求し、閣僚級の交流停止、訪中団のストップ、日本への1万人観光キャンセル、重要輸出品の禁止、日本人カメラマンの逮捕など、事件に無関係な乱暴な報復手段に訴えた。
 日本政府は法に基づき粛々として送検の手続きを踏んでいるとしながらも勾留期限を5日残して船長を釈放した。表向きは那覇地検が日本国民の影響や今後の日中関係を考慮して決定したというが、国辱以外なにものでもない。法に基づき処理すべき検察が外交上の配慮をしたとは国権の威信に関わるばかりでなく、法の秩序を犯したことになるのではないか。
 中国は恫喝で船長を釈放させたばかりか、さらに笠に着て損害賠償と謝罪を要求している。
 「盗人猛々しい」とはこのことで、暴力団まがいのヤクザのセリフである。
 今回のような不法がごりがんで通るなら国際ルールや法は全く存在しないに等しいし、今後、もし今回のような事件が発生しても日本は手を拱いていなければならなくなる。
 前原外相は同様な領海侵犯があれば今回同様、逮捕するむねの発言をしているが、実際はどうなるか。日本外交のへっぴり腰が、先方の鼻息をうかがって、相手の思うつぼにはめられることが予想される。
 中国はこの事件を契機にさらに日本近海へ領土的野心や軍事的、漁業的不法行為をつのらせる危険が十分に考えられる。
 ここにきて思うことは一国の独立とは何か。国民の安全とは何かを日本国民は自問自答すべきであろう。
 中国が今回見せた恫喝行為は外交といえるものではなく、大国の軍事的、経済的力でもって日本を威圧したにすぎない。国内法が曲げられたこと自体、独立国の体をなさないし、日本固有の領土を否定する中国の態度は正常な交渉では手に負えない。そればかりか、気に食わねば在中国の日本人の生命安否に関わりかねない。
 日本は平和憲法で専守防衛を宣言しているから武力に訴えることをしないが、それを逆手にとる可能性は十分に考えられ、日本の主権がいつ侵されるや極めて不安定というべきである。
 日本は平和憲法制定時にアメリカと安保条約を結んだが、これはアメリカの核の傘の下に日本の安全を確保するのが主旨である。いわば日米軍事同盟であるが、真にアメリカが日本の立場に立ち、日本への侵略者に立ち向かってくれるか、どうか。このさい、同盟の重要性を再確認すべきである。
 アメリカに守ってもらえば、他方それに応えるギブ・アンド・テイクの論理を日本国民の脳裡に刻みつける必要があるのではないか。【押谷盛利】

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2010年09月24日

まさかの政局と道州制

 元・総理の小泉純一郎さんは、新人議員に教育して「人生には坂が三つある。上り坂、下り坂、そして、まさかという坂」。
 半分は笑い話だが、半分真実を語っている。
 検事が証拠を書き換えている、そんなニュースに国民は「まさか」と驚いたが、これでは証拠のでっちあげもあり得ることだ。こんなけしからぬ検事に逮捕されたり、起訴されたりしては、国民の人権は薄氷ものである。
 校長を目の前にした教育委員会の参事がセクハラで世間の指弾を浴びている。「まさか、あの先生が」。
 昨年の8月末の衆議院選で、自民党は「まさか」の敗北を喫したが、勝った民主党は今年7月の参院選で自民党に大敗した。民主党のファンにとっては「まさか」の失望である。
 新聞やテレビは、おもしろおかしく話題にするが、昨年の衆議院選で民主党が大勝したのは小沢氏のせいではない。小沢が先頭に立とうが、菅が立とうが岡田が立とうが、誰が引っ張っても民主党は勝ったはずだ。実は民主党が勝ったのではなく、自民党が国民から見離されたのだ。つまり政権交代の国民の声が反自民から親民主へ試験飛行したにすぎないのである。国民は正直なもので、100%民主党を支持したわけではなく、カネと政治の不潔な話から民主党離れが加速し始めた。
 6月の小鳩退陣は国民の世論によるもので、今後も小鳩が表へ出れば国民から総スカンを食うだろう。小沢びいきで、さきの代表選を戦った国会議員はヤクザまがいの仁義を切った格好だが、こんな連中は次の選挙で下り坂を覚悟するがよかろう。
 地方の首長で現在、上り坂にあるのは大阪の橋下知事と名古屋の河村市長であろう。発想がユニークで行動が大胆。ムダをなくして住民税を安く、と、口八丁手八丁のやり方は見ていても気持ちがよい。
 橋下氏は大阪市や堺市をひっくるめて大阪都を構想しているがなかなか宜しい。
 いずれは近畿の2府4県が道州制をつくるがよい。滋賀の嘉田知事もそういう方向で研修を深めてほしい。
 電波時代の世の中、明治時代の府県制にいつまでもこだわっていてはつまらない。
 徳川政権は「まさか」の薩長連合で潰れたし、太平洋戦争は陸軍の井の中の蛙で「まさか」の敗戦を喫した。【押谷盛利】

