今夏の旅行計画は?(見聞録)
投機マネーの流入と、中国、インドなど新興国の需要増で高騰を続ける原油価格はガソリンのみならず、食品や日用品にまで値上げを招き、日本人の生活に大きな影響を及ぼしている。
8月にはガソリン1㍑あたり190円になる見込みで、夏休みのマイカーお出掛けが気になるところ。
今夏の旅行は、航空運賃の燃料代の上昇のため、海外が敬遠され、国内の移動手段もマイカーより鉄道やバスが注目されている。
JTB西日本によると、7月から9月に出発する海外旅行の予約申し込みは前年比5%減。関西空港では19日、夏休みを海外で過ごす旅行客の出国ラッシュが始まったが、この夏の出入国者数は前年比7%減と予測している。
韓国や中国、台湾旅行などは人気があるが、ヨーロッパなどの遠方は、航空運賃とは別に負担する燃料代が高く付き、敬遠されているそうだ。
一方、国内旅行は2%増。テーマパークや温泉街が、往時の活気を復活させる気配を見せている。ようは、原油高騰で何から何まで値上がりしている現在、旅費が安い近場で済ませようとの生活防衛意識が働いている訳だ。
◇鉄道や車の無い時代は、旅行という考え自体が存在しなかった。
あえて旅行と位置づけるとすれば、お伊勢参り、四国の88カ所巡礼などに見られるような社寺仏閣への参拝など、宗教的な意味合いが強かった。ヨーロッパでは、聖ヤコブの墓の上に建つ大聖堂を目指すフランス―スペインの巡礼街道が知られるし、イスラム教諸国では聖地メッカへの巡礼が信仰者の義務であり、夢だ。
車の無い時代の交通手段は自分の足。現代のように「楽しさ」や「癒し」を求める快楽的なものではなく、自らの信仰心に生き、確かめる修行のようなものであったのではないか。
◇現代のような旅行が日本で一般化したのは高度経済成長の頃から。鉄道や道路が整備されて移動手段が確保され、一家一台のマイカー。そして、生活に余裕ができ出した頃だろう。
旅行ブームの今では、飛行機で簡単に地球の裏側へ行けるし、ちょっと奮発すれば、南極にだって。最近では宇宙旅行を売り出す旅行会社も出ており、未知なる世界への探究心は、物欲に満たされてしまった現代人の心を捉えて放さない。
◇とはいえ今の原油高騰。高い燃料代を払うくらいなら、旅行の原点に回帰して、近場のお寺巡りが良いかも。
例えば、山と緑に囲まれた近江孤篷庵(上野町)は街中の喧騒を忘れて、心身をクールダウンさせてくれるし、標高750㍍の大吉寺(野瀬町)なんかも、深緑の香りとさわやかな風を楽しめそう。少し足を伸ばして湖東三山や、湖西の延暦寺も避暑には良いポイントだ。
寺院に限らなければ、琵琶湖での水遊びやキャンプ、気軽にチャレンジできるカヤック体験。伊吹山で高山植物を観察するのも楽しいし、醒井養鱒場では清流がヒンヤリとした空気を運び、魚料理に舌鼓。南浜や今荘ではブドウ狩り、長浜港では大花火大会―と、近場にも行楽ポイントは豊富だ。
ガソリン高騰を、普段見過ごしがちな地元の観光地、行楽地を再発見する機会と、前向きに捉えれば、今夏の旅行にも結構夢はありそうだ。
2008年07月22日 14:55 | パーマリンク
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