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自治体のドル箱は今…(見聞録)

 群馬県は11日、主催する競輪事業から今年度限りで撤退する方針を明らかにした。収益が減り続け、今後も累積赤字が膨れ続けると分析したためだ。同県は4年前にも地方競馬を廃止しており、今度の県営競輪からの撤退ですべての公営ギャンブル事業から手を引くこととなる。
 競輪や競艇、地方競馬などの公営ギャンブルは、その利益の一部を自治体の一般会計に繰り出しており、「自治体のドル箱」と呼ばれた。
 しかし、近年はファンの高齢化、レジャーの多様化、パチンコなどの別ギャンブルへの移行により減収続き。利益を出せず、赤字に陥れば、その穴埋めは一般会計で補てんすることとなる。
 ギャンブルという「後ろめたい」事業は、自治体の財源や地元雇用への貢献があるからこそ大義名分が立ったが、赤字を税金で尻拭いする事態となれば、納税者への言い訳も立たない。撤退しかない訳だ。
◇びわこ競艇を運営する滋賀県も、その収益の一部を一般会計に繰り入れ、福祉、教育分野で活用してきた。ピーク時の平成2年には47億円を繰り入れ、県の財源を潤したが、売上減少により、昨年度は2000万円にまで減った。
 効果的な対策を打てず、このままジリ貧が続けば赤字転落の危機もありえ、存廃の選択を迫られることだろう。
◇先週の日曜、所用で静岡県に出かけた帰り、浜松オートレース場をのぞいた。
 オートレースはバイク競技で、公営ギャンブルのひとつ。一般的には8選手が1周500㍍のコースを左回りに走行する。平均時速は105㌔。バイクは特殊な構造で、ハンドルの左側が異様に高くなっている。最大38度も左傾して走るため、路面にハンドルが接触しない措置だ。ブレーキも付いていない。
 この競技の最もユニークなのは、選手の技量によって10㍍単位のハンデが設けられていること。最大で110㍍後方からスタートすることもあり、速い選手が勝つとは限らず、予想にはコツが必要。
 川口、船橋、伊勢崎(※市営)、浜松、飯塚、山陽の6カ所でしか開催されておらず、関西ではあまり馴染みのないスポーツだ。
 最近、若者の間でも人気を集めている、と聞いていたが、レース場にいた客の9割は年配の男性。女性の姿は数えるほどだった。観覧席もガラガラで、響きわたる「爆音」が、どこか淋し気だった。
◇かつては地方自治体の財源を支えた公営ギャンブルは、お荷物となりつつある。
 ただ、それはファンの高齢化やレジャーの多様化という外部要因だけではあるまい。「公営」ゆえもあるだろう。自治体にカネ儲けができないのは、3セク事業の破たんに見て取れる。
 民営化こそが、これら地方の公営ギャンブルの生き残る道だろうが、現在の法律は、パチンコ業界に配慮して、それを許さない。カジノ合法化が遅々として進まないことで理解できよう。
 カジノが許されない日本において、独特の文化を築いてきた競馬や競輪、競艇、オートレース。次々と消え行くのも、やはり時代の流れなのか。

2008年11月14日 15:42 |


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