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2010年09月22日

なさけないかな男野郎

 ちかじか校長になるだろう、と言われていた先生がセクハラの科で停職3カ月の処分を受けた。
 長浜市教委の参事なる肩書きも一皮剥けばエッチ教師とは、いやはや淋しくも悲しい話である。
 新聞の社会面はこのところ殺したり殺されたりの嫌なニュースに溢れている。
 文化国家だの一流国家だのと、その物質的繁栄を謳歌しているくせに、凶悪犯と共にエッチな犯罪の載らぬ日はない。情けないかな男ども、と墓場のかげからご先祖さまがあきれていることだろう。
 あきれてものが言えないのは電車の中やエスカレーター上での隠し撮りである。
 スカートの中を隠しカメラやケータイで写すというのだが、中味が見えるわけでなし、何を好んでこんなバカをするのだろうか。一口に言えば変態そのものである。変態とは性的倒錯である。変態性欲といってもいい。
 男と女が地上にある限り、陰と陽の法則で互いに触れあい求めあうことは神代の昔から連綿として変わるところがない。
 互いに求めあいながらも、容れる、容れない。許す、許さないの好悪の感情が存在するから秩序が保たれる。男女の仲はアウンの呼吸ともいわれるが、一目惚れするのも吐き気を催すのも人間特有の感情による。
 好き嫌いは本能的な感情だが、人間は社会的動物だから、本能を抑えて共働することもあるし、感情を超えて仕事や趣味に生きることもある。
 男と女がふれあい、求めあう最高の形は結婚だが、このごろは結婚はしなくとも同居婚があり、あるいは自由恋愛婚もある。
 世の中の変化を喜ぶべきか、悲しむべきか。このごろは結婚したがらない男女が増えている。ことに悲劇的なのは30代後半から40代に至る男子の独身派が多いことである。
 周囲が心配して適当な相手を世話しても、てんで受けつけない男や異性に興味を持たない男が多い。病的といえるかもしれないが、それでいて、会社や工場では一人前に仕事をこなしている。
 前立腺肥大で大事なところを手術すると女性への関心がなくなるというが、40代男の女性無関心は生まれながらにして精子の数が不足しているのかもしれない。
 病根は深いが世間や行政は素知らぬ顔で避けてゆく。【押谷盛利】

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2010年09月21日

1万人社員旅行の中止

 「中国からの1万人級大型インセンティブ旅行誘致成功!」と、日本政府観光局が大々的にプレス発表したのは6月の話。
 インセンティブは「奨励金」や「やる気を起こさせる刺激」という意味で、一般的には、成果を出した社員や販売店に支給する報奨金を指す。
 この場合のインセンティブ旅行というのは、優秀な成績を収めた社員へのご褒美旅行という意味だ。
 太っ腹な社員旅行を企画したのは、北京に本社を置く健康食品販売会社。社員約3000人とその家族らに10月9日から5泊6日で関東、関西をめぐる旅行をセットした。余りにも大人数のため14班に分かれる予定だったが…。
◇1万人旅行は、先日、急きょ中止が決定された。背景には尖閣諸島の海域で中国漁船が海上保安庁巡視船へ衝突した事件をめぐり、中国国内で高まった反日ムードがあるようだ。
 感情に素直な中国らしい反応だろう。過去には小泉純一郎首相(当時)と会談を予定し、来日していた中国の呉儀副首相(当時)がドタキャンして帰国したことがあった。来日前に小泉首相が国会の委員会で靖国神社に祀っているA級戦犯に関して「『罪を憎んで人を憎まず』と言ったのは孔子だ」と答弁したことに、中国政府の指導者が頭に血を上らせたからだ。
◇指導者がこうなのだから、企業も、さもありなん、だろう。
 ただ、1万人旅行は前原誠司国交大臣(当時)が、韓国との誘致合戦に参加して、勝利、獲得した。日本国内に落ちるカネも13億円を超えるのでは、とそろばんを弾いていただけに、日本の旅行業界はがっかり。
 今後も、このやっかいで面倒な国と末永く付き合うことになるゆえ、日本政府には是々非々の姿勢での外交を望むところ。1万人キャンセルの報に「中止は残念だが、国益や日本の主権を基本に対応すべきだ」とさばさばしている前原大臣が、改造内閣で外相に就任したことは、弱腰外交に悩む国民にとって朗報だった。

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2010年09月18日

不祥事の連続に思う(見聞録)

 長浜市上下水道課職員2人が収賄容疑で逮捕されたのに続き、今度は教育委員会の職員がセクハラで停職3カ月の処分を受けた。
 収賄容疑で逮捕された2人は風俗店で業者から接待を受けた見返りに業者に便宜をはかったとされ、1人が起訴、もう1人が起訴猶予で釈放となった。
 いつから、どのように業者との関係を深め、どのような手口で便宜をはかったのか、今後の裁判の成り行きが注目される。
 一方のセクハラ職員は、職場の女性が嫌がるのに手を触ったり、デートに誘ったり、執拗に電話したりと、教職員にあるまじき行為を繰り返した。聞くところによると、この人物は小学校の教頭まで務め、行く末は校長かとも期待されたが、女性に心を惑わし、棒に振ってしまった。
◇公務員の不祥事は、その立場から、テレビや新聞で大きく報道される。
 今回の問題でも、長浜市の不名誉を全国に発信することになり、市民にはたまらない。それ以上に、真面目に勤務する市職員や学校の先生が気の毒でならない。
 市長や教育長の叫ぶ綱紀粛正、再発防止の声が空しい。
◇その点、浅井中学生が挑戦した270人271脚のギネス申請断念のニュースは、「紐がほどけた」と正直な生徒の勇気ある告白が美談として全国ニュースで取り上げられ、市民に清々しいプレゼントとなった。学校には激励や感動を伝えるファックスが大量に届いているという。
 ギネス記録にはならなかったが、告白した生徒、それを受け入れた他の生徒、保護者、先生の、記憶に残る出来事となることだろう。
 地域密着の弊紙としては、浅井中のような地元が誇れるハッピーなニュースを日々伝えたいと心掛けている。しかし、どうしてか事件や事故、不祥事などがコンスタントに発生する。
 きょうも朝から、とある疑惑の情報を入手し、取材に取り掛かることに。ああ。

