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複式学級は不可、統合へ

 長浜市の上草野小学校(宮川憲一校長)が生徒数の激減で揺れている。現在全校生徒は76人で、いまの1年生は8人、2年生は7人、法律では、連続する2学年で16人以下となると複式学級制にしなくてはならぬ。
 複式学級というのは一つの教室に2年生と3年生が入り、1人の教師によって、同じ時間内に別々の授業を受けるシステムで、2年生が国語、3年生が数学の授業を受けるというやり方で、教える方も大変だが、生徒の方も気が散って授業に集中できないこともあって、子供の教育環境上、宜しくない。
 こんな状態を法律のせいにして丸呑みすれば、心ある親は住所を他へ移し、わが子を生徒数の多い学校へ転校させることにもなる。それでなくとも少子高齢化が農山村の未来を暗くしているのに、それに輪をかけるように子供(児童)の追い出しを図るようなやり方は大ペケである。
◇上草野小学校は、ぼくの母校であるから、とりわけ悲しい気持ちでその成り行きを見守っているのだが、これからの先行きを考えれば生徒数の減少傾向は止まらないように思う。
 それならば、このさい、みんなが頭を切り換えて学校の統合を実施すればよいではないか。
 すでに余呉町では、丹生小、片岡小、余呉小の3校が統合し、遠くからの児童は通学バスを利用している。
 上草野は山に囲まれた山村で、東は吉槻、曲谷、甲津原に接し、旧伊吹町に連なり、北は高山から鳥越峠越えに岐阜県、また金糞山を通じて福井県に続く県境である。
 中央に姉川支流の草野川が流れて、両岸に接する山麓に9か字が点在している。
 小学校は村の中心地・野瀬にあるが、ぼくの小学校時代を思い出すと時の流れの大きな変化に腰を抜かすほどである。
 ぼくが小学校へ入ったときはぼくの在所・野瀬から男が10人、女が11人が新1年生になった。
 そのころは尋常科6年、高等科2年で、全校600人くらいだった。高等科は義務制でないから半分くらいは6年卒で就職した。したがって6年生までの生徒は500人くらいだったと推測される。
 それなのに、現在の児童数は男女全部で76人になってしまった。
◇そのころ、上草野の東に位置する東草野小学校は集落間の距離が長いので、中心地の吉槻へ通うのが低学年にとっては苦痛だった。このため甲津原や板並、曲谷などに分校が設けられた。
 分校では今、問題の複式学級で指導した。ぼくらは子供心に、複式授業を受けている東草野小の子供たちを不びんに思い同情した。
 当時は東草野は東浅井郡に含まれ、郡の体育大会や音楽会など、東草野村の子供は吉槻から七曲り峠を越えて上草野村の鍛冶屋へ出て、湯田村や虎姫へ出かけた。もちろん、みんな徒歩である。
◇それやこれやを思うといまの上草野小学校は当時の東草野小を思わせる生徒数で、しっかりと基礎教育を身につけさせたい親心を思うと心が痛む。
 最近、上草野地区から若い人が結婚と共に平野部や長浜市の市街地方面へ住所を移転する傾向が強いが、これは老人集落の悲劇とも言うべきで、村の役や集落の面倒見を避けたい気持ちと共に、子供の教育を考えての親心であろうと思う。
 これ以上、村がさびれてしまってはならないから、複式授業などボイコットして、学校統合に踏み切るのが市教委や市長の責任であろう。
 2校統合でも3校でもよいではないか。現に中学校は後発ながら旧東中が浅井中に統合したではないか。遠くから通う生徒のために通学バス制度も定着しているので、これに便乗して小学校も通学バスを考えればよい。
 とにもかくにも子供の教育環境をよくするのが教育行政であり、保護者の責任でもある。【押谷盛利】

2008年11月06日 16:41 |


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