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アメリカと日本の株価

 このところ、株の世界的暴落が金融危機の様相を深くしている。アメリカを中心に世界の金融恐慌が薄気味悪くしのびよる気配である。
 日本経済は堅実で崩れる心配はないという予測はありがたいが、それが引き金になって円高に響いている。
 日本は工業国を売りに、海外への輸出産業が経済を支えているだけに、円高による輸出不振と利潤の低下が深刻である。それは当然ながら企業の収益性に関わるから赤字決算や企業の存立の危機にまで及ぶ。
 そうした悪条件は株価の見通しを悲観させるから、株式市場の暴落は避けられない。暴落は先の見通しの悲観的材料が強ければ強いほど回復が遅れる。今回の暴落は一時的なゆり戻しに対する投げ売り心理が影響している。
 銀行、保険、証券などの機関投資家の売りだけでなく一般投資家の売り急ぎが相乗効果を伴って、不安が不安を呼び、先月27日のような26年ぶりという株安相場が立つのである。
◇ちまたには、持たざるものはのんきだね、とテレビや新聞の株式市場を無視しているものも多いが、のんきだね、と本当はいっておられぬ。
 株が安いということは、端的にいえば景気の冷えを象徴しているのだ。
 景気の冷えは社会的、経済的にどんな反応を招くのか。それを考えると、株を持たないからのんきだね、とすましてはいられぬ。
 輸出企業の不振は下請け企業や孫請け企業の受注減を招くであろうし、その延長線上の取り引き関係で支払いの延期や経営破綻の嵐にあうこともある。
 支払いの延期や破綻にならなくとも受注価格のダウンや受注額の減少などが末端企業に至るまで経営を圧迫する。輸出関連企業の経営不振は、企業の経営規模の圧縮や人員整理、あるいは給料の下げ、ボーナスゼロにもなりかねない。
◇このような直接的な経営圧迫のほか、経済社会全体に与える連鎖反応が怖い。
 一つは風評に対する警戒と消極的な経営方策が設備投資などの鈍化を誘発するし、銀行など金融機関の貸し渋り現象が起きる。
 またサラリーマン一般の収入の冷え込みやその予測が普遍化すると、消費熱に水をぶっかけることになり、大小に関わらず小売り企業の売り上げ減につながり、そのことは運輸、保管、包装、宣伝、保険業界、その他にも深刻な影響を与えることになる。
◇昔から景気を判断するなら「飲み屋街へゆけ」という。
 景気が冷えれば冷えるほど飲み屋街は閑散となる。毎日の食事は欠かせないが、飲み屋街の遊びは始末しようとすれば出来る。
 新聞記者は麻生首相の一流ホテルのバー通いを批判するが、あれは景気に水を差す意味で頂けない。麻生さんのような大富豪はじゃんじゃんと金をつかって、その金を経済界に循環させるがよい。
 しかし、設備資金や流通資金を金融機関に仰いでいる企業や個人は財布の紐を締めなければ身の破綻を招く恐れもあり、不況時は残念ながら緊縮政策でゆかねばなるまい。
 ついでにいうなればアメリカの景気がよくならなければ日本の株価は上がらない。【押谷盛利】

2008年11月10日 15:50 |


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