ガザ住民は今…(見聞録)
昨年末に始まったイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスによる戦闘で、死者は900人を超えている。
イスラエル国内の最新世論調査では、国民の91%が戦闘に賛成し、テロやロケット攻撃に悩まされてきた国民の大多数がハマス殲滅作戦を歓迎している。
一方、ハマスは圧倒的な軍事的不利の条件ながらイスラエルと果敢に戦う姿勢が、イスラム教徒の支持を集めている。
双方が、支持率を高めているため、早期停戦の可能性は低いとされ、190万人が住むガザの安寧は遠い。
◇開戦から2週間以上が経過したが、ガザがどういう状況なのか、報道機関の現地入りが許されず、断片的な情報しかニュースに流れていない。
そんな中、現地で援助活動を行っているNGO「ケア・インターナショナル」のスタッフの日記が、インターネット上で公開され、ガザの生々しさを伝えている。日本語にも翻訳されて、同NGO日本支部のホームページでも公開している。
スタッフの一人、ジャワード・ハーブさんは、エジプト国境そばのラファという町に妻と6人の子どもと住むパレスチナ人。
イスラエル軍はガザとエジプトを結ぶ密輸トンネルを破壊するため、ラファで空爆を繰り返しており、その様子を「爆弾は、聞くものではなく、感じるものだ。それは地震のようである。家は左右に揺れる。家の下の地下で起こる波のようだ」と表現している。
空爆と国境封鎖で国内の食料や燃料の流通は麻痺し、「パンがない。果物も、野菜も、ミルクもない。最後に肉を食べたのは9日前。市場で買ったものだ。今、市場は閉まっている。トンネルから入ってくる食料ももうない。子どもたちのためのお米とマカロニがあるくらいだ。もう蓄えは底をついた。以前、子どもたちが食べていたビスケットももうない。かろうじて生き延びている状況だ」と、その困窮を訴えている。
◇人道上の配慮のため「3時間の停戦」があった1月7日には、「爆撃がおさまるとすぐに、近所の店が開店した。隣人たちは急いで外に出て、食料を買いに行った。みんな走っていた。なぜなら停戦が3時間も続くとは誰も信じていなかったからだ。いつでも空爆があるのではないかと、皆、恐れていた。人々は、米、マカロニ、チーズ、塩と砂糖、卵などの食料を買った。店に残っているものはこれぐらいしかない。食料の価格は今、とても高くなっている。今日は4時間、電気を使うことができ、水を確保することができた。ポンプで水を吸い上げ、洗濯をし、子どもたちを入浴させた。服を洗うのにこんなに興奮したことは初めてだ!数時間の間、生活はほぼ通常に戻った」と記している。
「3時間の停戦」は守られることなく戦闘が再開されたが、ガザの人々が一瞬の静寂の中で、わずかな日常生活を取り戻したことがうかがえる。
◇戦争の一番の被害者は子ども。イスラエルに空爆される理由さえ知らず、爆発音と振動に怯える毎日。ハーブさんの12歳の息子は「パパ、僕たちはまた平和に暮らせる日が来るの?木に登って、サルみたいにぶらんぶらんしたい。鳥のように飛んでみたい。なんで、僕らは、毎日テレビで見ているような、ほかの子ども達のように遊ぶことができないの?」と、娘は「パパ、もし爆弾が落ちてきたら、どこに行ったらいいの?どうしたらいいの?家はみんな狙われてるから、逃げることもできないわ」と父親に語りかけている。
今回の戦争で、それぞれ支持率を高めているイスラエル政府とハマスだが、その政治的成功は、ガザ住民の不幸の上に成り立っている。
2009年01月13日 15:34 | パーマリンク
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shigayukan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2734

- 07月 19日 W杯歓喜と放射線汚染禍(見聞録)
- 07月 16日 つぶやく菅、孫、堀(見聞録)
- 07月 15日 組織は40年でダメになる
- 07月 14日 不健康な食生活に課税(見聞録)
- 07月 13日 高校再編とあるべき姿
