滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



腰抜け外交を批判する

 8日から北京オリンピックが始まったが、平和で自由なスポーツの祭典にふさわしくない事件が中国各地から伝わってくる。
 報道の記者やカメラマンが逮捕されたり、北京ではアメリカからの観光客が殺されている。
 中国の人権弾圧は想像以上だが、その圧政に反発する少数派民族の決死の抵抗が血ぬられたオリンピックとして世界の人々を悲しませている。
 人権弾圧をやめます、という中国側の言葉を信じて北京オリンピックは招致されたが、結果は逆に、中国の言論統制、個人の自由を奪う警察国家の実態が明るみにされた。明らかに時期尚早の北京オリンピックだった。
◇さて、その中国ウイグル自治区で、今月4日、武装警察部隊が襲撃され、警官16人が死亡した。
 報道各紙はウイグル独立派のテロと断定しているが、問題の根はそれほど単純ではない。
 実はウイグル自治区は、北京オリンピックに抗議し、連日のようにあちこちで警察襲撃などの事件が続出しているのだ。ウイグル自治区の血の叫びが、これまで、軍と警察によって押さえ込まれ、外部の報道陣の取材禁止によって、その不満が隠されていた。
 たまたまのオリンピックを通じて、世界にアピールするのが彼ら少数民族の決死行といえるのではないか。
 その限りにおいて、われわれは中国の実態を知り、弾圧され、人権を無視されている少数民族の不幸に連帯の愛を忘れてはならない。
◇この点で、その動向の注目されるのは、わが福田康夫首相である。福田さんは、最初、北京オリンピックの開会式に行くかどうか、あいまいにしていたが、結局、出席した。この結果、国民の多くは、首相が8月15日は靖国へ参るのでは、と希望的に観測するが、彼の靖国参拝は100%あり得ない。中国にひれ伏す彼の外交的態度で明々白々である。
 いま、日本人を怒らせている事件の一つに中国ギョーザ問題の未解決がある。
 問題の毒性物質は日本では使われていないのだから、明らかに原因は中国での生産過程にあるといっていいが、中国は非を認めもせず、謝罪もせず、原因追及に日中双方で当たるべしと抗弁してきた。
 その矢先、先月、毒ギョーザによる被害が中国国内で数件発生している事実が明らかになった。
 日本政府は、その事実を知りながら先方の要請に答えるべく、このニュースを国民に知らせなかった。もちろん、中国の民衆も知るはずがない。
 問題は政府のメンツなどで隠すべきことでなく、国民の健康と安全に関わる「いのち」の尊厳そのものである。日本の高村正彦外相は、オフレコの約束を守っただけ、と反省の色すら見せないが、まさに国民の生命より中国の顔色優先の奴隷外交そのものである。
◇毒ギョーザ事件と並行して注目される今一つの外交問題は、北朝鮮の拉致被害者の調査と日本への帰還である。
 北朝鮮の巧妙なる手の内は過去に実証ずみだが、今回もまたうすもやのような実効性のない約束を信じて、制裁解除する機運が濃厚である。
 「調査」などは本来必要がないのである。北は完全なる警察国家、スパイ国家であり、拉致日本人は確実にその掌握下にあるはず。1日も早く日本へ帰すこと、これのみが交渉の主眼である。わかっているのかね、と、その腰抜け外交に言いたいのである。【押谷盛利】

2008年08月11日 16:58 |


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shigayukan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2252

過去の時評


長浜市
長浜市議会
長浜観光協会