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婚活の社会背景と老い

 豚カツ、串カツは食べ物の名だが、カツはカツでも、このごろは、就カツ、婚カツが新聞活字に登場する。
 食べ物のカツはカツレツの略で、薄切りの肉の西洋文化。こちら就活、婚活は活の文字が示すようにカタカナには無縁な漢字文化である。
 就職活動が社会問題となるのは就職戦線が厳しいからで、昭和の初期のように「大学は出たけれども」と嘆く就職難を背景にしており、景気浮上とか雇用創出などが問われている。
 婚活は平成の現在を象徴している社会現象といっていい。恋愛か、見合いか、という日本人の結婚パターンが、さま変わりした結果で、晩婚化と独身指向の世相が反映している。
 見合い結婚は双方をとりもつ仲人が大きな役割を果たしたが、今は無用論が幅をきかし、挙式における名目上の仲人すら否定する若ものが増えた。
 仲人が影をひそめたから恋愛至上主義ということになるが、ここにもまた問題があって、友達としての遊び感覚はあっても結婚に踏み切ることをしない青春謳歌派が多くなり、そのことが晩婚型を生む社会背景となった。
 一つは女性の男性に対する理想の高さが結婚のハードルを高くしている側面もある。高学歴、高収入、マイホームの条件をクリアーするには年配の男性しかないから面倒である。
 いま一つは男性の草食性化と恋愛オンチによるわけだが、このような結婚砂漠に雨や緑の風を送るべく現れたのが婚活ビジネスや婚活ボランティアである。
 婚活は旧来の常識を破って、若ものの領域ばかりでなく、老齢者層の中にも広がりつつある。それは嫁しては二夫にまみえずの古い封建的モラルが消えたことにもよるが、家族制度の崩壊で老人と若ものの同居する世帯が少なくなったことにもよる。それと同時に女性は熟年にさしかかると独身で老後を迎えるよりもよきパートナーを選んで安心と安定の生活を願うようになる。男性は高齢化へ進むほど孤独に堪えられず、妻亡き後の再婚を考える。
 時代の変遷とともに寡婦ややもめに対する社会の目も変わり、老人福祉の側面からも老後の結婚がすすめられるようになった。
 ここにおいて、婚活そのものが年齢や舞台を超えて社会のニーズに脚光を浴びるようになった。
 婚活はともかく、少子高齢化が進む日本においては、老人福祉の一環としても、孤独を避けて老人たちがパートナーと共に幸せで健康な老後を送れるよう社会も周りのものも温かく協力することが望ましい。【押谷盛利】

2010年01月22日 15:14 |


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