滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



オスのメス化を心配

 ぼくの知人に結婚請負業のような仕事をして成果をあげている熟年女性がいる。
 いわゆる「仲人業」で、結婚を望む男女を引き合わせて、手とり足とり、首尾よくゴールインさせるのが腕前。年齢や経歴、職業、国籍などさまざまだが、とにかく男女双方を引き合わせ、ゴールへ結びつける大役だから、出雲の神さまの神徳と世話好きの両面を備えなければならない。
 もちろん、それが本業だから市や町がやっている相談所のようなボランティアではない。出来上がれば成立祝金でまとまった謝礼が入るだろうし、まとまらなくとも何人かの候補を紹介し、見合いコースや旅行コースも設営するからロハというわけにはゆかぬ。
◇お金もうけで、結婚をサポートする以上、親身になって全力投球するから、確立は何%か、何10%かは知らないが、評判はすこぶる上々で、弁護士や神官なみに「先生」と敬称され、依頼する親も子も必死に、すがる思いでその紹介のご利益に期待する。
◇結婚願望者は仲人業のAさんの門をくぐれば、入会金を払って会員となり、何万件かの登録メンバーの中からその男性(女性)にふさわしい候補を紹介される。もちろん、ペーパーテストもあれば「そっと見体験」や「お見合いコーナー」もあり、場合によっては海を超えて国際結婚のパートナー選びも行われる。
 すべては親や本人の希望次第で、国際交流の場合は、仲人役の女性の交通費や滞在費、現地での通訳者の負担も当然である。
◇いよいよ成立となればこれほど目出度いことはないから晴れの結婚式や披露パーティーなどでは「先生」は特等席で男女双方側の最大の敬意と感謝で遇せられる。
 お金もうけになって、人助けになって、親類みんなから喜んでもらえて、ありがたいことですと女史先生は生き甲斐を感じるが、裏へ回ると、悪戦苦闘、双方を取りもつ苦労や精神的な悩みもついて回り夜も不安で眠れないときもあるという。
◇彼女の成功の秘訣は知り得る限りの情報は隠すことなく伝え、ウソや誇張を避けて、真実、誠実一筋だという。
 ただ、一つの傾向としていえるのは、「男よ強く、元気に振るまってくれ」と声援したいケースが多いという。おとなしくて、積極性がなく、いちいち仲人先生がハートのつかみ方を指導せねばならぬケースが多いようだ。
 それが今のはやり言葉が象徴するように「草食系男子」の共通性向らしい。
 ひと昔前の男性は大胆に自分の気持ちを告白し、デートに誘う勇気を持ち合わせていたが、今は情けないというのか、だらしがないといおうか、買い物をしている女性やエスカレータの女性の背後からスカートの中を隠し撮りするていたらくである。
 オスのメス化は種の危機につながるが、どうやらそういう方向になりつつあるのではないか。気がかりなことである。【押谷盛利】

2009年04月08日 16:10 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会