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秋雨の伊吹山(見聞録)

 朝晩の冷え込みが本格化し、いよいよ秋も深まりを見せてきた。
 日曜日の26日、取材で伊吹山を訪れた。山頂付近は紅葉真っ盛りで見頃を迎えていたが、肌寒さから、冬の訪れがそう遠くないことを実感した。
◇伊吹山は1300種類もの高山植物に恵まれた自然の宝庫として、植物愛好家や登山客から愛されているが、最近は外来植物や平地植物の繁殖、マナー違反の登山客などにより、自然破壊が深刻化している。
 そんな伊吹山で、自然の保全活動に取り組むボランティア団体に、「伊吹山もりびとの会」がある。
 同団体は、伊吹山の自然に魅せられた山好き、花好きの集まりで、地元の滋賀、岐阜を中心に、東は川崎市、西は大阪市までの約70人で構成。貴重で豊かな自然を次世代に引き継ごうと、外来種の西洋タンポポの除去や登山道の整備、ユウスゲ保全のためのススキの刈り取りなどに取り組み、夏場はガイド役も務めている。
◇もりびとの会が、25、26日、8合目駐車場(1200㍍)と山頂(1377㍍)を結ぶ遊歩道の改修に取り組んだ。
 取材のため、26日、現場を訪れた。雨模様だったことから、作業は中止かな、と関係者宅に電話を入れたところ、朝早く出発したという。
 現場はサラシナショウマなどの高山植物が一帯に広がり、夏場、一番の見頃を迎える「東遊歩道」。会員6人が杭を打ち込んだり、木を埋め込んで坂道を階段状に改修していた。雨で足場がぬかるみ、山頂付近ゆえに風が強く、厳しい作業だったが、みんなの表情は明るかった。
 赤土がむき出しになっている場所はぬかるんで滑りやすく、雨が降れば川のように水が流れ、度々、転倒事故が発生しているという。
 観光客が少ない今のシーズンに改修しようということになり、2日間で計10人、地元滋賀、岐阜だけでなく、名古屋からも参加があった。
 2日間で、何とか改修作業を終え、会員は「うまくできました。来年の夏には快適に散策できるでしょう」と爽やか。早くも、来年のハイキング客を歓迎する表情だった。
◇雨の中の伊吹山。景色を楽しめないだろうと予想していたが、高原の向こうに低い雲が雲海のように広がり、時折、吹く風に高山植物が音を立ててなびき、新たな魅力を見せてくれた。
 伊吹山の豊かな自然の表情と、それを守り、後世に伝えようとする愛好家の爽やかさに触れた晩秋の1日だった。

2008年10月28日 16:50 |


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