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与野党にちくりと一針

 政治不信のだらだら続く世情の混沌に国民のいらいらは募るばかりだが、遅かれ早かれ解散・総選挙は目前に迫った。一番長く見ても9月には待ったなし。現職議員の任期が切れるからだ。
 そこまでゆかずに途中のチャンスを見て解散するのが麻生首相の胸のうちだが、ひょっとして内閣の評価ががた落ちしたら与党の内部から政権交替の声が上がり、総裁選の繰り上げが行われる可能性だって無しとしない。
◇いずれにしても次の政権を何党に委ねるかは国民の胸三寸にある。
 しかし、白黒はっきりさせるほどの与野党の影はない。
 いうなれば自民党もいまいちだが、かといって野党の民主党も信をおけない、というのが国民の率直な声であろう。
 今年の初めごろは民主党の圧倒的人気でいつ解散・総選挙があっても勝負にならないと思われていたのに、5月この方、形勢ががらりと変化した。
 小沢一郎民主党代表の秘書の逮捕がきっかけで、小沢氏の政治資金と西松建設の不透明献金疑惑が国民の良心を直撃した。
 民主党よ、お前もか、どっちもどっちだと、これまでの民主党に対する清潔イメージに霧がかかった。
◇次期総理最有力候補の小沢氏が一転して説明責任を問われる身になった。本人は、そして逮捕された秘書も「やましいことはない」「法に従って届け出ている」と語るが、西松側の実体のないダミー団体からの献金であることはこれまでの報道で明るみになった。
 法律の裏をくぐればまっとうである、というのは世間の常識では通らないが、これまでの自民党流はすべてこれで押し通した。
 それが田中金脈事件であり、金丸信の脱税事件であり、竹下時代のリクルート事件だった。
◇そうした不快な事件を知っているがゆえに国民は今回の小沢秘書逮捕を重視した。
 小沢氏が党首に踏み止まれば、民主党は選挙で不利になること必定。結局、後ろ髪引かれる思いで、小沢氏は辞任した。
 しかし、代表代行の重要ポストで選挙を仕切ることになった。自民党からの攻撃やマスコミの批判の声がしずむのをいいことに事実上の権力の座にいるわけだが、一度、落とした国民の信頼はそう簡単に回復するものではない。甘く見ているフシがあるが、それは麻生総理の脇の甘さによるものといえよう。
 西松がらみでは二階という大臣を抱えているから、あまり民主党を攻撃できないとする魚心水心の微妙さだが「バカこけ」と怒る国民の正直さこそ本当は政界再編成を願っているといえよう。
 今の政治、与野党とも国民の立場に立っていない。

2009年06月10日 15:28 |


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