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外国人との共生考える(見聞録)

 今年は日伯交流100周年。「伯」はブラジルを指す。日本からブラジルへの初めての移民船が渡ってから、ちょうど100年を迎えたことに由来する。
 初の移民船は781人を乗せて、神戸港を出航。ブラジル・サントス港に着いたのは1908年6月18日だった。
 広大な土地を持ちながら農業労働者が不足していたブラジルに、日本の貧しい農村部の住民を移住させる国策で、戦前、戦後を通じて約25万人の日本人が新天地を夢見てブラジルに移った。その子孫は150万人にまで増え、世界最大の日系人社会が築かれている。
 6月にはブラジル大統領主催の記念式典が現地で開かれ、皇太子さまも出席されるなど、両国で祝賀ムードが盛り上がっている。
◇ブラジルは1970年代以降、激しいインフレなどで経済苦境が続いたことから、高度経済成長を迎えていた日本に出稼ぎに来る逆転の流れに。1990年の入管難民法の改正で定住が認められたことで、多くの日系ブラジル人が来日した。安価で融通のきく労働力として製造現場で活躍しているのは、長浜の南米系労働者に見られるとおりだ。
 ただ、企業業績の浮き沈みによって、真っ先に整理の対象とされたり、言語、文化、習慣の違いから日本社会に馴染めない姿を見ると、同じ日本人の祖先を持つ仲間として、複雑な思いになる。
 さらに日系人の子ども達へのサポートも気がかりだ。日本の学校の授業について行けずに不登校になるケースもある。
 長浜市では昨年、外国人児童に日本の学校ルールなどを教える指導教室「和(なごみ)」を開設し、新しく長浜に住む子ども達をサポートし、注目を集めている。しかし、その運営費や指導員の確保も課題となっている。
◇今、ブラジルは、豊富な鉱物資源と農作物を背景に、急速な経済成長を見せており、ロシア、インド、中国を含めた「BRICs」(4カ国の頭文字)の名で、世界経済を塗り替える大国として注目を集めている。
 日本との貿易も盛んで、地球の反対側に位置しながらも、人とモノの交流が他国に比べてひときわ緊密だ。
◇日本は今、外国人と共に暮らせる「多文化共生社会」を目指しているが、彼ら日系ブラジル人の歴史や生き様を学ぶことは、これからのグローバル化社会での日本人の生き方のヒントに繋がるのではないか。
 長浜では市民国際交流協会が10日に曳山博物館で、日系ブラジル人らを追ったドキュメンタリー映画の上映や、座談会などを計画。市民の手で多文化共生の輪を広げようとしている。
 この100周年を日系ブラジル人ら外国人との共生を考える機会としたい。

2008年08月01日 14:59 |


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