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横綱たるもの(見聞録)

 長浜曳山祭の子ども歌舞伎の役者を評価した江戸後期の番付表が、彦根市内の民家から発見され、曳山博物館に寄贈された。
 当時、どれほど子ども歌舞伎が町民に愛され、どれほど町民の目が肥えていたかを証明する資料として興味深い。
 気になるのは、役者の演技のランク付け。44人を「大関」「関脇」「小結」「前頭」の4段階で評価し、うち、4人を別格として「行司」「頭取」「勧進元」「惣後見」に位置づけた。
 その中に、力士の最高位「横綱」がいないことを不思議に感じたが、どうやら、当時は横綱という位が存在しなかったようだ。
◇江戸時代、横綱は最高位の大関の中でも、さらに強豪に与えられた「名誉称号」の性格が強く、明確な地位ではなかった。
 番付に登場したのは1890年(明治23)からで、1909年(明治42年)に規約が改正されて、横綱の称号が地位として定められた。
 ちなみに、横綱は一度その地位に付けば、降格することはない。ゆえに、常に最高レベルの成績が求められ、実力が落ちれば、おのずと引退することになるそうだ。
◇いま、横綱・朝青龍が一般男性を殴ってケガを負わせたことが角界を揺るがす大問題となっている。男性との間では「示談」が成立した模様だが、今回の事件を相撲協会がどう裁くのかが、注目される。
 朝青龍の横綱らしからぬ態度はこれまでにも何度も問題化してきたが、相撲協会は彼の強さと人気に遠慮して放任してきたきらいがある。
 背景には、低迷する大相撲にあって、その奔放な振る舞いで一定の人気を集めてきた朝青龍への「甘え」があると推測できるし、朝青龍もそいう角界の実情を知っていて、野放図に振る舞っているとも分析できよう。
◇先日の日本相撲協会の理事選で、元横綱の貴乃花親方が、一門の談合による慣例を打ち破って当選したことは、閉塞感のある、内向きの相撲界に新しい風を吹き込む改革の一歩といえる。
 新しい理事会が、どのように朝青龍問題を片付け、国技としての誇りと品格を挽回するのか。相撲ファンでなくとも気になるところ。

2010年02月04日 14:49 |


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