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今年の日本経済の展望

 5日、7日両日にわたったぼくの時評のテーマは「世界大恐慌」に関するものだった。
 なかには正月早々、縁起でもない、と顔をしかめる人があったかもしれない。
 だれもが恐慌を心配し、戦争回避を願うものだが、世の中の生(なま)の動きを正視し、転ばぬ先の杖というか、備えあれば憂いなしのためには嫌な情報にも目をそむけるわけにはゆかぬ。
 世間には、恐慌って、どんな風が吹くのか、と他人事のようにいう人もあるが、まごうことなくすでに始まっている。ただし、金融が破綻しないのはアメリカでも日本でも欧州でも国が出動して大事になるのを抑えているからである。あたかも豪雨による災害を一時的にダムが避けているようなもので、もし、水量がダムを溢れたり、ダムが決壊すればその後の災厄は予測の限りではない。
◇ぼくの取り上げたアメリカの経済学者・ラビ・バトラ教授は15年も前に、今日の恐慌を予測し、好まないことだが、と前置きして、戦争の可能性を指摘していたが、さて現実はどうであろうか。
 すでにアフガン、イラクには平和はないし、パレスチナ自治区ガザではイスラエルとハマスの戦いが始まっている。ソマリアをはじめアフリカでは小規模とはいえ内戦が頻発している。ロシアは欧州へ天然ガスの供給をストップしているが、各国の不満が爆発しないことを願うことばかりである。
◇おりしも、7日の東京株式市場は約2年9カ月ぶりに株価が上昇し、平均株価9239円を記録した。おそらく今後、上がり下がりを繰り返しながら、実態経済を反映しつつ、さらなる世界同時恐慌へ移行するのではないか。
 その前ぶれではなかろうが、イギリスでは自慢の通貨ポンドが下落し続け、これを受けて、欧州の通貨ユーロは上げ続けている。
 日本のみならず、世界に目を向ければ、だれだって、お金はどうなるのだろうか、預金は?あるいは物価は、税金は、と心配のタネは尽きることがない。その心配を解消する手だてとして、実態経済の動きや専門家の知識に触れることは極めて重要である、といえよう。
◇たまたまぼくは7日、木之本町商工会主催の新春経済講演会で「09年の日本経済の展望」について内外財務研究所の高島信夫理事長の有益な話を聞く機会に恵まれた。氏はテレビなどマスコミ界や各地での経済講演で人気を集めるその道の専門家。
 話を要約すると、アメリカのサブプライムローンによる金融危機の打撃は世界で150兆円の損失を生んだ。今後はドル安、円高が進み、短期金融の逼迫から世界中が混乱し、グローバル経済とドル体制の崩壊が到来する。
 日本は今年3月期の決算の赤字が影響し、株式は6000円台に、為替は円高が進んで70円台になるだろう。アメリカのG・Mなど自動車メーカー・B3は政府の見離しによる3月倒産の可能性もある。
 アメリカでのサブプライムは、所得200万円くらいの最低生活者への住宅ローンで、これまで40年間走り続けた上がりっ放しの住宅神話がパンクしたのが危機の始まり。不動産を証券化したファンドが破綻し、その影響で日本も過去3カ月で200兆円ダウンした。
 20年前の1989年に2400兆円だった日本の不動産は2000年に約半分の1250兆円に下落した。
◇氏は、米国発の住宅価格のバブル崩壊が沈静化するのは来年いっぱいかかり、その後遺症による信用不安が世界的に持続する恐れを指摘し、安定するまでの慎重さを強調した。
 また世界全体が回復するまで輸出主導の景気回復は望めず、内需拡大と年金、医療などの社会保障の安心政策を確立する必要があり、新しい雇用のためにはリース、レンタル、リフォーム、リサイクルの4R産業に目を向けるべきだと語った。※注(ラビ・バトラ著)「世界大恐慌」は総合法令(株)出版。【押谷盛利】

2009年01月08日 15:56 |


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