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藤原弘達の侃々諤々

 11日付の時評に「かんかん・がくがくの弁」を書いたところ、面白いと多くの人から感想を聞いた。
 かんかん・がくがくは、侃々諤々と書く。広辞林には「剛直にして節を曲げず、遠慮なくものをいうさま」と説明している。言論人にふさわしく大衆の立場から言いたいことをいう。そういう気持ちで、このタイトルを選んだが、実はその背景にはぼくの尊敬する言論人の先輩藤原弘達氏がある。
 「侃々諤々」は藤原氏が昭和53年に出版した著書の名前である。すでに30年以上になるが、ぼくが県議会議員の選挙前、後援会主催の決起集会に講師として招いたことがある。市民会館いっぱいの聴衆を前に痛烈な時局批判を展開し、会場が藤原節に酔い痴れたことを思い出す。
 その時、本人から頂いたのがこの本で、「恵存、押谷君へ 藤原弘達」と達筆なサインが当時を偲ばせる。
 氏は評論家の細川隆元氏との時評放談で、茶の間のテレビファンの人気を独占していた。
 この本は、昭和52年に福田赳夫内閣発足直後から満1年間、「週刊読売」に連載した時事評論で、当時の政界の裏話など格調高く、かつ興味深く掘り下げて、歴史の一端を証言している。
 藤原氏の名を高らしめたのはテレビ出演もさることながら、その著「創価学会を斬る」による。
 昭和44年12月に出版されたもので、この本が全国の書店に配本された直後、公明党の竹入委員長に頼まれた田中角栄氏の圧力で一夜のうちに回収されるという事件が起きた。いわゆる創価学会の言論出版の自由侵害として大騒動になった。
 あの本の出版には、時の佐藤栄作首相が双手をあげて賛意を表し激励したが、子分の田中角栄が事件に介入していることを知り大いにあわてたというエピソードが秘められている。
 弘達節はこの本の中でおめず、憶せず、光っているが、そのなかに参院選にかつがれるタレント候補への批判が出色である。
 これは今年7月の参院選にも言い得ることで、投票する国民のレベルの問題でもある。
 「参院選ともなるとマスコミのうえで知名度の高い、タレント候補が保革を問わず名乗りあげる」「彼らは要するに票集め人で、その知名度を動員されるだけ」「ごく一部の例外を除き、ほとんどのタレント議員は政治家としては問題外ともいうべき無能と痴呆性を白日化したといってよい」。【押谷盛利】

2010年06月14日 13:53 |


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