滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



麻生内閣と国民の関心

 福田後継内閣が24日発足する。22日、自民党総裁に選出された麻生太郎氏が第92代首相となる。
 この内閣と自民党政治が続くか、もしくは三日天下となるかは、一にも二にも引き続き展開される衆議院選挙の結果による。
 麻生という顔で、失点挽回を図る自民党に今こそ政権奪回の好期と勢いこむ小沢民主党がどれだけ国民の支持を得るか。
 これは、自民対民主の政局の問題というよりも国民の政治に対する民度を計るバロメーターとしても歴史的な選挙といえる。
◇ぼくは、早くから、自民党総裁選について言及したことがある。その結果によって、自民党の国会議員、党員の頭のよさが分かる、と書いた。さて、結果は出たが、残念ながら賢明な選択をしたとは思えない。
 今度の総裁選は、次の衆議院選の前哨戦だから、その戦いにのぞむ顔が衆議院選のムードに関わるからこそ、その総裁選を注目したのだが、自民党は麻生に圧倒的支持を表明した。
 その舞台、演出、出演者の状況から、ぼくは茶番劇と評したが、一言に集約するなら、古い自民党に里帰りした。ただそれだけである。新味はなにもない。
 まだ新総理が決まっていない段階で、早くも閣僚の顔ぶれが出ている。いわゆる新聞辞令だが、その陰に実力者の顔が見え隠れするし、政治の秩序を乱す二重権力構想が目に浮かぶ。
◇自民党の新総裁と麻生内閣による解散を一番喜ぶのは民主党など野党ではないだろうか。つまり、政策と党の方向を競う点において、最も戦い易い布陣といえるからである。
 もし、総裁選で、小池百合子氏が当選していたら、民主党は苦しい戦いを余儀なくされるに違いない。
 まず、小池氏は日本初の女性総理という顔で、国際的にもトップニュースで扱われるだろう。彼女はアラビア語、英語に堪能な国際派政治家として、日本の政治のレベルを飛躍させるであろう。何よりも彼女は、いま日本人が切に望んでいる公務員改革と特殊法人の改廃にメスを入れるに違いない。それらは、他の4候補の叫ばない「永田町を潰す」の官僚政治打破の決意である。彼女は自ら小泉路線を継承すると改革ののろしを高く掲げた。いま国民の望んでいる声は国民の目線に応える改革である。
 さらに、マスコミは取り上げなかったが、さきの防衛省汚職に関し、防衛大臣新任早々、彼女は防衛省に君臨する守屋次官を更迭すべく対立した。このとき、自民党の多くは守屋の肩を持って、小池氏を「ゆきすぎ」と批判した。結果はどうだったか、守屋をめぐる不愉快な防衛汚職が次ぎ次ぎ明るみに出たではないか。
 彼女の政治家的実践力は、小泉内閣時代の環境大臣としての実績でも証明されている。
 この顔を陣頭に立てて衆議院選にのぞめば、退潮の自民に起死回生のカンフル注射になると思ったが、自民党は地方も中央も選択を誤った。
◇自民党はその古い体質を自ら脱皮することをしなければ、国民の信をつなぐことはできない。いまも世論調査で、国民支持・人気第一の政治家が小泉純一郎氏であることを思えば、国民の改革への熱い心が分かるはず。
 残念乍ら麻生総裁と麻生内閣は時計の針を20年、30年逆回転させた。郵政民営化に反対した政治家を党の重要ポストや閣僚に登用した。官僚主導の政治と短期大臣によって、日本の運命が先細りすることのないよう、国民はあらためて、自民党の再生に注文する必要がある。【押谷盛利】

2008年09月24日 15:19 |


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shigayukan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2438

過去の時評


長浜市
長浜市議会
長浜観光協会