鳩とカラスのことわざ
「鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり」という。
人間には礼と孝がなくてはならぬと説いた先人の分かり易いたとえ話だが、味があって面白い。
ぼくは、この言葉から民主党の小沢一郎前党首と、今の鳩山由紀夫党首の関係を思った。
鳩に三枝の礼は、鳩の子は木の枝に止まるとき、親を敬って三本下の枝に止まることを指す。小沢さんが、秘書の逮捕をきっかけに、マスコミや世論から批判を受け、辞任論が飛び交うなか、当時幹事長だった鳩山さんはのらりくらりと批判をかわしながら、いずれ時が解決するかの如く、ソフトに小沢さんを守ってきた。
「説明責任はある」と分かったような分からない言い回しで、結局は説明責任を回避したまま小沢さんは辞任した。鳩山さんは小沢さんの辞任を主張したわけではなかったが、早晩その日の来るのを予測していたのかもしれぬ。党の最大の功労者を政治権力のワナの犠牲にしては相すまぬ、という親への礼が鳩山さんの煮え切らぬ態度であった。
◇小沢さんは子である鳩山さんの礼に応えるべく、さきの党首選で鳩山さんを全力で支援した。
今度は親である小沢さんが年をとって、政治的力がなくなるのか、それとも若返って、再び民主党を背負うのか、それは分からない。
ただ、法律的に起訴をまぬがれたからといって国民の疑心が消えるという甘いものではない。特定の準大手ゼネコンがらみで、巨額の政治資金を受け、東北地方における大型建設事業は小沢事務所詣りをしなくては仕事にならぬといわれ、談合の司令塔が小沢事務所ではなかったのか、との疑惑報道は国民の心に深く浸み込んでいる。
そういう現実を直視すれば、小沢の再登場は影が薄い。
そうなると「烏に反哺の孝あり」が見られるかもしれぬ。大切な親で、かつては子を育ててくれたが、その親も老化し、力が弱まると自分で餌を取れなくなる。烏の子は親の恩を知っているから、今度は口移しに餌を親の口に食べさせてやる。反哺は口移しに餌をやることをいう。
◇鳩山民主党代表が一本立ちして、国民の与望に応え得るか、どうか。これは国民の関心事の一つだが、差し当たり、次の党首討論がその答えのヒントになるかもしれない。
そこで、ぼくはこれも昔からのことわざであるが、名言を一つ紹介しておく。
「万卒は得易く、一将は得難し」と、凡庸な人物はいくらでもごろごろしているが、傑出した人物にめぐりあうのは極めて珍しい。これは自民党にも言えることだが、だからといって政情不安に鈍感であってはならない。
2009年06月15日 15:15 | パーマリンク
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