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不幸のきわみと国民

 作家の山本一力さんが鳩山総理の親不孝を論難して、国民の目線などという資格はない、と書いていることは、さきに述べたが、国民のおさまらないのは12億円もの巨額の金を母親からもらっていながら「知らぬ、知らぬ」を押し通している厚顔無礼ぶりである。
 これがもし、一般の国民ならたちまち脱税で逮捕され、その実態は泥沼の如く何が出てくるやら知れない。政治家には個人献金があるが、死んで不在の人や実在しない人の名をかたって届けを出していることはすでに経理担当者の起訴で明らかになったが、それもこれも「知らぬ、存ぜぬ」で、時間を稼ぎ、結局はウヤムヤのうちに国民の目線を外そうとする段である。
 小沢幹事長のカネと不動産の問題もそうだが、知らぬ半兵衛をつらぬき通すことが国民の心の中に消え去ることのない不信感を植えつけた。まとも常識では到底考えられないことだから、国民は怒りを胸にしまいこんでいつまでものろい続けるであろう。
 一国の宰相や宰相以上に実力を持つ与党の幹事長が小学校の子どもにも恥ずかしいウソ八百を天下さんの力で押し切るというのだから、その罪は深い。政治の信用を落とした点では単なる親不孝のそしりではすまされまい。
 ついでながら親不孝について書く。孝は親を大切にすること、親に心配をかけぬこと、であり、その反対が不孝である。「孝は百善の本」という教えがある。孝行はすべての善行の基本であり、徳行の始まりという中国の古典に由来する。
 養老の滝がいまも人気があり、観光客が絶えないのは孝行息子の褒美に神さまが滝の水を酒にかえたという伝説による。それほど親孝行は人の心を感動させる。
 いつのころからどうなったのか、敗戦後の日本は道徳教育をなくして、孝行という徳目などを吹き飛ばしてしまった。【押谷盛利】

2010年02月26日 16:58 |


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