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鳩山、小沢の一蓮托生

 「信なくば立たず」という。これを鳩山さんと小沢さんに献上する。政治は国民の信頼感に支えられて円滑に機能する。
 世論の圧倒的支持で祝福された鳩山内閣が、発足4カ月で崩壊寸前の危機を招いているのは、総理の鳩山さんと与党・民主党の幹事長である小沢さんの信頼感が地に堕ちたからである。
 極端にいうと、国民は、この2人に任しては税金なんて払っていられるか、という不信感である。
 鳩山さんは架空の人物や死んだ人の名前で個人献金を受けたとウソの申告をしたり、お母さんから12億円もの大金をもらいながら、秘書のせいにして、「知らなかった」と押し通している。そんな話は宇宙はともかく、地球では通らない。秘書は起訴されたが、普通なら、鳩山さん御自身の手に縄がかかる。
 小沢さんの政治献金をめぐる黒い噂は、かつての先生である田中角栄元首相や金丸信副総裁級の大型である。
 不動産購入の複雑にして、非常識な背景や政治資金規正法の違反のほか、ダム建設をめぐる企業からの裏献金。贈収賄容疑も晴れていない。晴れていないどころか、現、元秘書(うち国会議員1人)ら3人が逮捕されている。
 全面対決とうそぶいていた小沢さんが、急に態度を変えて、検察庁の聴取に応じたのは、逮捕をまぬがれるための戦術転換だった。口先だけは強気だが、深く追及されると「知らない」「関知しない」「秘書に一任している」と、これまた鳩山さんと一緒である。
 世間では、国の最高権力者2人がともに傷をなめあっている、と見ている。
 傷をなめあっているのはお2人の勝手だが、そのため、国政上の大事な景気浮上や天下り用の政府関係の法人整理、基地を含む外交問題などが足踏みしては、国家、国民の不幸である。
 世間では鳩山―小沢の関係を一蓮托生といっている。
 一蓮托生は仏語で、死後、極楽の同じ蓮の花の上に生まれることをいい、一般には、行動や運命をともにすることのたとえに用いる。分かりやすくいえば、運命共同体である。2人がともに極楽へ行くか、地獄へゆくかは、三途の川でエンマさんの判定を待たねばならぬが、この娑婆は民主主義の自由国家であるから、先ずは法の裁きとともに、国会自身の信が問われる。
 その点で、国民に納得出来ぬのは、民主党の沈黙状況である。口から生まれたほどの論客ぞろいのこの党に期待したものは何か。それは清新性と大衆性であり、真実一路の政治であった。
 残念ながら開かれた大衆性は忘れられて一人の独裁的傾向を強くし、国民の不信を解く自浄能力を欠く状態である。どんなにいいことを言っても、その実践行動がこれに反すれば国民は信頼しない。
 鳩山内閣は死に体内閣だが、与党がほおかむりでごまかせると思っているなら寒の滝にでも打たれて身心潔斎して出直すがよい。【押谷盛利】

2010年01月25日 14:51 |


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