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サグラダ・ファミリア(見聞録)

 スペイン第2の都市バルセロナ。1992年にオリンピックが開かれたことで馴染みがあり、建築家アントニオ・ガウディ(1852~1926)の建造物群が点在することでも知られる。
 地下鉄のサグラダ・ファミリア駅から階段を登って地上に出ると、目前に4本の鐘楼を天にそびえさせたサグラダ・ファミリア(聖家族教会)が迫り、圧倒される。
 ガウディが人生の大半を捧げて建築に没頭したこの教会。テレビや雑誌で知る読者は多いだろう。
◇スペイン観光の目玉と言えるサグラダ・ファミリアは、1882年に建設が始まったが、まだ、半分も完成していない。
 というのも、ガウディは詳細な設計図を残しておらず、わずかな資料もスペイン内戦で失われたからだ。このため、ガウディの残した構想図や模型などを頼りに、ガウディの建築手法を想像しながら設計、建設している。
 サグラダ・ファミリアの外観にひと際目立つ複雑・精緻な彫刻群がある。「生誕の門」と呼ばれるそのファサードを手掛けたのは福岡県出身の彫刻家・外尾悦郎氏だ。外尾氏のように、ガウディに魅せられた世界中の建築家がサグラダ・ファミリアの現場を支えている。
◇ガウディは、その建築物で自然との調和や融合を表現した。植物や海洋生物を思わせる曲線デザインを壁、天井、窓、扉、階段などに用い、鮮やかな色彩のタイル張りで、華やかな外観を披露している。
 例えば、バルセロナの大通りにある実業家バトリョの邸宅。外観は曲がりくねり、ベランダはどくろを思わせるデザインで、市民からは「骨の家」と呼ばれている。建物内部も曲線だらけで、生物の体内にでも居るような感覚に陥る。
 それら奇抜なデザインが無機質な建築物に生命を吹き込み、観光客や建築家を魅了しているのだろう。
◇11年ぶりのサグラダ・ファミリアとの対面だったが、建物内部の工事が多少進んだ程度で、外観はほとんど変わっていなかった。
 完成すれば18本の塔がそびえる予定だが、目下、メドは立っていない。ガウディの構想が余りにも複雑なうえ、資金難にも見舞われているからだ。
 少なくとも100年先、一部では2250年前後の完成という試算もあり、その姿を拝めないのは残念でならない。

2009年04月07日 15:56 |


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