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みんなの党、政界第3極

 期待した民主党にはがっかりしたが、そうかといって自民党に再生の希望も期待もかけられぬ。両党に不満を持つ人々の良識が結集して政界の再編成をすべきではないか。そういう声がちまたに溢れ始めた。
 ぼくもその説に賛成である。実はその芽は昨年8月の衆議院選に現れた。麻生内閣にいや気がさして、この党に国民の期待を委ねるのはナンセンスとばかり、たった一人で自民党を出た渡辺喜美氏のことである。
 彼は「みんなの党」を組織して徒手空拳とも思われる総選挙を戦ったが、国民から拍手をもって迎えられた。
 全国の総得票数では社民党と同じくらいの支持を受け、現在、衆参合わせて6人の国会議員を抱えるようになった。昨年12月には無所属からエイズ闘争で知られる川田龍平さんが加わった。
 いま選挙をすれば国民の期待は雪崩現象となって、みんなの党に新風が吹くであろう。それはかつての新自由クラブ(河野洋平)や日本新党(細川護煕)の比ではない。
 渡辺氏は小泉内閣、安倍内閣で閣僚となったが、公務員改革と天下り禁止で正論を吐き続け、政治史に残る汗をかいた。
 しかし、彼の一途な改革の熱意は当時の与党・自民党の古い体質に拒まれ、その政策はずたずたに引き裂かれた。
 改革がいかに難しいものか。官僚と政治家の癒着による旧体制の革新は言うは易し行い難しを痛感した彼は国民の声によって所信を貫くことこそ政治家の使命であると大胆に離党した。
 公務員改革と天下り禁止は目下、民主党の手に任されているが、民主党もまた口先だけは念仏のように唱えるが、実質的には自民党と同じで、こけおどしから一歩も出ない。
 公務員のなかのすぐれたエリートは官僚だが、同じ公務員でも別格の権威と力を持つのが組合の役員である。労働組合が社会党を支配し、その社会党が自民党となれあって日本の政治をゆがめたのが俗にいう55年体制であった。
 そのころ、労働組合で政治を動かす最大の力を持っていたのが「総評」である。正式には「日本労働組合総評議会」だが、略して「総評」と呼称した。
 あまりにもその勢いと、横暴が強すぎるので政界や国民のなかから「昔陸軍、今総評」なる言葉が登場した。したい放題の陸軍、したい放題の総評をのろう言葉と考えた方がよい。
 いまは「全労」といっているが、総評なみの力を持ち、小沢民主党幹事長は選挙前は必ず各都道府県を回り、その地の全労幹部と懇親を深めた。だれよりも全労の力の強さを知っているからである。
 その全労は国家公務員を中心とする日本最大の労組組織である。したがって、天下り禁止や公務員改革は彼らの利害に関わるわけで、自民党が官僚と癒着したように民主党は組合と癒着する。だから改革など出来っこない。
 国家と国民のことを考える真の良識政治家は、人知れず、このことを憂慮しているにちがいない。
 そこに渡辺氏のいう政界第3極の夢がある。参議院選を通じ世論は必ずそういう方向へ流れてゆく。それはぼくの予感でもあり、確信的予感である。【押谷盛利】

2010年02月19日 14:59 |


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