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情報洪水と情報バカ

 来る日も来る日も、ろくでもないニュースが流れてくる。それこそ、ひっきりなしの性悪(しょうわる)の暗いニュースのオンパレードである。
 このごろはニュースと言わず、情報というらしいが、アホが足らいで、なんでも流しておけば国民が喜ぶとみてか、それこそ情報の洪水である。
 大雨による洪水は牙をむくように政治や行政に噛みつくくせに、情報の洪水には知らんぷりしてテレビバカになっているのが大方の国民である。
 その情報過多によって、肝心なニュースや知らねばならぬ情報への関心が薄まったり、反応する感度が落ちてしまった。
 つまり、刻々と報道されるニュースに対して怒ったり、考えたり、悲しんだり、笑ったりする感情が鈍くなった。
◇もう少し分かり易くいえば、われわれの目や耳に触れる情報がありすぎて、どれが肝心なのか、どうでもよいのか、見分けがつかなくなり、ものの軽重の判断すら出来なくなった。
 ニュースといえば、もともとは新聞かラジオの専売特許だったが、いまはテレビ、インターネット、雑誌、週刊誌のほか、趣味、映画、旅、美術、スポーツ、ペット、住宅、食品、医療、経済その他もろもろの専門レポ紙(誌)が山程もある。
 それら私的営利関係情報産業のほかに公営ともいうべき県、市、町の広報紙がある。
 なんぼ有能で、才覚ある人でも、これらのたれ流す情報にすべて目と耳を通すことは不可能である。
 いきおい、ご飯(はん)でいうならば、茶漬けさらさらと流し込むから胃の満腹感のためには摂取量だけが多くて、病気のもとになる肥満体質になる。
 情報を茶漬け同様に流し込むと、消化がうまく出来ず、脳の中の血肉となりにくい。第一、目を通すことや聴くことがわずらわしくなり、単純化、平易化、漫画化を好むようになる。
 これが正直なところ目下の情報洪水による知的汚染であり、窮極すれば情報バカ社会の到来である。
◇カネがない、予算がない、というのだから、県や市、町は一日も早く、ろくでもない広(公)報紙をやめるべきである。
 一般、県市民がどれだけ読んでいるのか、世論調査すればすぐ分かるはずだが、多くは他のチラシ並みに見向きもせずに燃えるゴミ行きであろう。
◇漫画は絵が楽しみで、分かり易いから、そして考える時間がいらないから大人にも子供にも人気はあるが、考えることが億劫(おっくう)になったり、文章を味わいながら読む習慣を失うようになると、思考作業による能力開発にマイナス効果を生じるのではないか、とそれの心配もある。
◇日本の子供の学力低下が問題になって、文部省が学力調査を実施した。その結果が日教組という先生の労働組合との関連のなかで、日教組の強いところは子供の学力が弱いというデータが出て大騒ぎしているが、多くの国民は情報過多の悪い部分の影響で、ものごとの真実を把握しかねている。
 このようなあすの国民の文化的資質に関する問題こそ、もっともっと情報を流すべきであり、国民もそれを求むべきである。【押谷盛利】

2008年11月20日 16:03 |


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