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2010年09月17日

かなかなと総理の椅子

 人生を「すごろく=双六」にたとえることがある。さいころの目によって盤上に駒を進め、一進一退を繰り返しながら幸運の主が一足早く栄冠を手にする正月のゲームである。
 次ぎつぎと関所を突破して最終点の栄冠に達することを「上がる」という。めでたさの象徴である。
 人間の最期は「死」であるが、それは双六でいう上がりではない。
 死は没ともいい、逝く、往くと書く。人生という双六の上がりは富、地位、名誉など頂点を極めることだが、頂点をどこに置くかは人それぞれ、千差万別である。政治家であれば、国会議員、あるいは大臣、党の要職を上がりとする人もあれば、総理大臣になるのを上がりとする人もあろう。
 地方の議会議員、首長を上がりとして自賛する人もあるだろう。官僚なれば局長、次官、天下り団体の理事長を望むかもしれない。
 政治家なんて風が吹けばどう転ぶかもしれない。国会の赤いじゅうたんを踏みしめながら肩で風を切る勢いもひょんなことで落選を続ければ、ただの人であり、借金を残して夜逃げする人もある。
 そういう不安定さに比べれば、富をねらう経済人の上がりは夢がある。例えばナショナル(今のパナソニック)の松下幸之助は神社、仏閣、社会施設などに多額の寄付をして尊敬され、晩年は松下政経塾を創立して多くの国会議員や地方の知事、首長を輩出した。
 偉大なる「上がり」というべきだが、経済人といってもピンからキリまであり、不正な金もうけをして警察に逮捕されるご仁もある。
 株の上がり下がりや商品の相場、為替レートの情報に頭を悩ます経済人を「銭の亡者」と笑う人もあろう。
 その段になると、生活は必ずしも豊かではないが、音楽や彫刻、絵画、染色など芸術の世界で一家をなすのは魅力ある「上がり」ではないか、とこれも一つの双六である。
 その他、あらゆる展開のなかで、人々の称賛を受ける人は枚挙にいとまなしである。
 スポーツ、歌劇、芸能、囲碁、将棋、建築、農林水産業、それぞれ活躍の範囲、舞台の規模はともかく、人は人生航路の途上でそれなりの「上がり」を求め、極めようとする。
 いま、日本の最大のニュースは菅内閣の人事であるが、冷静に考えれば権力争いという食うか食われるかの死闘の結果の決算人事である。
 上がり損ねた小沢派の悲劇とうまく上がった菅派の幸運は、一皮剥けば紙の表裏であり、その権力の栄光は真夏の夜の夢ほどのはかなさである。
 庭に鳴くかなかな(蜩)の命ほどのはかなさである。【押谷盛利】

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2010年09月16日

尖閣諸島の次は?(見聞録)

 「中国は尖閣諸島で日本を試している」―。ブッシュ政権で国務副長官を務めたアーミテージ氏が15日、仙谷由人官房長官と首相官邸で会談し、こう述べた。
 尖閣諸島が日本の領土であることは歴史上の事実ではあるが、中国の姿勢は「おかまいなし」だ。海洋覇権を狙い、日本を含む太平洋西部を軍事的影響下に置くことを目指してるのであろう。この覇権への一歩として「尖閣諸島は中国固有の領土」の妄言を続け、軍事力を背景に、今後も進出するのは間違いない。
◇尖閣諸島問題は中国から一方的に吹っかけられたケンカだが、中国と領土問題を抱えて大変なのは何も日本だけではない。
 例えば南沙諸島は中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張、西沙諸島は中国が実行支配しているが、ベトナムを領有を主張している。中国とインドも国境を巡って対立し、複数地域で一方が、実効支配を、他方が反発する具合で、たびたび紛争も起こってきた。
 インドのカシミール地方は、パキスタンが領有権を主張し、印パ戦争が起こったことで知られるが、中国も領有権を主張しており、三つ巴。
 アジア東部、南東部、南部のいずれの地域でも中国は領土問題を抱えているわけだ。
◇尖閣諸島について中国は1970年になって、周辺の海底資源を狙って領有権を主張し始めた。日本の指摘する歴史上の認識など、はなから問題にしていない。
 そこで、問われるのが日本の姿勢だ。
 先の海上保安庁巡視船に対する中国漁船の衝突事件を機に、中国国内で反日ムードが高まり、良好な日中関係や経済連携が憂慮されている。
 しかし、日本固有の領土を守るため、弱腰は許されない。尖閣諸島の次は、石垣島、宮古島、そして沖縄本島か、との危機感を胸に、国民も領土問題への関心を高める必要があるのではないか。
 チベット、東トルキスタン(新疆ウイグル)、内モンゴルといった、固有の伝統や文化、宗教を持っていながら、共産党独裁政権の支配にあえぐ地域にも思いをはせたい。

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2010年09月15日

民主党国会議員に問題

 14日行われた民主党の代表選は菅直人氏が圧勝した。国会議員、地方議員、党員を総計した1222ポイントのうち、菅直人721、小沢一郎491の結果が示す通り、菅さんの完勝だった。
 国民の声もマスコミの評判も菅氏に傾いていたので、菅さんは勝つべくして勝ったといえよう。
 ただし、得票の分析をする限り、民主党の国会議員に問題あり、の感を深くする。
 東京都知事の石原慎太郎氏の批判がそれである。
 「国民の声に永田町の声が反している」。
 一般党員とサポーター票は249対51で、菅票が小沢票の5倍。地方議員票も菅60|小沢40で、これまた6対4で小沢完敗。ところが、国会議員票は両者伯仲し、412|400で、菅がわずかに12ポイント抑えている。
 国会議員は1人2ポイントであるから菅支持206、小沢支持200という接戦である。
 石原知事が永田町の声というのは、これを指しているわけで、いわば国民の声に永田町の声が水をぶっかけている図である。永田町は国会議事堂のある一画で、永田町族とは国会議員族のことである。
 政治家は選挙の度に国民の声を聞くと尤もらしいことをいう。国民の声なき声を政治に反映し、みなさんのために奉仕します、と頭を下げてきたはずである。
 にも係わらず、民主党の議員のうち小沢氏に投じたのは、国民世論を全く無視したといってよい。小沢氏は政治とカネの問題で、検察審査会に起訴すべきか、どうか問われている身であり、その説明責任は国会で追及されている身である。
 小沢氏をめぐる政治資金の不透明さは100億円ともいわれ、新聞、週刊誌、月刊誌を問わず多くの話題を提供し、政治不信の元凶となっている。
 このため3カ月前、クリーンな政治を求めるとして、鳩山内閣が退陣し、小沢幹事長が辞任したばかりである。
 その舌の根も乾かぬうちに、幹事長どころか総理を狙う代表選に出馬するというのであるから、まさに国民の顔に泥を投げるような暴挙である。
 国民は政治とカネの問題で小沢氏をクリーンだとは思わぬし、代表選に出ることを賛成していない。そのことは大手新聞社の世論調査で明らかである。それなのに、民主党内に小沢支持の国会議員が半数近く存在することは全く許すことができないし、彼らをまっとうな政治家として信頼することができないではないか。
 「国民の声を聞きます」という選挙時の演説はウソだったのか。
 こういう政治家を落選させるところから日本の政治の民主化は進む。【押谷盛利】

