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天下の愚策、再び(見聞録)

 麻生太郎首相は30日、総額27兆円規模の経済対策を打ち出した。
 目玉は総額2兆円の給付金を全世帯に支給するというもの。国内の世帯数で割れば、1世帯あたり平均4万円程度となるが、家族規模に応じた支給額とする模様で、「4人家族で約6万円」とする方針。消費の刺激を狙っての策という。
◇総額2兆円の給付は、個人消費の喚起と地域経済の活性化を目的にした1999年の地域振興券の再現だ。
 当時は、総額7000億円をかけ、15歳未満の子どものいる世帯主や65歳以上で住民税非課税者などを対象に2万円分の商品券を支給した。無駄遣いを推奨するかのような奇策だった。
 後に、経済企画庁が行った調査で、増えた消費は振興券使用額の32%に留まったことが分かった。国民の多くが現金の代わりに地域振興券で生活必需品を購入し、貯蓄を充実させた訳で、経済対策が成功したとは言いがたい。
 また、地域振興券の発行を担当させられた末端の市町村は、わざわざ専従職員を配置して発券作業に追われ、大迷惑だった。
 「天下の愚策」と批判を浴びたゆえんだ。
◇9年前の愚策が再び、という点だけでも与党の政策能力を疑うのに、麻生首相は3年後の消費税アップまで明言した。
 段階的引き上げで税率は少なくとも10%にはなるであろうが、国民に現金を配った後に増税するというのは、何とも馬鹿げた話で、果たして、消費者の財布の紐が緩むのだろうか。
 地域振興券の前例しかり、経済効果には疑問符が付く。とすれば、給付金を受け取って国民が喜んでいる間に、解散総選挙でもやろうという腹なのか。
 いずれにせよ、「続・天下の愚策」のツケはすべて国民に回ってくる。消費税率アップの前に、役所の無駄遣いを改めるべきだし、まして国民に無駄遣いを呼びかけるような愚策も見直すべきだろう。

2008年10月31日 15:52 |


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