福田総理の危険な外交
日本の福田総理は、アメリカのブッシュ大統領の尻馬に乗って、北朝鮮への経済制裁などを解除する方針だが、ブッシュの腹の中は、今年末に任期が終わるので、それまでに北の核開発をストップさせ、泥沼に入っているイラク問題の失点を帳消しにしようとするたくらみである。
そこで、拉致問題を餌にして、日本を道連れに「北のテロ支援国家」の指定を解除することにした。
名実ともに「ならずもの国家」として、北の正体を一番よく知っているはずの福田総理は山崎拓元自民党副総裁、加藤紘一元自民党幹事長らの援護を受けて北朝鮮に対するこれまでの経済制裁を解除し、国交交渉へ一歩前進の構えを見せた。そのさい、アメリカの口ききで北の出してきたカードは「拉致被害者の再調査」と、日航・よど号ハイジャックの赤軍派と家族らの送還であった。
なにを、とぼけ顔におめおめと北の話に乗ったのか。
これまでに、何回交渉しても「拉致被害者はいない。拉致問題は解決ずみ」としらを切ってきたではないか。横田めぐみさんの生存は脱北者の工作員の証言によっても明らかだが、不法にもインチキの遺骨を送りつけて、それをめぐみさんの骨と主張し続けてきたのである。
◇1998年、北のミサイルが日本海上空から日本を越えて三陸沖に打ち込まれた事件はすでに触れたが、その翌99年3月23日には新潟県沖の日本領海内に不審船が侵略した。発見したのは海上自衛隊の哨戒機だった。海上保安庁の巡視船が追跡したが、速度の速い不審船は北朝鮮領海へ逃げてしまった。
海上保安庁は荷が重すぎて自衛隊の出動を仰ぐことにしたが、協議がもたもたして、自衛隊に出動を要請したのは事件発生15時間後だった。
これ以外にも日本海沿岸ではしばしば物騒な事件が伝えられ、あるときは日本人が拉致され、あるときはスパイや工作員が上陸し、スパイ用の器機が海岸に陸揚げされていた。ときには北朝鮮の兵士らしい死体が漂着したこともあった。
日本の自衛体制は一体どうなっているのか、戸締まり無用論者の声をいいことに独立国の主権を侵されたり、国民の安全がおびやかされているのに毅然とした対策が立てられなかった。
◇それどころか、2001年5月の連休中に世界的な大事件が日本国内で起きた。
北朝鮮の最高権力者・金正日総書記の長男・金正男とみられる男性が偽造旅券で日本に密入国した。入管当局に拘束されたさい、自ら金総書記の息子である、と名乗っており、明らかに最高権力者の後継者と目されている人物である。
この男性は若い女性2人と男児1人を連れていたが、うち1人を除き他はすべて偽造旅券による不法入国であった。
政府は入国の理由や、不法をただすこともなく、4日、わざわざ日航機で北京へ送り、北朝鮮大使館員らに迎えられるほどの厚遇をした。
本来なら逮捕して、徹底的に取り調べる筋であり、それこそ拉致被害者返還のカードにするべきだった。
これが逆の立場ならどうなっていたか。大物ではなく、一国民だったとしてもスパイ容疑で逮捕し、20年や30年拘束しているであろう。
◇北朝鮮はこのような数々の前科と拭いきれぬ不信と不法行為を重ねているからこそ、ならずもの国家といわれ、アメリカがテロ支援国家に指定してきたのではないか。
日本がいま、アメリカの尻馬に乗って経済制裁などをやめれば向こうの思うつぼである。そして、山崎拓氏らの親北政治家によって、日朝国交が表舞台に登場すれば、一時ひるんでいた日本の在日朝鮮人連合が息を吹き返し、日本はスパイの暗躍地となり、核兵器その他の軍事部品が送られ、国家機密がつつぬけになるだろう。
そのことは、韓国の政治に大きく影響し、韓国の親北世論の高まりと親北政治へのはずみとなるだろう。
それは南(韓国)に対する北の統一工作の激化とアメリカ軍の引き揚げ問題に発展するだろう。そのことを心配するがゆえに、今回のテロ指定国解除と経済制裁解除に反対するのである。【押谷盛利】
2008年07月10日 13:48 | パーマリンク
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