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2010年09月14日

日仏の「お役所仕事」(見聞録)

 6月、日本入国直後の中国人48人が、大阪市に生活保護を大量申請していた問題があったが、先週までに全員辞退したことが明らかになった。
 この48人は5、6月に入国し、直後に生活保護を申請。うち32人がこれまでに640万円以上の保護費を受給した。
 「生活保護目的の入国では」との疑惑が広がると、市は7月になって「生活保護受給を目的に入国したと見なさざるを得ない」として、支給打ち切りを決めていた。
 中国人を呼び寄せたのは、大阪市在住の70代の姉妹だった。福岡市出身の母親が大正時代に華僑の夫と福建省に渡り、もうけた。戦争の混乱で帰国できなくなったが、2年前に日本国籍を取得。「一緒に暮らしたい」と親族48人を呼び寄せた。
 しかし、仕事のあてもなく、すぐに生活保護を申請する中国人がなぜ入国できたのか。その背景には、製造現場などの労働力として、日系2、3世の定住資格を緩和した入管法改正にあるが、本質は必要書類さえ整っていれば、入国を許可する入管審査の形骸化だろう。
◇この問題は日本の役所のチェック機能、管理能力の欠如をさらしたが、同様の問題は社会保障制度のある国ならどこでも起こりうるようだ。
 ロイター通信によると、仏パリ在住のアフリカ出身の男が、55人の子どもを実子として役所に届け、社会保障費などを不正受給していたとして、今月、警察に逮捕された。55人の子どもの母親はいずれも異なるという。
 男は国内やアフリカなどを訪れた際に、複数の母親に子どもを実子としてフランスで登録する見返りに、1回150~200ユーロ(1ユーロ=107円)の手数料を得ていたという。
 登録された母子には、フランスへの居住許可と社会保障費の受給資格が与えられていた。月額給付金として7500ユーロを受け取っていた母親もいたというから、濡れ手に粟だったことだろう。
 どのように書類を揃えて手続きしたのか、役所が事なかれ的、事務的に処理したのか、その詳細は不明だが、55人の子ども、しかもすべて母親が異なるという申請が通るとは…、「お役所仕事」は日本だけの話ではない。

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2010年09月13日

世界の美女と歴史物語

 昔から「美人薄命」といわれるが、それは古代中国の呉王の西施妃や唐の玄宗皇帝の楊貴妃らの運命を皮肉った言葉かもしれない。
 日本の美人ナンバーワンは小野小町とされている。平安後期の女流歌人で、仁明、文徳天皇の後宮に仕えた。絶世の美貌で伝説化されているが、欠点がないところから「穴なし」などと中傷された。美人に対するねたみやそねみ心の卑しさである。
 世界の3美人は古代エジプトのクレオパトラ、唐の楊貴妃、そして、わが日本の小野小町とされているが、いずれも晩年が哀れを誘う。美人なるがゆえに幸せをつかみ、美人なるがゆえに不幸な死をとげる。
 クレオパトラの場合、もし彼女の鼻がもう少し高かったら世界の歴史が変わっていたかもしれないといわれるくらいの美女だった。紀元前30年古代エジプト最後の王位を失ったが、後にカエサル(シーザー)の力を借りて復位し、エジプトを統一した。カエサルの暗殺後、アントニウスと結婚するが、彼の敗死とともに自殺する。
 美人が歴史を変えた実話に平安後期の常盤御前が有名である。彼女は源義経の母親で、源義朝の妾だった。近衛天皇の中宮に仕え、今若、乙若、牛若(義経)を産んだ。義朝の死後、母と子の助命を条件に平清盛の妾となった。こうして、常盤御前の美貌が清盛の男心を迷わせ、敵である源氏の頼朝、範義、義経の命を助けた。
 後に義経が兵をあげ、一族の木曽義仲とともに都を制し、さらには東に北条氏の力を借りて勢力を伸ばした頼朝の挙兵で、平家一門を壇ノ浦で滅ぼした。
 源氏と平家の軍紀物語は太平記のテーマの一つだが、そういう古今の歴史の中の男女の縁と、その展開を知るにつけても人間の生きざまの不思議を思わないわけにはゆかぬ。
 いま、ぼくが唐突にも世界の美女を取り上げたのは、歴史は女性によって左右されるのでは、とふいに思ったからである。
 日本史をさかのぼれば、皇室のご先祖は天照大神という女神である。
 邪馬台国論争で知られる3世紀ごろの邪馬台国の女王・卑弥呼もまた女性であった。邪馬台国が北九州か、奈良地方か、考古学者や歴史家の議論は尽きないが、女性が権力を握っていたというのは愉快な話である。
 日本の総理もいずれは女性が登場するかも。【押谷盛利】

