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鈍感もいいとこである

 ガソリンを消費すると空気が汚れる。二酸化炭素が地球を汚し、温暖化を促進する。だから省エネは国策以上に国際的急務である。そう言って、地球環境の重要性を指導している政府が、高速道路を料金1000円で乗りっ放しと決めたから四国、九州は観光客でほくほくだとか、報じられている。
 景気対策の一環であり、利用者はETC搭載車に限定されておりETC業者には天与の神風といえるかもしれない。
 2年間の限定というから今のうちに乗れるだけ乗っておこうと遠方への観光客がわんさと増えるかもしれない。
 それがねらいだろうから、ハイウェイの道路公団直営の売店、スタンドは言うに及ばず、各地のホテル、土産品店、自動車用品、飲食業界は売り上げ上昇の恩恵に浴すだろう。
 ただし、フェリー業界は客足が激減して破綻に追いやられるかもしれない。
◇1997年12月、世界最初の地球温暖化対策会議が京都で開かれ、いわゆる京都議定書が議決された。
 各国が協定して、それぞれに二酸化炭素を減らす目標値を決めた。その国際協定をアメリカはボイコットした。なぜか。エネルギー節減は、この国の産業振興と矛盾するからだ。
 排気ガスを出さないためには直接的には自動車に乗らない政策を進めるしかない。しかし、世界の自動車王国アメリカは飛行機と自動車が国内の絶対的な交通手段であり、それを支えているのが自動車産業でもある。そうした点からアメリカは業界の鼻息を眺めつつ、京都議定書に参加しなかった。
◇自動車をひかえるか、排気ガス規制よりも業界保護と景気対策が大事か、となると答えは見えてくる。
 地球の温暖化で地球が壊れ、人類の共存が困難になる事態になれば、お金を山程持っていようと、景気がどうのとほざいていても始まらぬ。住む場所、地球自体が、廃墟となれば将来的には人類の滅亡につながってゆく。
 それほどの重大認識に立つから京都議定書に世界が同意した。
◇それを思うと、エンジンをじゃんじゃんふかして、遠方へ乗り回せという高速道路の割引策は自分の首を自分で締めているようなもので、かつて、ビニールやプラスチック類を焼却して、発ガン物質の環境ホルモンをばらまいた恐怖の記憶がよみがえる。
 そういう国家百年のことを考えない政治や、そのことを告発しない国民やマスコミは鈍感もいいとこである。【押谷盛利】

2009年04月01日 15:19 |


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