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「熱狂の日」が滋賀へ(見聞録)

 仏ナント市で1995年から始まった音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」。日本語で「熱狂の日」と呼ばれ、5日間で約300のクラシックコンサートが繰り広げられる。
 演奏者に、旬の若手やビッグネームが並び、入場料は低価格に抑えられ、気軽にクラシック音楽に親しめる。来場者の6割がクラシックコンサート初体験で、子ども向けのプログラムも充実しているのが特徴だ。
 このクラシック音楽の一大イベントは2005年、東京に波及。今ではゴールデンウィークの風物詩として、全国から100万人を超えるファンが集い、音楽界に旋風を巻き起こしている。
◇その「熱狂の日」が、今年初めて関西に上陸し、5月1、2日、大津市のびわ湖ホールで開かれることになった。
 先週11日にパンフレットが刷り上がったというので、早速、びわ湖ホールから送ってもらった。
 1日はプレイベントとして▽オペラと書道の共演▽絵本コンサート▽児童による合唱やオーケストラの発表▽県内で活躍する音楽家の演奏―など。
 メインの2日は、大・中・小ホールの3会場でショパンやモーツァルトのピアノ協奏曲やヴァイオリンソナタなど12のコンサート。価格は1500~2000円とお値打ち。ロビーではチェロ、ヴァイオリン、声楽の披露があり、こちらは無料。
 3歳以上なら、子どもでも入場でき、家族揃ってコンサートのはしごを楽しめる。託児サービスがあるのも嬉しい配慮。
◇「熱狂の日」を滋賀で開催できるのは、国内屈指の音響施設と舞台機能を備えた「びわ湖ホール」の存在につきる。
 びわ湖ホールはその建設に300億円以上をかけており、地上4階、地下2階建てで、1800席の大ホールなどを備えている。
 運営費の県財政圧迫など課題は多いが、滋賀の文化振興を目指したこのホールで、「熱狂の日」を開催できることは大きな成果。これを機に、クラシック音楽がより身近になればと願う。
◇音楽イベントをはじめとする文化活動を振興し、文化的素地を醸成するには、市民ホールの存在が不可欠だ。
 しかし、今の長浜市は、一昨年に市民会館が閉鎖されて以降、1000人規模の会場がない。長浜文芸会館、浅井文化ホール、リュートプラザなどは手狭で、フルオーケストラを呼ぶには心もとない。
 市役所庁舎建て替え、学校改築などに財政出動が優先され、文化面に予算を回すのは、そう簡単でないが、昭和40年に開館した市民会館は、市民から幾度も要望書が提出され、総工費2億6464万円のうち、2割を市民や企業が寄付した。それほど市民の間で、文化拠点を望む声が強かった。
 遠くない将来、市民ホールが整備され、「熱狂の日」の長浜開催を夢見るのも悪くはない。そのためには市民の声を導く文化人のリードが欠かせない。

2010年03月16日 15:46 |


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