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2010年09月10日

民主党は二つに分かれよ

 民主党の代表選は国民感情をそこねた形で展開しているが、しかし、取り柄は一つある。
 なにが取り柄かといえば、これまでオブラートで包んでいたこの党の本質や実態があぶり出されたことである。正直言って、国民は裏切られた感じであり、昨年の8月の衆議院選で民主党を大勝させたのは何だったのか。
 今になって日本人の多くは、「狗肉を掲げて羊頭を売る」の詐欺行為に引っかかったのではないか、と思っているのではないか。
 民主党は、名前は民主党だが、この党の動きを見ると党内での議論がほとんど公開されず、一部の実力者のワンマン体制が先行している。
◇昨年8月の選挙で民主党が勝ったのは、それまでの長い自民党政治に対する国民の不信と反発の受け皿だったということができる。
 業者と癒着する政・官・財の全権政治や派バツ政治、さらには国民無視の政権たらい回しなど目に余る横暴に、「一度は野党に政権を渡して、日本の政治を浄化し、国民のための政治をしてもらわねば」との国民感情が爆発して、野党第一党の民主党に期待した。さらに、その反自民の国民感情の上に手品師のようなマニフェストを並べた。
 いわば政権を取るため、大事な国家観や防衛、外交を棚上げして歯の浮くような「ばらまき」施策を打ち出した。
 その結果はすでに明らかになったように、何回かの仕分けにも関わらず、無駄をはぶいての何兆円もの財源をひねり出すことができなかった。
 当然、国民に対する約束の反故で党内の方針がまとまらず、小沢一郎氏は金がなければ国債発行せよ、との暴論をいう始末。高齢者対策や教育問題など、この国には予算の伴う重大事案が山積している。
 金がなければ増税だの、国債だのという安易な発想は、世上噂される金融恐慌によって国家の破綻を招きかねない。
◇民主党は外交の基本をどこにおくのか。靖国神社を冒涜するかの如き言動は、まるで中国や韓国の属国のような誇りなき土下座外交ではないか。
 北朝鮮の軍事的圧力を感じながら、しかも拉致問題という国民の安全の立場からも北を制裁するどころか、高校教育無償化を在日朝鮮人高校にも適用するといったことは、まるで日本人の心を無視する社会主義路線ではないか。
 さらに言えば、在日外国人の地方選における選挙権付与などは、日本の地方政治に取り返しのつかぬ汚点を残すことになり、一つ違えば、自国民の人権を守るという口実で日本へ軍隊を差し向けることにもなりかねない。さらには、夫婦別姓推進も日本の家族制度を根底から崩壊させる危険思想である。
 このさい、民主党は分裂して、親中国の社会主義政党と、日本の伝統・歴史を重んずる保守中道党に二分するがよい。【押谷盛利】

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2010年09月09日

宗教観と国民性(見聞録)

 宗教と日々の生活が密接している世界の人々にとって、正月や七五三は神社、結婚式は教会で、葬式は仏教|という具合の我々日本人の宗教観は、無節操に写るに違いない。
 ただ、宗教をめぐる世界のニュースをながめると、宗教に「解放的」な国民性も案外悪くは無いと感じる。
◇イスラム教の経典「コーラン」には、予言者ムハンマドが天使ガブリエルを通じて受けた唯一神アッラーの啓示が集録されている。法的規範、生活規範などを含め114章からなり、イスラム教徒の絶対的な信仰・生活指針となっている。
 そして、イスラム世界には「コーランか然らずんば剣か」との言葉がある。唯一神アッラーに絶対服従を説いたムハンマドの教えで、イスラム教徒が、征服した地で改宗か死かを迫ったとされる言葉だ。
 今、そのコーランを、米フロリダ州のキリスト教会が、米中枢同時テロから9年を迎える今月11日に、焼却する「イベント」を開催すると宣言。教会牧師は「イスラム教は抑圧的で暴力的な宗教。米国はイスラムを歓迎しない」として、当日を「国際コーラン焼却デー」とし、コーランを燃やすのだという。
 当然ながらイスラム世界で抗議が広がり、米国内でも批判が続出。特に、中央アジアや中東に部隊を派遣する米軍はさらなるテロの標的にされかねず、危機感が強い。
 もし、焼却が実行されれば、米国民、そしてキリスト教徒の偏狭さを世界に晒すことになるうえ、大規模な抗議活動やテロの口実を与えることになるだろう。
◇英国の著名な理論物理学者スティーブ・ホーキング博士は最近発刊した宇宙論の新刊「ザ・グランド・デザイン」で、「宇宙誕生に神は必要ない」と主張。ビッグバンについても「神に点火してもらう必要はない」と語った。
 科学は神の神秘を物理的に解明し、法則性や因果性によって起こることを証明してきた。神秘性の否定という側面を持つと言える。
 そして、宇宙誕生でも、あえて神の関与を否定する博士の発言は、科学者の非情さなのかもしれないが…、創造主の存在を前提とするキリスト教やユダヤ教の指導者の反発を招いている。

