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大物歌手5人と暴力団

 10月9日付「週刊新潮」に極めつけの特大見出しで、大物「暴力団組長」の誕生日コンペとパーティーに「細川たかし」「小林旭」「角川博」「松原のぶえ」のショッキングな記事が出ていた。
 その解説記事は次の通り。
 「芸能界と暴力団。両者は今でも地下茎で密接に結びついている。それを如実に物語るイベントだった。さる大物・暴力団組長の誕生日を祝う盛大なゴルフコンペ&パーティー。参加したのは細川たかし、小林旭など錚々たる大物芸能人」。
◇この記事によると、ゴルフコンペは9月16日、富士山の絶景を真正面に望む静岡県のゴルフ場で行われた。
 主役は山口組系暴力団A組長。その誕生日を祝うイベントで、彼は裏社会ではその名の轟く大物組長。
 「豊富な資金力を背景にのし上がってきた経済ヤクザで、武闘派として恐れられており、多方面で隠然たる力を持っている。この日のコンペには、A組の若頭など幹部組員だけでなく、他の暴力団のトップや幹部も大勢参加した」と暴力団関係者の談話も載せている。
 コンペには、細川たかし、小林旭、角川博、松原のぶえ、中条きよしらのほか、元グラビアアイドルの須之内美帆子やセクシータレントの益子梨恵らも揃っていた。
◇ゴルフのあとパーティーがあり、会費はコンペ代を含めて5万円。
 15日の夜は前夜祭があり、A組長の小・中同級会に小林、角川、松原の3人が出て歌を披露した。
 翌16日の歌謡ショーは、角川博と松原のぶえが司会役、新人歌手の一曲のあと、角川、松原が数曲、その後、細川たかしが「北酒場」「兄弟仁義」ほか2曲を熱唱。小林旭が大トリで、3、4曲のあと「熱き心に」を披露した。
 これだけの豪華メンバーを一堂に会させる大胆極まりない大暴力団パーティーを世間はどう見るのか。さきに施行された暴力団対策法なんか遠くかすんでしまっているではないか。
 編集子は警察関係者の厳しい批判を次のように掲載している。
 「こうしたパーティーを暴力団が催すのは資金集めの意味もあり、一種の興業。会費のほかに組長の誕生日祝い金を包む者もいる。だから参加する芸能人は客寄せパンダ。暴力団の資金集めの看板として利用されているのと一緒です」。
◇ところで、この週刊新潮記事は早速、年末のNHK紅白歌合戦の出場取り消しに発展する可能性が不可避となった。8日付、朝日は「組長とゴルフ」報道、5歌手出演見合わせ、の2段記事で、NHKが細川、小林、松原、角川、中条の5歌手について、番組への出演を見合わせる方針を決めていたことを明らかにした。
 当然、紅白歌合戦の出場は難しく、NHKは、細川出演の11月23日放送分の「のど自慢」と、細川、小林、角川出演の12月13日放送分の「BS日本のうた」は代役を立てる。5人の出演する番組は、再放送や既に収録済みの場合も放送をとりやめる。
◇ぼくは、週刊新潮の記事を高く評価し、言論人の一人として敬意を払うが、同時にNHKの過敏な反応に拍手したい。問題は、見合わせの期間だが、朝日の記事では短くとも数カ月と見られるとあるが、それでは余りにも寛大すぎるのではないか。最低1カ年くらいは謹慎させるべきであろう。
 去る昭和61年、歌謡曲の大御所・北島三郎が暴力団の新年会に出席したことが発覚し、NHKの紅白歌合戦を辞退したことがあるが、国をあげて麻薬追放や暴力事犯一掃に懸命の今日、芸能界の大物歌手が裏社会と関係し、その組織の拡大発展に協力することは許されざることである。
 NHKだけでなく、民放各局も断固として出演禁止に踏み切るべきであろう。【押谷盛利】

2008年10月08日 16:24 |


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