故郷に帰ろう(見聞録)
アメリカ金融危機に端を発した経済不況で、製造業の現場では派遣労働者ら非正規雇用の人材が次々と切り捨てられている。
新聞紙面では連日のように、自動車や家電業界の解雇情報が掲載され、何万、何千という派遣労働者が年末から来年にかけて、職を失うことになる。
湖北地域でも地域の雇用を支えてきた長浜キヤノン、ヤンマー、日本電気硝子などが、来年にかけて雇用を圧縮させる見込みだ。
労働者の大量解雇は、社会の消費力の低下につながり、それが企業の業績に打撃を与えるという、マイナス連鎖に陥りかねない。
好景気もあれば、不景気もある。つい最近まで空前の黒字を計上していた企業が従業員をあっさりと解雇するその姿勢は、労働者を工場で稼働する機械の部品としか見ていないということか。
そのような感情を殺された職場ではなく、不景気の際には苦労を分かち合うような、家族的職場が今も多く残っていることを願いたい。
◇「新江州」の森建司会長は、「MOH(もう)通信」なる啓発冊子を発行している。「もったいない」「おかげさま」「ほどほどに」の精神を呼びかけているが、その2008年冬号では森会長が「若者よ故郷へ帰ろう」と題したコラムを執筆している。
「今、われわれはまことに危険な精神的環境の中で生きている。社会全体をはじめ、家族も個人も経済の論理の中だけで生きている。少しでも高い給料を取るために高学歴をとり、大企業に就職する。そして海外にまでいく。郷里に老親や家系や、古き訓(おし)えのすべてを残し、1人旅立つのだ。不幸にしてそのルートを外れ、下層に甘んじるという憂き目を見たものも、故郷を捨てて、都会の孤独の中で破滅していく」。
金儲け主義の企業家、物質的豊かさばかりを求める人間に警鐘を鳴らし、特に若者に「故郷はそんなに捨てたものではない」と帰郷を呼びかけている。
華やかな職場を夢見て、故郷を離れた若者が今、解雇や就職難で喘いでいるなら、「一度、帰っておいで」と、語りかけて欲しい。
2008年12月19日 18:56 | パーマリンク
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shigayukan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2696

- 12月 20日 経済危機と国家の将来
- 12月 19日 故郷に帰ろう(見聞録)
- 12月 18日 「変」の漢字から考える
- 12月 16日 面白い!bjリーグ(見聞録)
- 12月 15日 篤姫と明治維新前後