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2010年09月08日

民主党で使途不明37億円

 金権政治は田中角栄、金丸信でピリオドを打ち、日本の政治は明るく民主的に進歩している、と思いきや、小沢一郎なる政治家によって元へ戻りつつあるのを憂うのはぼくだけだろうか。
 因縁というのか、政治的遺伝現象なのか、田中角栄と金丸に愛され、その政治的体質をそのまま継いでいるから、この手の古い政治家が日本の権力を握れば、それはそのまま日本の近代化と独立を損ね、日本国民を不幸に追いやるのではないか。
 角栄の金権政治の手法は彼を親分とする子分の数の確保である。彼の子分掌握はカネとポストと票(選挙)である。
 つまり、豊富な軍資金をくれてやるのが最も効き目のある子分確保の手段である。カネに動じない奴にはポスト(大臣や党の役員)を約束する。カネにもポストにも効き目のない者には票を積んだり、選挙の応援をする。この逆の場合もあって、尾を振らない奴には対立候補や刺客を立てたり、その者の当選を妨げる。これを恫喝政治という。
 今、展開されている民主党の代表選は、国民の世論と党内の動きが全く反しているのではないか、といわれている。
 世論調査では各紙ともほぼ同じで、2人のうち総理、代表にどちらがふさわしいかは菅(80%)小沢(20%)であるが、国会議員や地方党員の動向は両者伯仲、5分5分と伝えている。
 政治を審判する上で最大の目安は国民の声である。国民の声が政治に反映するのが近代の民主主義であるが、その国民の声を無視しているように思えるのが目下の代表選である。
 これは小沢の金権独裁政治が党内に深く重く浸みこんでいると見るのが正解であろう。つまりは民主党内で小沢が神さまか、教祖のように信奉されているのは、さきに挙げた三つのクスリの作用による。
 ①カネ②ポスト③票と選挙。
 こう考えれば、民主党内の小沢陣営は親分子分のヤクザ的体質が濃厚であることが分かる。
 それは証明する材料にことかかない。小沢派の面々が小沢ガンバレコールに興奮する場合、必ずそこに顔を出しているのは山岡賢次副代表であり、7月に当選した谷亮子参議院議員である。
 8日付の産経新聞に次のような大きな見出しの政治記事が出ている。
 「小沢氏周辺、使途不明37億円」「18年|22年、組対費名目|民主党が支出」「新進、自由党時代も巨額の公金」。
 この記事は7日、党の内部調査で分かったとされる。
 内部調査によると、組織対策費として党本部から小沢氏に近い議員への支出の始まったのは18年5月。党の会計責任者で財務委員長になった山岡副代表に6800万円、22年6月の菅内閣発足までに山岡氏と後任の財務委員長、佐藤泰介前参院議員に計36億円を支出。議員宛の組対費はほかに輿石東参院議員会長に計9500万円。鉢呂吉雄衆院議員に計1500万円。その他総計37億余円で、使途は不明。
 いずれにしても小沢を神様の如く奉っているのは、とっくに清算したはずの封建的な親分子分のしがらみであろう。これで国民本位の政治ができるわけがない。【押谷盛利】

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2010年09月07日

世論届くか?民主代表選(見聞録)

 菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちの民主党代表選挙は、菅首相支持が多数を占める世論調査結果の意に反して、拮抗している。
 これは、小沢前幹事長が議員票を多く集めているからで、一般世論と民主党国会議員の思考が乖離している証左といえる。菅首相は党員・サポーターの地域票で支持を広げている。
◇滋賀夕刊が、長浜市内の民主党県議とサポーターの市議計5人に、菅首相と小沢前幹事長のどちらに投票するのかを聞いたところ、5人とも菅首相の支持を明言した。
 ただ、記事にあるように、菅首相への積極的支持ではなく、小沢前幹事長の資質欠如によるところが大きい。小沢前幹事長の秘書が逮捕された事件などを例にあげ、「政治とカネ」の問題で国民の不信を買っている点を指摘していた。
 また、菅首相については「指導力、リーダーシップは弱いが、止むを得ない」「まだ就任して3カ月しかたっておらず、その手腕を見てみたい」と、消極的な評価だった。
◇さて、民主党代表選は、国会議員412人、地方議員2382人、党員・サポーター34万2493人の計34万5287人で行われ、それぞれの票をポイントに換算して獲得総数を競う。
 国会議員は各2ポイント、地方議員は全員で100ポイント、党員・サポーターは衆院選挙区ごとに1ポイント(計300ポイント)が配分される。
 総ポイント数は1224で、過半数の613を制した候補が当選者となる。
 国会議員の票が総ポイント数の3分の2を占めるという「偏重」により、権謀術数渦巻く政界理論が機能し、3カ月前の退陣劇を忘れたように小沢前幹事長の立候補につながっている。
 国民の支持で政権奪取した民主党が、代表選で国民世論を反映させるのか、政界再編の引き金となるのか。開票は14日。

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2010年09月06日

熱中症の今と昔の変化

 記録的な猛暑が続いている。9月に入って連日35度以上の高温の続く列島。まさに異常そのものである。
 温度だけでなく雨が降らないため、河や海(湖)の水温が上昇し、水産物の漁獲に影響している。また、畑作や庭の樹木が枯死するなど生活環境にもマイナス影響を与えている。
 人間にとって最大の心配は熱中症などの健康被害である。毎日のように救急車がフル活動しているが、全国的にも死者が多数出ている。
 いまは熱中症といっているが、昔は「暑けあたり」「暑中り」「暑気あたり」といった。
 ひところは「日射病」「熱射病」ともいった。日射病は読んで字の如く、強い直射日光をうけたために起きる病気で、体温調整機能が低下し、体温が急上昇し、意識を失うことがある。
 熱射病は高温多湿な環境下に長時間いたときなど身体の熱の放射が困難となり、体温が上がりすぎて起こる。不快、頭痛、意識障害などが現れる。
 熱中症は高温下で労働や運動をしたため起こる熱射病だが、家にじっとしていても高温多湿の状況下にあれば脱水、けいれん、虚脱など、ときには40度以上の発熱による意識喪失など最悪のケースもある。
 日本の夏は暑いにきまっているが、今年の夏は異常な高温のため、死者続発の熱中症が社会問題化している。
 一つにはわれわれ人間の先祖以来の伝統的な避暑の知恵が、現実の猛暑に対応しきれない側面がある。いま一つは樹木の陰におおわれる生活環境が変化したことによる。生活空間がコンクリート化し、マンションなど高層住宅が高温を招く。
 もちろん、扇風機やクーラーの普及で快適空調を満喫できるが、問題は老齢者である。老齢者の多くはクーラーによる冷えに抵抗を感じているから、クーラーを設置しないか、たとえ取り付けても稼働させない場合がある。
 これまでの暑さは扇風機があれば上々。扇子や団扇と冷たい砂糖水で暑さに耐えていた。
 いわば昔流の避暑生活が今日の猛暑に対応できなくなったというべきで、社会の変化が老人の体験的ないしは遺伝的避暑生活に対応しきれなくなったというべきである。
 だから、今日の熱中症騒ぎは、日本人が初めて体験した新しき夏の暑中りというべきで、わかりやすくいえば「新暑中り」である。
 われわれの先輩は薄着して、常に扇子を手放さず、沢庵を手のくぼにして番茶をじゃんじゃん飲んだ。少し体調がおかしかったり、睡眠中に冷えたりすれば梅干しで回復したりした。
 真夏は太陽光線を避けて、作業は早朝の涼しいうちにすませ、日中は風通しをよくして、昼寝をした。
 いずれにしても暑中りは老齢者や虚弱者は気を付けるべきで、甲子園の夏の高校野球でわかるように少年や青年は炎天下の運動でも平気である。それは体力の違いであり、老齢者はしずかに涼しい環境に籠もるのが賢明である。

