消費庁なんて誰のもの
行政の組織を簡素化するのも、公務員改革を進めるのも一言でいえば小さい政府をつくるというアイディアである。
小さい政府とは金のかからぬ政府、つまり税金上の国民の負担を少なくするという政策である。
これは小泉改革の一つの柱だったが、福田内閣になって、がたがたと音を立てて崩れてしまった。官僚は既得権を奪われたり、縮小されることには組織をあげて反対するが、逆に新しい機構をつくることには異常なまでに積極的である。
新しい機構は新しい役所システムと考えれば分かりやすい。今度、消費者行政の担当大臣になった野田聖子氏は、郵政を民営化することには徹底的に反対した。これまでの役所の権限や予算権、事業方針を民間の株式会社に移すわけだから役人にとっては居心地のよい職場を追放されるようなものだ。
だから、民営化反対者は官僚癒着型、育成型といっていいだろう。
◇その野田大臣が今度は消費行政を消費庁に格上げし、これに関わる役所機構を整備充実するという話だが、なんのことはない、国民の買いたいもの、商人の売りたいものは本来、自由なビジネスである。戦争中の統制経済ならいざ知らず、商品の売り買いに国が出しゃばる権能はないはず。したがって自由経済の今日、組織を複雑にした消費庁などという役所は百害あって一利なしである。
◇結局、消費庁という新しい役所機構を独立させ、目下、世間を騒がせている偽物ブームに喝を入れるという人気取り政策の一環であるが、役人の本音はいろんな外郭団体などをつくり、天下り用に下地を整備することに帰する。
ひらたく言えば、国民の消費生活を守るという口実のもとに役人の天下り場を増設するということなのだ。
◇福田内閣は役所制度の改革と公務員改革を実現するため安倍前首相の方針に基づき、骨のある渡辺喜美氏を担当大臣としたが、その渡辺氏を一刀両断にクビにした。渡辺氏が強く改革路線を主張し、公務員の天下りに厳しい規制をかけようとしたので官僚は自民党の派バツや福田総理を動かして、追放したまでである。
この人事一つを見ても福田改造内閣が官僚密着型、癒着型であることが明らかであり、さらに、小さい政府を否定して、逆に役所機構を増やしたり、金食い政府をつくることが鮮明となった。
◇政府が金づかいを圧縮することを考えず、金づかいを荒くすれば、受注する業者は喜ぶかもしれないが、その金は国民の税金である。
したがって、この内閣はいやがおうでも、必然的に金食い政府になるから、遠からず、増税のおちんが国民の頭上にのしかかる。
いま、一番望まれるのは、政府内の無駄づかいを徹底的に洗い、本当の意味での小さい政府を目標にしなくてはならぬ。燃料の高騰や消費の陰りなどで、とかく景気が曇り勝ちなのに、増税論などはまっぴらご免である。【押谷盛利】
2008年08月07日 15:28 | パーマリンク
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