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天皇陛下の報道と各紙

 31日の大新聞で非常に気になることを発見したので、読者に喚起を求めるため以下これに触れる。
 一つは天皇、皇后両陛下の正倉院展ご鑑賞。いま一つは北朝鮮が中国側に通告した日本人拉致問題の調査打ち切り問題。
 北朝鮮問題については、すでに明らかなようにブッシュ米大統領がテロ指定国家を解除したが、日本はこれに反対し、拉致問題の調査が進まない以上、経済制裁など解除はしない方針を打ち出した。
 不信だらけの北朝鮮の核戦略停止話に乗ったり、乗せられたり、右往左往しながら結局、アメリカは大統領選を前に北の言い分に屈した。それをいいことに北は6カ国会議から日本が孤立しているとうそぶき、最早や日本を相手にしてもメリットはない、として約束の拉致問題の調査を打ち切る手段に出た。
 これは実に重大なるニュースで、日本の安全と日本人の人権に関わる問題だが、この記事は産経が1面トップ記事に報道した以外は、他社は載せていない。1社にスクープされた場合、重大なニュースは、その日(31日)の夕刊に後追いするのが常識だが、その様子も見られない。
 あえていえば他社の拉致問題への関心のレベルを疑わせる問題だが、これは後日、尾を引きそう。
◇さて、天皇、皇后両陛下の正倉院ご鑑賞の報道だが、読売は1面左に4段のトップ記事(写真3段)のほか、社会面にもトップ記事扱いで、写真は3段で紙面の幅2分の1以上を占めており、それのみか、号外を発行して奈良市内、大阪市内の主要駅周辺で配布している。
◇産経は社会面のトップ記事で、これまた大きく写真入りで報道した。
 これに対して、朝日、毎日は社会面で一段のベタ記事で、見出しも申し合わせたように一行、写真が付いていなかったから見落とすほどのお粗末な扱いであった。
 どういうわけか、中日には載っていなかった。
 赤旗にも載っていなかったが、これは共産党の機関紙であり、この党の性格が天皇嫌いであるから、始めから報道するつもりはないのだろう。
◇ぼくは、記事の大きさの扱い以外に、重大なことを読者に報告する。
 それは、陛下の報道に関する敬語の有無である。
 朝日は「両陛下は正倉院展を見学した」。「宝物を1時間ほどかけて鑑賞した」。「31日に春日大社に参拝した後、京都市へ」。「1日には源氏物語千年記念式典に出席し帰京する予定」。
 これを見て分かるように一切敬語を使っていない。
 毎日は最初の部分に1箇所「説明を受けられた」と敬語表現しているが、他はすべて「鑑賞した」。「熱心に視察していた」とあり、記事の長さはわずかに19行。
◇読売は「視察された」。「見て回られた」。「質問され」。「感嘆されていた」。「ご覧になった」。「2日に帰京される」など。すべて敬語表記されている。
 産経は「奈良県入りされて、沿道では多くの人が両陛下のご来訪を歓迎していた」。「正倉院事務所をご訪問」。「宝物をご覧になった」。「31日、京都を訪問される」などとすべて敬語を使用している。
◇天皇は憲法で明記しているように日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である。
 国民が「日の丸」を大切にし、「君が代」を斉唱するのは国旗や国歌への愛着であり、愛国心による。
 国と国民統合の象徴である天皇に敬意を表するのは当たり前の話で、われわれ国民と同列に「した」「行った」「見た」では国語教育上も問題である。日本語から敬語を外したら、秩序やモラルまでがおかしくなるではないか。【押谷盛利】

2008年11月01日 17:47 |


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