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ペルシャの大国は今(見聞録)

 ペルシャの大国イランが、イスラム革命以来の危機を迎えている。
 反欧米強硬路線を取る保守派のアハマディネジャド大統領の政策に対し、首都テヘランなど都市部の若者を中心にデモが発生し、一部が暴徒と化している。
 政府は武力で鎮圧し、これまでに数百人が死傷している模様だが、マスコミ関係者を国外退去させたり、拘束して取材を徹底的に妨害しているため、デモの詳細は不明だ。インターネット上にデモの写真や動画が公開されるなどして、断片的に情報が国外に漏れ伝わっている。
 デモの引き金は、大統領選挙で敗れた改革派のムサビ元首相が、選挙に不正があったと指摘したこと。
 日ごろから鬱憤を蓄積していた都市の若者の不満が爆発したわけだ。
◇2年前にイランを訪れた際、首都テヘランなどで若者何人かと話したが、大統領批判が多かった。
 核開発による経済制裁で大学を卒業しても就職先が無いとか、アメリカを「大悪魔」、イスラエルを「地図から抹殺する」といった大統領の反欧米路線で観光客が減っているとか、若い女性なら、頭をすっぽり覆うフードを強要されて、外国人のようにオシャレできないとか、様々。
 戒律に厳しいと言われるイスラム教シーア派の牙城イランにあっても、若者はインターネットを通して外国の自由な文化を知り、憧れている。
 しかし、宗教警察が欧米文化を「反イスラム的」として取り締まり、都市部の若者は「仕事もディスコもお酒もない」と不満を溜めている。
 小生に外国の文化を尋ねては、羨ましそうにしていたのが、今でも印象に残っている。
◇いつの時代、どの国でも、現状を維持しようとする「保守」と、改革を求める「革新」の両勢力がせめぎ合い、その中で時代にあった国のあり方や制度に改善されてゆく。
 イランの場合は、1979年の革命で従来の親米政権が倒れ、厳格なイスラム教に基づく政治が構築された経緯がある。
 今回のデモは、その厳格さへの反発で、保守派がいかに武力で統制しても、改革は徐々に進んでゆくだろう。ただ、中東という土地柄、テロの応酬を生みはしまいか。その点が心配だ。

2009年06月23日 15:03 |


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