在日韓国人と建国60年
ぼくの手元に8月15日付の民団新聞がある。在日韓国民団の機関紙であり、紙面は日本語で、日本の文字ながら、内容は韓国の情報や在日韓国人の動静その他が掲載され、在日韓国人のコミュニケーションの場となっている。
15日の新聞は、韓国建国60周年を記念する記事が過去の歴史を含め多彩に編集されている。そのなかで、現在の韓国の経済状況や韓国民の祖国によせる愛国心など興味深い世論調査の結果を見ることが出来る。これは、建国60周年を機に実施した韓国ギャラップ社や韓国リサーチ社の世論調査の結果である。
◇成人を対象にした調査の一つに「韓国の経済発展に満足しているか、どうか」が問われている。
満足しているが82・1%と多かった。年代別に見ると20代、30代よりも40歳以上で満足度が高かった。「社会秩序の安定」や「国民意識の成熟」で満足度が高かった反面、「政治的な発展」や「教育条件の改善」については不満が多く▽国際社会において韓国はどの程度の地位にいるか、の設問には「中の上(40・6%)」、「中進国(43・2%)」が最も多い。
◇1948年の建国以来、現在までの韓国の歴史についてどう思うか。
「誇らしく思う」が解答の77・3%。
日本の植民地支配から開放された「光復節」は知っているが、韓国の建国日については知らない人が多かった。
◇この60年間に韓国に対して影響を与えた国のうち、「肯定的な評価」は米国が80・7%と最も多かった。米国の「否定的影響」は17・2%と低かった。
中国については肯定的評価が56・9%、否定的評価が40・4%。
日本については肯定的評価48・7%、否定的評価49・6%でほぼ同じ。
北朝鮮については否定的影響69・2%、肯定的影響27・2%。これは韓国人の北に対する率直な思いであろう。
◇なお、韓国の発展の足跡について、成均館大学のユ・ホンジュン教授の「建国後の産業および就業構造の変化」の論文が紹介されている。
これによると建国直後に6・25戦争の惨禍を体験した韓国は、第一次産業(農林水産業)の従事者が就業人口の85%を占める典型的な「開発途上国」だったが、それから60年後、同従事者は7・9%にまで低下。一方では第3次産業(小売業、サービス業など)の比率は8・1%から73・5%まで急増した。
特に注目すべき点は、全体就業者に占める女性の割合が1965年の21・9%から2005年の40・9%にまで向上し、女性の経済活動への参加が活発になったと指摘している。
◇このほか、15日の民団新聞は、「祖国と在日、私の60年」の見出しで苦難の道を歩んだ人々の実話を載せている。
このなかで、東京在住の柳再萬さん(77)の話に胸を打たれた。
柳さんは6・25戦争をラジオで知ったのは19歳だった。新聞で志願兵の募集を知り応募した。「自分の国が負けたらおしまい」という愛国心からだった。
許南明さん(77)は「よく生き残ったものだ」と、無謀な南侵をした金日成への怒りをあらわにしている。
在日2世で、ソウル大在学中にソウルを占拠した北朝鮮軍に拉致され、南朝鮮学徒義勇軍に強制入隊させられ、南下しているうちに朝鮮人民軍へ編入され、自らの意志に反し、釜山包囲網に加わった。夜間、隙を見て部隊を脱出し米軍に助けられた。【押谷盛利】
2008年08月30日 17:27 | パーマリンク
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