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貧には知恵の鏡も曇る

 「貧すれば鈍する」とは昔から伝わる教訓であるが、麻生太郎総理や古賀誠選対委員長らのえらいさんにピッタリの言葉でもある。
 このことわざは「貧には知恵の鏡も曇る」と同様で、人ごとならず、かみしめたいものである。
 人間、貧しくなれば、いらいらして考えに慎重さを欠き、スカタンをしかねないという戒めだが、腹が減っては知恵の鏡が曇ると考えてもよい。
 麻生さんは日本の総理であるから知恵のないはずがないし、鈍なことをしでかすほどのおろか者ではない。
 それなのに、今のように人気が下降すると、政治家としては貧の方向にあると考えられる。心ならずも貧の方向にあるというのはいわゆる支持率の低下である。総理として、党の総裁として常にそのことが気がかりで、貧から富へと転回の機をうかがっているといえよう。
 しかし、教訓は恐ろしいもので、刻下の支持率下降は貧そのものであり、無意識のうちに鈍が話題になる。
◇最近の話だが、近く告示される東京都議選の勝利を期して自民党候補の激励に回ったはよいが、その応援演説の中で「惜敗を期して」とやってしまった。あわてた側近代議士が耳打ちしたので、間違いと気付き訂正したが、「必勝を期してがんばってもらいたい」というべきところを「惜敗を期して」では、やはり貧の影響による鈍だったのかと笑いを超えて淋しさがつのる。
◇同じことは古賀選対委員長にもいえよう。古賀氏はかつては幹事長を経験しており、自民党の重鎮として今度の総選挙の陣頭指揮をする。
 彼の念頭にあるのは劣勢といわれる自民党の人気の挽回と、次の選挙の勝利である。しかし、現状は支持率のダウンなどマスコミ情報は厳しい。これをわかり易く貧富にたとえれば、貧の部に属する。小泉時代の自民党は富を誇っていたが、今は下り坂の貧にあるといえよう。
 それが頭にあるから古賀さんの知恵の鏡も曇り始めた。
 23日、宮崎県庁に出向き、東国原英夫知事に次の総選挙に自民党から出馬することを正式に要請した。
 待っていたとばかり、知事は「自民党は自浄能力を発揮して変わってゆかねばならぬ」として、受諾条件に①自分を次期総裁候補とする②全国知事会でまとめた地方分権に関する方針を政権公約のマニフェストに盛り込むことをあげた。
 冗談か、おちょくりのように世間は受け取ったが、知事本人は本気だと語っている。
 自民党内は失笑と嘆きで、そこまで落ちぶれたか、と古賀氏の独走を批判する声が続出した。負けてはならぬという思いの古賀氏の知恵が貧すれば鈍するを地でゆくが如く、世間のもの笑いの種となった。
 自民党の人気上昇を考えてのことだが、行為の鈍が結果的に麻生さんの人気にマイナス作用となった。「哀れというもおろかなり」。【押谷盛利】

2009年06月26日 15:26 |


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