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次世代の「借金」育成?(見聞録)

 滋賀県の2010年度当初予算案が9日、発表された。
 景気低迷で税収が落ち込むにもかかわらず、必要な事業は数々あるようで、新たに982億円の借金をした。
 借金は「県債」と表現するが、県債残高は2010年度末には9998億円にのぼる見込み。
 県の発表した資料に目を通すと、県債残高は右肩上がり。一方で、県の貯金「基金」は右肩下がり。財政悪化が一目瞭然。
 県民たるもの、ある程度、県の財政がどのような状況にあるのかを知る必要があるので、簡単に紹介したい。
◇一般会計の総額は4946億円。この予算で1年間、福祉や教育、公共工事、職員の人件費などをまかなう。
 4946億円のうち、自前で調達できているのは2196億円で、わずか44%。残りは国から支給される「地方交付税」や「国庫支出金」に頼り、それでも足りないので「県債」で2割をまかなっている。
 一般家庭の家計で表現すれば、1年間の収入のうち、4割が給料で、3割が親(国)からの仕送り、2割が借金となっている。毎年、借金を続けるものだから、借金総額はふくらみ、1兆円まであと2億円に迫った。
 景気低迷で給料が減ったにもかかわらず、医療費(扶助費)やローンの返済(公債費)は増え続け、貯金はすずめの涙。
◇どうして、ここまで財政が悪化するのか。
 一般家庭なら収入に合わせた家計のやりくりを考えるが、自治体は福祉や教育など県民にとって必要不可欠な事業を数多く抱えるので、「支出ありき」で考える傾向にある。
 そして、収入と支出のバランスを精査せず、安易に借金を重ね、その結果、1兆円もの借金を抱えることになった。
 そんな予算編成をしてきた歴代知事、県幹部、チェック機能を担う県議の責任は重いが、県財政に無関心な県民にも責任なしとは言えない。
◇県は当初予算の基本方針を「県民の生命とくらしを守り、次世代を育成する」と銘打っている。
 なるほど、民主党政権が導入した「子ども手当」や「公立高校授業料無償化」は、「次世代の育成」のキャッチフレーズにぴったりだ。
 しかし、1兆円もの借金の返済に追われるのは、これからの若者。まして国は800兆円を超える借金を抱え、日々、次世代の「借金」を育成している。
 昨年の定額給付金、今度の子ども手当など、我々の納めた税金を何の知恵も無しにバラ撒くくらいなら、「減税するか、借金返済でもすれば」と思うのが一般的な感覚ではないか。
 我々、現役世代は、これ以上、子や孫にツケを回してはならない。

2010年02月09日 14:52 |


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