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防災への心構え(見聞録)

 近畿、北陸地方は28日、雷を伴う豪雨にみまわれ、河川の氾濫、鉄砲水、浸水被害など、自然災害の恐ろしさを見せ付けられた。
 神戸市では河川敷で遊んでいた子どもを含む4人が鉄砲水に流されて亡くなり、金沢市では河川の氾濫により2万世帯が避難。京都府向日市で幼稚園のバスが水没し、園児ら8人が救助された。大津市では橋が冠水し、キャンプ客が一時孤立。落雷による停電や、公共交通の運転見合わせなど各地で混乱した。
◇今月18日の大雨では長浜で1時間84㍉の集中豪雨を記録。市街地を流れる米川は一瞬で容量をオーバーし、一帯の道路が冠水。住宅も11軒で床上、203軒で床下浸水の被害を受けた。
 大雨のたびに水害に悩まされていた米川一帯の住民は、上流の「長浜新川」の完成で洪水の被害から解放されたという安心感を抱いていた。
 このため、「新川があるのに、なぜ浸水被害が起こるのか」との苦情が市や県に寄せられた。先週、地元で聞き取り調査を行った県の流域治水対策室は「米川の許容量を超す大雨の量と、屈曲部が多い川の構造が原因」と語り、「新川が米川に流れこむ水量を上流でカットしたので被害が少なくなったはず」と説明している。
◇長浜市街地はこれまでに何度も水害に見舞われている。全国で死者・行方不明者約5000人を出した1959年の伊勢湾台風で甚大な被害を受けたのをはじめ、1980年の豪雨では300戸が床下浸水。1994年から3年連続で台風や豪雨により50~100戸程度の床下浸水が発生している。
 記録的大雨による米川一帯の水害は宿命的だった。
◇天災による被害を完全に防ぐことは不可能だが、用意周到な準備と対策があれば、最小限に食い止めることができる。
 これまでは、徹底したインフラ整備に重点が置かれ、河川の整備や堤防強化、ダム整備が主流だった。例えば、米川へ流れ込む水量を減らすために上流に整備された「長浜新川」もそうだ。
 しかし、一方で、住民の防災意識も欠かせない。嘉田由紀子知事は、ダムに頼った治水が住民の防災意識を低下させ、ダムの許容量を超える豪雨が発生した場合、かえって被害を拡大させる可能性を指摘している。
 災害にどう備えるのか。今回の水害は、新川の整備で洪水は過去のものと、安心していた我々に警鐘を鳴らしたのかもしれない。
 日本は台風、豪雨、地震、豪雪と、自然災害が多い。ダムや堤防といった土木事業だけに頼りきっていては家族や隣人の命を守れない。日ごろから防災への心構えが大切。

2008年07月29日 15:34 |


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