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小沢幹事長と竜虎の話

 このところ、日本の政界を動かしているのは、民主党の小沢一郎幹事長であるが、世論は必ずしもその動きを歓迎していない。鳩山内閣の支持率が50%を割り始めたのは国民の関心が小沢批判を胸に温めているからであろう。
 問題の小沢幹事長は12日に記者会見して国民の前に頭を下げた。自身の政治資金団体である「陸山会」の土地購入に関する疑惑や西松建設をめぐる献金疑惑などについて「国民に誤解を与え、ご迷惑、ご心配をかけた」として陳謝した。
 しかし、その一方で、「計算ミスはあったかもしれないが、意図的に法に反するような行為はしていないと信じる」と述べた。
 この問題、連日のように新聞に報道されているが、頭の中に残っているのは4億円という数字である。偶然であろうが、昨年12月、鳩山首相の元秘書が偽装献金事件で起訴されたが、その立件額も4億円だった。小沢氏やその元秘書が強制捜査されるか、在宅起訴となるか、今後の捜査が注目される。
 鳩山さんは総理大臣として国家と国民の運命を担っている。小沢さんは与党の事実上の支配者として、国会の舞台を取り仕切っている。行政府と立法府が互いに牽制し、かつ、協力し、国家の舵取りを間違いなくやってほしいものだが、このところ、両指導者をめぐって暗雲が立ちこめ始めた。
 雲は天に生じ、天に浮くが、古来、瑞雲、暗雲、怪雲が人々の心に明暗を放つ。雲から瑞気を、あるいは怪気、不安を感じるのは、人間がそれと悟る予兆による。
 鳩山―小沢のコンビによる今の日本の政治から国民は瑞雲を感じるか、暗雲の予兆と見るか。少なくとも怪雲が漂い始めたことは間違いない。
 昔から世に傑出した大物2人を「竜虎」にたとえる。鳩山、小沢、いずれが竜か虎かは、すでにイメージが国民に定着してきた。小沢の虎は常に牙をむくし、向かうところ敵なしの勢いである。鳩山は虎と対等の力を持つ竜ではなく、やさしい鳩である。
 対等の力関係ではなく、小沢の力と意志を鳩山の包装で飾っているにすぎない。
 男女の情交を雲雨の情というが、相打つという竜虎の関係でなく、相抱くという雲雨の情とみれば分かりやすい。
 人間、寿命が尽きるとき、西の空から「みほとけ」の雲に迎えられて極楽へ往生することを願うが、そのお迎えの美しい雲を紫雲という。
 美しい紫の雲に迎えられるか、怪雲、雷を誘い、一天かき曇り、豪雨に洗われるか。当分政局から目を離せない。国民は主体的に判断し、発言せねばならぬ。【押谷盛利】

2010年01月13日 14:27 |


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