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2010年09月04日

ロシアの禁輸に学ぶ(見聞録)

 今夏(6~8月)の日本の平均気温が、統計データの残る1898年以来113年間で最も高かったことが、気象庁の調査で明らかになった。9月半ばにかけて酷暑が続く見込みだという。
 熱中症患者が相次いだ一方で、エアコンや飲料水、アイスクリームなどが売上を伸ばした。野菜の値段は上昇したが、これから最盛期を迎える米の収穫に大きな影響はなさそうで、喰うに困るということはない。
◇さて、世界第3位の小麦生産国ロシアでは、記録的な酷暑と旱魃で今年の穀物収穫量が最大で38%減少すると予想され、8月15日から12月31日まで小麦などの穀物禁輸措置をとっている。
 さらに、今月2日にはプーチン首相が「来年(11月)の収穫終了後でなければ、禁輸措置の解除は検討できない」と述べ、禁輸期間がさらに1年間延びる可能性を示唆した。
 ロシアの小麦禁輸の影響で、小麦の国際価格は昨年9月に1㌧当たり141ユーロ(約1万5000円)だったのが、今は231ユーロ(約2万5000円)にまで上昇しており、特にロシアから小麦を輸入しているアフリカ諸国では、食料品の値上げが深刻化。主食であるパンが25%値上げされたモザンピークでは暴動が置き、暴徒化した市民が食料品店を襲うなどの混乱が発生している。
 なお、日本は小麦のほとんどを米国・カナダ・オーストラリアの3カ国から輸入しており、ロシア禁輸の直撃を受けないが、国際価格の高騰という余波は免れられない。
 07~08年にも天候不順による不作で、禁輸措置が取られ、小麦価格が高騰し、世界各地で暴動が起きた。政権が倒れた国もあった。
 今回は、その混乱を繰り返さないために、国連食糧農業機関(FAO)が緊急会合を開く方向で準備を進めている。
◇世界の食材をカネの力で買い集めている日本では、食糧に困って暴動が起こることはないが、輸入に頼った構造のままでは、世界同時的な食糧危機の場合、輸入を継続できるのか、心配される。ロシアのように各国が自国の食糧確保を優先するのは避けられないし、人口増加を続ける中国やインドの購買力も高まるであろう。
◇かつて、ソ連ではレーニンの指導の下、食糧徴発隊が農民から穀物を強制的に没収する食糧独裁体制が敷かれた。レーニンは穀物を「通貨の中の通貨」と呼んだが、今回のロシアの禁輸措置とプーチンの発表も、その思想の片鱗では、と勘ぐりたい。
 日本も穀物や食糧の価値を、将来の争奪戦を見越して考える必要があるのでは。

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2010年09月03日

金権政治と決別するか

 民主党の代表選を菅|小沢の私闘とか、コップの中の嵐とか、否定的に嘲笑する向きもあるが、古い金権的政治と訣別し、明るい民主的近代的政治を実現するチャンスとして、この選挙を意義づけることを提唱する。
 今回の代表選は単に民主党内の権力争いではなく、日本のすべての政治家、国民にこれからの政治は、かくあらねばならぬという、教科書づくりの一翼を担っていると自覚しよう。
 話を具体化する。
 鳩山前首相が手垢のついた仲人風を吹かせて、菅総理に耳打ちした。
 「挙党態勢で行こう。そうしないと民主党の明日がない。内閣ももたない」
 菅首相「挙党態勢、大いに賛成である」。
 鳩山「それには小沢処遇がキーポイントだ。彼をどんなポストで処遇するのか」。
 菅「党最高顧問ではいかが」。
 この話を聞かされた小沢はアホらして話にならん、と一蹴したが、それでは第二の矢を、と鳩山の考えたのが三頭立てのトロイカ方式。鳩山はこれまで公式には菅支持を表明していたが、ここにきて、「鳩山、小沢、菅の三頭立てのトロイカ方式で、昨年の衆議院選を大勝利した。今回もそれで行こうではないか。それに新鮮味を出す意味で3+1で輿石を1枚加えてはどうか。きみがそれをも反対するのならぼくは小沢に走る」。
 菅は選挙に自信がなかったからトロイカでもなんでもよい。小沢が協力してくれればありがたい、と、これを呑んだ。
 いよいよトロイカ会談成立か。世間が注視するなか、小沢、輿石、鳩山は会合した。そのなかで、トロイカなどと漠然たる抽象的言辞ではポストの担保が約束されない。ここは土壇場の真剣勝負だ、この場で菅に電話して、小沢処遇の腹のうちを聞き出すべきだ。おそらく、小沢の腹の中は副総理、入閣だろう。なぜならば副総理なら実務はなくとも菅をロボット化できるだろう。それに戦略会議議長を付加すれば、予算ににらみをきかすことができる。
 否、それ以上に大事なのは、2回目の検察審査会で追われている小沢の黒い霧である。もし大臣になれば、総理の同意がなければ起訴できないことが憲法に規定されている。いわば大臣就任は「政治とカネ」の追及を打ち切る絶好の最大の機会である。
 ところが、その手に乗るまい、と菅は鳩山の打診を軽くいなした。この4者会談に臨めば、国民から密室政治の疑惑を受けるので、出席することはできない、と答えた。
 これが鳩山の挙党一致の悪あがきの真相である。もし、菅がこれに乗ったら、日本の近代史に大きな汚点を残したに違いない。
 今回の代表選、表面は一騎打ちの聖戦のように伝え、報道されているが、中身は全くの国民無視の横着そのものである。
 選挙前の世論調査は、例えば共同通信の調査では菅首相69%、小沢前幹事長15%、フジテレビ系では菅63%、小沢16・6%。両調査とも内閣支持率は増え、不支持率より支持率が初めて上回った。
 朝日は8月27日の社説で「政治とカネの問題で責任を痛感したと幹事長を辞任して3カ月もたっていない。この間、小沢氏は問題にけじめをつけたのか。答えは否である。いまだ国会で説明もせず、検査審査会で起訴相当の議決を受け、2度目の議決を待つ立場である。どうしてここまで民意とかけはなれたことができるのか。多くの国民があぜんとしているに違いない」。(敬称略)【押谷盛利】

