断酒に励む人々(見聞録)
先週末の28日、大津市の県立体育館でアルコール依存症の患者や家族で組織する「全日本断酒連盟」の全国大会があった。全国から3700人余りが参加し、難病に苦しむ「酒害者」の多さを物語っていた。
改めてアルコール依存症について考えてみたい。
◇同連盟では、国内にアルコール依存症の患者が82万人いると推定している。しかし、加盟している会員はたった1万人で、その他の多くが依存症であることさえ気付かず、酒を煽り続けている。
ビールや日本酒、ワイン、焼酎などアルコール飲料を日常的に過剰摂取したあげく、依存症に陥るが、そのきっかけは様々。
毎日の晩酌の量が徐々に増えた結果だったり、家族の死や別離の悲しみから、仕事の失敗を忘れるため、過去の辛い体験を紛らわせるため、様々な理由で過度の飲酒に走り、いつしか依存症に。
以前は「アル中」と卑下され、本人の意思が弱いとされてきたが、最近は精神疾患の一つと認知されている。
◇依存症に陥れば、飲酒をコントロールできなくなり、「今日は飲まないでおこう」「ビール1杯だけで」と思っても、気付けば酩酊するほど飲酒してしまう。
その結果、内臓や精神に障害をもたらすだけでなく、性格が攻撃的、自己中心的になり、家族へ迷惑をかけたり、事件や事故を引き起こし、社会的信頼も失う。また、トラブルを後悔しても、それを忘れるため再び飲酒を続ける。
そして、最もやっかいなのが、例え治療により10年、20年と「断酒」を成功させても、たった一口飲んだだけで、たちまち、コントロールを失い、以前の酒乱に戻ってしまうこと。
依存症から決別するには一生、酒を飲まない生活を余儀なくされ、家族や仲間の献身的な支えが不可欠となる。
◇断酒連盟は、そういった「酒害」に苦しむ患者やその家族で組織する自助グループで、ほぼ毎日開く例会で悲惨な体験談や克服への歩みなどを話し、それを聞くことによって、過去を反省し、「明日も断酒に励もう」と誓い合う。
以前、例会に参加して、その悲惨な体験談を聞いたことがある。アルコール漬けで仕事にならず、職場をクビになり、家では暴力の嵐。常識的な話も通じず、家庭崩壊は当たり前。自殺を考えた患者や家族は少なくなかった。
◇アルコール依存症との戦いは、本人が依存症を認めることから始まる。
▽酒を減らさなければならないと感じる▽周囲に飲酒について批判される▽飲酒に罪悪感を感じることがある▽朝から飲んだり、迎え酒をする―。以上に当てはまる人は、依存症の可能性あり。
長浜保健所(℡65・6660)や長浜市健康推進課(℡65・7779)では随時、相談を受け付けている。
2008年09月30日 16:02 | パーマリンク
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