小沢疑惑と鳩山民主党
小沢一郎民主党幹事長が検察と対決するというのは本人の自由だが、一国の総理が、これを支援するというのは行政秩序のぶっ壊しである。
なぜなれば、検察庁は法務大臣の指揮下にある法務関係の役所である。その法務省所管の役所が一切の不法行為に目を光らせ、この国の正義と秩序、国民の幸せを願ってそれぞれの任務を全うしているのだが、そのやり方を批判し、全面対決だ、とうそぶいている小沢氏を「戦って下さい」と激励する鳩山総理は、まるで検察当局の努力に水をぶっかけるようなしぐさである。戦闘中、味方の後から砲弾が飛んでくるのと同然である。
今回の場合、もし総理が小沢一郎氏の勝利を確信し、それを背後から応援するような言動をとれば、行政秩序の上から総理の部下である検察陣はやる気をなくするかもしれない。士気を失って、国民のための正義の追及を諦めることがあるかもしれない。
検査は法を守る立場で非法、不法を検挙し、起訴という裁判手続きを行使する極めて重要な職掌を持ち、それゆえに政治信条や思想、宗教を超えて厳しく違法行為を追及してゆくわけだ。
その追及の過程において、追及される側に加担するような総理の発言は行政が立法(政党)に屈服する印象すら与えかねない。三権分立の憲法の精神を踏み砕く暴走といっていい。
それにしても、小沢追及のこの問題に関する民主党内の動きは寒々しい限りである。「もの言えば口びる寒し民主党」とささやかれているのがそれである。
政治が民主的であるか、独裁的であるかは発言の自由が存在するか、どうかがきめてである。中国や北朝鮮に発言の自由がないのは知られているが、こういう国は権力者の意志命令で政治が動き、人民の心は政治に反映されることはない。
民主主義の国、日本の、わけてもその名に「民主」と冠する民主党が日本全土をゆるがしている与党の小沢幹事長の黒い影をめぐって、気味悪いほど沈黙を守っていることである。
しかも、党本部からは「マスコミに対して下手なことをしゃべるな」と口止めがかかっているではないか。
重要な、まさに党の命運に関わるような今回の小沢疑惑は、すでに、小沢氏の現、元秘書、国会議員の逮捕に至るまで発展しているのである。それなのに、何一つ党内議論がなされず、所属全国会議員が「もの言えば口びる寒し」の状況下にあることは、理屈はともかく、この党は幹事長支配の一党独裁政治下にあるといえよう。【押谷盛利】
2010年01月18日 15:38 | パーマリンク
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