「世界大恐慌」への関心
新しい年を迎えて、国民の多くは昨年から伝えられる世界恐慌への関心から目が放せないのではないか。
ぼくは正月休みに、とんでもない話題性を持つ一冊の本を読んだ。本の名前は「世界大恐慌」。副題は「資本主義は爆発的に崩壊する」。
実は、この本は今から15年も前の1994年10月に発行されたもので、著者・ラビ・バトラ氏はインド人で、デリー大学卒業後、アメリカに渡り、サザン・イリノイ大学で博士号を取り、現在サザン・メソジスト大学教授。
彼の名を一躍有名にしたのは1970年代後半に、イラン革命とイラン・イラク戦争を予言したことと、1978年に「資本主義と共産主義の崩壊」なる本を出版し、このなかで、2000年までには共産主義は崩壊する、と書いて的中させたことである。彼の第3の予測は1990年に東京市場で株価の大暴落が起こり、これをきっかけに世界は恐慌に突入するというものだった。
◇さて、今から15年も前に書かれたこの本、その内容を読むと1995年から2010年にかけて世界は大恐慌と戦争に突入し、資本主義は崩壊するというショッキングな予測である。
こころみに、ぼくは1996年の日本を振り返ってみた。正月早々に住専(住宅金融専門会社)の破綻が報道された。住宅7社の貸付金残高が10兆7196億円、うち実に75・9%の8兆1322億円が不良債権となっていた。不良債権はほとんど回収不能で、そのうちの30%、3兆円以上が暴力団がらみの融資だった。
明けて1997年10月には、京都共栄銀行が潰れた。原因は不良債権によるもので、表向き259億円の不良債権が実質はその5倍の1290億円になっていた。
こういう金融不安が景気の回復や株価に影響し、10月14日の東京株式市場の平均株価は2年2カ月ぶりに1万7000円を割り込んだ。
11月に入ると北海道拓殖銀行が倒産した。政府の出動で預金は保護され取付騒ぎは抑えられたが、同社の株式はただの紙きれになった。
同月はさらに山一証券の危機が表面化し、日銀の融資や国の財政出動を仰ぐことになった。
12月に入ると、日産生命の破綻が金融不安に輪をかけた。個人年金保険の運用の失敗によるもので、これら表面化したもの以外にも、株価暴落の要因は広くて深い。
◇著者は、「94年12月末には株価が20%に暴落する。しかし、それは株式市場瓦解の序曲にすぎず、95年に入っても株価は下げ続け、年末にはピーク時の50%以下。アメリカ経済は完全に恐慌局面に入り、金融機関に与える打撃はものすごく、倒産する銀行が続発する。その結果アメリカの信用システムは崩壊する」、と予言していた。
日本については次のように書いている。日本の株価の暴落は円高、ドル安が引き金になる。94年11月には日経平均は1万8000円を割るでしょう。95年末には日経平均が1万2000円。あるいは1万円になっても驚かない。日経平均が1万2000円などという水準に落ち込むと、金融機関は所有株式を売却しても利益は出ず、不良債権の償却どころではなくなる。
さらに下落すれば株価の含み損を抱えて日本経済の最悪のシナリオ、金融恐慌の可能性が浮上してくる。
1995年に始まる大恐慌で、予測する日本経済最悪の事態は日経平均の一万割れです。東京株式市場の暴落が示す最悪の数字は日経平均8000円とみることができる。
◇この予測は13年後の昨2008年の大暴落を思わせる。事態はまさに重症である。【押谷盛利】
2009年01月05日 15:10 | パーマリンク
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