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2010年09月02日

歴ドル、歴女が湖北へ(見聞録)

 歴史好きのアイドル「歴ドル」やレポーター、一般女性らが、9月から滋賀の歴史遺産を訪ねて、インターネットのブログ(日記)で旅行記を執筆する。
 浅井3姉妹の末っ子、お江をテーマにした来年のNHK大河ドラマ放送を前に、滋賀の歴史的魅力をブログで発信してもらおうと、滋賀県が「近江路・歴女ブロガー旅紀行」と題して参加者を募っていた。
 全国から264人の申し込みがあり、県がブログの内容や更新頻度などから50人を選抜。「男性も大歓迎」としたことから、男性11人も含まれる。
 「歴ドルの双璧」と呼ばれる美甘子さん、小日向えりさんの2人が参加するほか、歴史番組のレポーター・吉村民さんも名乗りを上げた。
 参加者の居住地は東京12人、神奈川6人、埼玉4人、愛知5人、大阪、兵庫、福岡各3人など。全国に滋賀の魅力を発信する絶好の機会となりそうだ。
◇50人は9月から10月にかけ、県内の城跡や遺跡、社寺などを巡り、その様子をインターネット上に発信する予定だが、湖北地域にはいったいどれほどのブロガーが足を運ぶのだろうか。
 主催の県観光交流局によると、石田三成や浅井3姉妹などのゆかりの地をめぐるコースに人気があり、小谷城跡を中心に30人程が湖北入りする予定という。
 彼女らがブログで湖北地域の歴史や観光をどのように紹介するのか、12月開幕の博覧会へ向けて有意義な提案や指摘があることを期待しながら、注目したい。
 なお、参加者50人のブログのアドレスは県のホームページで紹介されている。

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2010年09月01日

鳩山茶番劇への怒り

 「あほらしやの鐘が鳴る」。民主党の代表選は国民の気持ちに砂をぶっかけたような臭くて不潔な談合劇の末、結局、元へ戻って菅首相対小沢前幹事長の一騎打ちになった。
 新聞はここ一両日の鳩山前首相仲介の両氏の調整を「談合」と意味づけた。
 談合は話し合うこと。相談の意味を持つが、近年は「談合政治」「談合落札」「談合罪」「談合請負」「談合行為」などと悪いイメージがつきものである。
 つまり、談合の言葉自体に反民主主義、密室政治、陰湿、暗さ、不明朗の影がつきまとう。
 ぼくは8月30日の時評で「利権政治と野合を廃せ」と書いたが、野合とは正式の手続きによらず夫婦になることと、と大辞泉にある。
 政権を野合によって樹立することは国民代表の国会を無視するもので、鳩山氏のいうトロイカ式は3人の実力者で人事も政権運用も決めようというのだから、まさに野合の好見本である。
 もし、菅さんが鳩山氏の術中にはまっていれば、日本は事実上、小沢支配の権力政治を生むことになる。
 揺れに揺れていた菅総理がどたん場で、反小沢の良識派の突きあげで方向を転換し、トロイカ+1の4人(菅、小沢、鳩山、輿石)の会談を拒否したのは正解である。
 「代表選をトロイカ方式で決めるのは好ましくない。密室政治の不信を国民に買うから」というのがその理由であった。
 この野合と談合を演出したのは鳩山前首相だが、この人は暑さのため少し神経がおかしくなっているのではないか。最初は菅支持を表明していたのに、どたん場になって小沢支持に転換し、「もし菅氏が調整に応じなければ陣営はこぞって小沢を支持する」と、ドスをきかせた。これは小沢復権のため菅を牽制し、彼を談合の席に誘いこむ苦肉の策だった。
 この談合を新聞は茶番劇とも評した。国民は「あほらしやの鐘が鳴る」と半ばあきれて、怒る気もしなかった。
 それというのも、この茶番劇は観客であるべき国民の顔に砂をぶっかけたからである。
 3カ月前に小鳩はなぜ辞めたのか。政治とカネの追及をかわすことができず、国民の怒りと不信にうしろ髪をひかれる思いで辞任したのではないか。
 一時は議員辞職まで言った鳩山氏は、なにを狂ったのか、トロイカを持ち出した。それも3人では気が引けるのか輿石まで持ち出して、この4人で今後の政権を担いましょうとは、なにを糞ったれ、ていのよい自分たちの復権策ではないか。いい加減にさらせ、国民はバカではないぞえ。【押谷盛利】

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