時評への投書と合併
20日付の消印で滋賀夕刊へ投書が寄せられた。「長浜を愛する市民」と書いているが、差出人は名前を隠しているから、だれが寄越したのか、無責任な投書である。たとえ匿名でもそれが読者のプラスになることなら他人の名誉を傷つけない限り掲載するにやぶさかではない。
今回の投書子は「時評を拝読して」と、タイトルをつけ、1月15日、17日付の時評が気にくわないとみえ、時評の根拠を明らかにせよ、と言わば筆者のぼくに合併の賛否についての議論を吹っかけてきた。
いつもいうように、ぼくは信念を持って時評を書き、その責任を明らかにするため押谷盛利と本名を記している。自分の顔と名を伏して、公器である新聞に議論を吹っかけても日常の些事ならともかく、合併などという地方行政の将来にわたる重要な課題に答えるのははばかれる。いわば怪文書のたぐいだから一笑に付してもいいわけだが、この投書子は根っからの合併反対論者らしいからその誤りを指摘するためあえて筆を執ることにした。
◇ぼくが過日の時評で「合併した方がよいから進めなさいと国の方針もあることだし」と書いたのが気に食わないのか、「無責任極まりないし、地域に根ざした新聞発行人の言葉かと疑う」「真剣に合併問題を考えている人をバカにしている」と興奮している。
ぼくは時評で政治や行政、その他を論評することはあるが、真剣勝負の気持ちで、いつの場合も相手をバカにする気持ちはさらさらない。
平成の大合併は国の方針であり、法律によって進められていることは衆知の通りで、そのこと自体、「合併した方がよいから進めなさい」という国の方針なのである。
投書子は国の方針そのものが気に食わぬようだが、ぼくは、国の法律がなくとも合併すべきものは合併すべきであると考えている。地方自治体は本来、地方の住民が推進することであり、そのためには識見のある人に、立場にこだわらず、世論をリードする誠実さと奉仕の心が求められ、そういう人がリーダーにならなければならぬ。
◇ぼくは「財政的な支援もある」「合併すれば税金は安くなる」と書いたが、これに対して、投書子は「何を根拠に書いたのか」と問うが、どれだけの財政的援助があるのかは、これまでの長浜市議会でも答弁されているし、投書子がお望みなら市役所へ出向いて聞けば、納得のいく数字を知ることができる。
合併すれば、分かり易くいえば、安上がりの行政が生まれることだ。もっと端的にいえば地方の行政改革なのだ。いま、国の方でも公務員改革だの、行政改革だのと議論しているのも同じで、要は小さい政府が目標である。
一つの市と六つの町が合併すれば七つの自治体が一つになるのだからこれの行政経費が人件費を含め大幅に減るのは当たり前である。経費が減り、住民税その他の収入はこれまで通り1市6町分が入る。国からの地方交付税は削減されるが、それを上回る経費節減効果が期待できよう。
現状と同じ条件のまま合併すれば、歳出が大幅に減る分を福祉や教育、医療等に回せば住民サービスはうんと向上するし、もし、それをせず現状のままでゆくなら経費の減った分を減税に回せるから、税金は安くなるにきまっている。
◇投書子は「湖北は一つというが、気候も風土も習慣も違いがある」「雪を例にしても長浜で降っていなくて、北の方の町で降ることがある。同じ価値観を持てるのか」と変なことをいう。湖北は一つは、いまさら説明するまでもない。地球儀を見たら、湖北どころか、滋賀県ですら一つの点にしか見えない。それも何十倍かの拡大鏡によってである。
この投書子の頭の中は昔々の村社会のイメージが残っているのかもしれない。
気候、風土、習慣などというが、滋賀県という高所から見れば一つである。村の枠、町の枠を超えるところに新しい時代にふさわしい地方行政体ができるので、長浜に雪がないのに、北に雪があるからと鬼の首でもつかんだような理屈を述べている。噴飯ものである。
この人はどう思っているのか知らないが、日本に雪が降らなかったらどうなるか、考えたこともないのだろう。琵琶湖の水も雪のお陰、水道の水も雪のお陰、農業における病害虫も雪のあるなしと無縁でないことをご存じなのだろうか。
◇投書子は6町の議会も長浜市議会も、もっともっと議論する必要があると言うが、議論はだんだん追い寄って、ようやく軌道に乗りだしたが、議論を口実に反対論者が合併潰しをやるようでは話にならぬ。【押谷盛利】
2009年01月22日 15:50 | パーマリンク
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